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    kirche_is_dcst

    @kirche_is_dcst

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    千ゲ生産業。左右相手完全固定。千左固定。カプ固定だけど主人公総攻めの民なので千は全宇宙抱けるとは思ってる。逆はアレルギーなので自衛。
    基本フェチ強めのラブイチャ。ワンクッション置いてるけど時々カオスなものも飛び出します。
    受けの先天性・後天性にょた、にょたゆり、パラレル、年齢操作やWパロもあり。みさくら、♡喘ぎ多め。たまにゲがかわいそうなことに。(要注意案件はキャプションに書いてます)
    最近小説AIと遊んでます。
    一時期特殊性癖チャレンジをしてた関係で触手とかなんか色々アレなやつもあります。

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    千ゲ十二国記パロ3

    #現パロ千ゲ(パラレル)
    genparoSenge
    #十○国記パロ

    その日から、二人ぼっちの科学王国の建国が始まった。毎日素材を集め、試行錯誤を繰り返していく。ただし、残念なことに互いに肉体労働は不得手だったため、素材回収だけで一日が終わることもままあった。
    ドイヒーな強制労働、などと嘯きながらも、その日々自体を苦痛に思ったことはなく、千空が作り出す様々なアイテムに、ゲンは内心胸を踊らせていた。

    千空は次々と、科学で便利なものを作り出していった。
    それが広まり、少しずつ周りに人が増えてきて、賑やかになっていったけれど、依然として麒麟も王も現れる気配がなく。
    周囲の村や里は、今も荒れ放題だった。

     二〇年もその麒麟はなにをしてるんだろう。どうして戻ってこないんだろう。
    ……俺がもし麒麟だったら、すぐに千空ちゃんを選ぶのに。そしたら、千空ちゃんの望みを叶えてあげられるのかなあ。
    ぼんやりそんなことを考えて、馬鹿馬鹿しいと自嘲する。もしかしたら、なんて仮定は科学じゃ意味がない。千空ちゃんならそう言って呆れるだろう。
    ふいに、つきんと額が痛んで。触ると少し熱を持って盛り上がっていることに気付く。
    どっかでぶつけたっけ?
    その瞬間、見つけた、と意識の片隅に微かな声。けれど、周りを見回しても誰もいない。
    気のせいかなと思って横たわると、額の熱が全身に広がって動けなくなってしまった。

    「 おい、ゲン、どうかしたか? 」
    異変を察したのか、千空が隣のラボから様子を見にきた。額に触れるひんやりした手に、なんだか安心する。
    「熱があんな。……ちょっと待ってろ。薬作ってくる。いつからだ?」
    冷静にテキパキ処置を進める千空に、さっきから急に、と答えると、再度冷たい手のひらが額に触れた。……きもちいい。
    「 ……うん? オイ、このコブみてーなのどうした? 」
    「 ……わかんない。覚えてないけど、どっかぶつけたのかも 」
    いらえに、千空の表情が険しくなる。
    「 頭打って発熱してんならどっかヤベーとこ損傷してる可能性もある。
    吐き気とか他に様子おかしいとこあったらすぐ言えよ。」
    相変わらずぶっきらぼうで。でもやさしい言葉に、知らず、笑みがこぼれる。
    「千空ちゃんやさしいなあ。大丈夫だよ。んでも、なんかあったらすぐ言うね。」
    「あ"ぁ"、そうしろ。」
    そう言い残すと、千空は薬の調合のため隣のラボへ向かった。

    ふと気配を感じて。
    視線を動かすと寝台の下からぬぅっと白い腕が伸びてきて、既視感を覚える。……これは、あの時の。
    逃げなければ、と後ずさるも逃げ場がない。
     ずるずると引きずるような音を立てながら、なんだかよくわからない、ヒトのようなそうでないような形がゆっくり視界に現れる。
    伸ばされる腕に身を縮めていると、制止の声が入った。
    「お待ちなさい、公が怯えていらっしゃる。そのように急くものではない。」

    玲瓏とした声の主を見上げると、長い金の髪をした、この世のものとも思えない美しい女性。ついさっきまで、ここには誰もいなかったはずなのに。
    この女性も、白い腕の主も。どこから現れたのだろう。
    床から……生えた?そんな馬鹿な。
    視線が合って、にこりと笑みを向けられる。
    「 お探ししておりました、公 」
    探していた?探される心当たりなんてない。
    目の前の女性も、オバケも。
    知らない。見たこともない。
    混乱するゲンに、彼女は困ったようにもう一度微笑んだ。

    時間がないので掻い摘みますが、と語られた内容は衝撃的すぎてほとんど頭に入らなかった。自分は二〇年近く前に行方不明になっていたこの国の麒麟で、ずっと行方を探していたこと。少し前に蓬萊で見つかり、連れ戻されたこと。腕の主は、本来であれば自分の護衛と乳母を務める女怪であったこと。
    転移途中に逸れ、再度捜索中であったこと。
    そして、王を選ぶためにここを離れ、直ちに蓬山に向かう必要があること。
    「ちょ待!俺はちゃんと人間で、病院で生まれて、写真だって……!」

    動揺するゲンに、彼女は彼が流されたのはまだ孵化する前の卵の時であったこと、蝕で流された卵果──こちらでは生物は木に生った卵から生まれるらしい。最早どこから突っ込めばいいかわからない──の状態であったため、流された先で一番形質の近い胎児として母胎に宿り、ヒトの殻を被って生まれる仕組みであることを説明してくれた。

     それでなんだか、ああ、と腑に落ちる部分もあった。小さい頃からどうにも周囲から浮きがちで、それをカバーするためヒトの心の動きに敏感になった。他人にとって快適な自分を作るのが上手くなった。テレビで見たマジックに憧れてマジシャンになり、ますます人を楽しませること、偽ることが容易になった。嘘で塗り固められた、欠落だらけの薄っぺらな自分。その欠落は、そも自分が異物だったせいなのだろう。それならそれで、まあ仕方ない。でも、ここでの暮らしだけは楽しかった。
    だから、今興味があるのは一点だけ。麒麟は王を選ぶ。選べる。……千空ちゃんの望みを叶えられる。
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