Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    まどろみ

    @mdrmnmr00

    皆様の七灰作品が見たいので書いてます

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 108

    まどろみ

    ☆quiet follow

    #七灰ワンドロワンライ
    第47回『独占欲』
    空i港軸。独り占めしたかった七の話

    #七灰

    記憶すらも共有したくないほどに「最期に呼ばれるまで、七海は僕のことなんてすっかり忘れているものだと思ってたよ」
    「何故?」
    空港にて。隣に座る七海は心外だという顔でこちらを振り返る。出会った頃から彼は考えていることがすぐに顔に出るタイプだった。
    「だって、僕の話を全然しなかったでしょ?僕のこと知らない人にはもちろん、五条さんたちでさえ」
    七海は殊更昔の話をしなかった。だから、七海に僕という同級生がいたことを知る人は少ない。しかも、知っている人に対しても、僕のことを思い出して語りだすということはなかった。
    「…大抵の人にはギムレットで察してくれたんだがな」
    「七海がよく飲んでたお酒?」
    「ええ」
    お酒に何が?と首を傾げると、どこから取り出したか携帯を操作しこちらに画面を見せるそこに書いてあったのは。
    「カクテル言葉?オシャレだね!って…」
    「…」
    その意味を理解して、自分を思ってこれを飲んでいたのかと確認しようと七海の顔を見ると、その頬は赤く染まっていた。
    「いやでも、これで僕のことだって断定はできないよ!」
    食事の席、酒の席、いろんな場所でだわいない話をする中、昔話に花を咲かせる周りに、七海は自分のことだけは話さなかった。
    「…たまにはみんなに僕のこと思い出してほしかったのに」
    「だからだ」
    「何が?」
    「話題に出すと、皆が灰原を思い出す。知らない人間なら興味を持つだろう。それが嫌だった」
    「嫌?」
    「灰原が私に向けた声、表情、感情。全部私だけのものだ。誰とも共有なんてしたくなかった」
    そんなことをまっすぐこちらを向いて言うから。
    「うわあ…」
    そんなわけないのに、なんだか勘違いしてしまいそうで。
    「僕、七海からすごく愛されてるような気になっちゃうよ」
    「何を今更」
    今日の七海は距離が近い。今だって、腰に手が回って耳元から声がする。
    「私だけのものにしたいと思うくらいには恋焦がれていたんだ、もちろん今も、その気持ちは変わらない」
    それは、独占欲と言うには重たい感情の吐露だった。

    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖😭😍💞💒😭😭😭💞💞💞💞💖💖😭😍💘
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    nononoko1996666

    MOURNING呪詛師灰原②(前の話とはまったく続いていません)。
    自分に出来ることを精一杯やっていたら、呪詛師になってしまった灰原。呪術師の七海は灰原くんの邪魔ばかりしてる。
    明るい灰原くんはいません。酷い灰原くんはいます。
    あと激重七海はいます(七海視点)。

    別に灰原くんに呪詛師が似合うとかじゃなくて、完全な私の趣味です!書きたいとこだけ!
    暗転「………ぁ」

    「灰原っ!!!」

    必死に腕を伸ばすも届かず、名前を呼ぶことしか出来なかった。
    一瞬にして鉄骨が崩れ落ち、コンクリートの破片が辺り一面に飛び散る。
    灰原と依頼主が中に取り残されてしまい、焦りながら私が鉈を必死に振りかざしている間に、もう一人の依頼主が居なくなっていた事に気付けなかった。

    「どうか、生きていてくれ…」


    ✳✳✳


    縋るような灰原の泣き顔を、初めて見た。
    見開いた瞳からは止めどなく涙が流れ、腕に抱えている依頼主を見詰めている。

    「ねぇ、…あの当主って言ってた人、この子置いて逃げたんだ。…ねぇ、どうしてかな?」

    「考えるな灰原、こっちへ来い…早く」

    今回は嵌められたのだ。私達はあの当主という男に、2級に依頼する任務にしてはおかしいと感じていたというのに。
    2168