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    kirche_is_dcst

    @kirche_is_dcst

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    千ゲ生産業。左右相手完全固定。千左固定。カプ固定だけど主人公総攻めの民なので千は全宇宙抱けるとは思ってる。逆はアレルギーなので自衛。
    基本フェチ強めのラブイチャ。ワンクッション置いてるけど時々カオスなものも飛び出します。
    受けの先天性・後天性にょた、にょたゆり、パラレル、年齢操作やWパロもあり。みさくら、♡喘ぎ多め。たまにゲがかわいそうなことに。(要注意案件はキャプションに書いてます)
    最近小説AIと遊んでます。
    一時期特殊性癖チャレンジをしてた関係で触手とかなんか色々アレなやつもあります。

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    千ゲ十○国記パロ⑤

    #現パロ千ゲ(パラレル)
    genparoSenge
    #十○国記パロ

    夏至が来て、事前に聞いていた通り、大勢の人間たちが昇山してきた。
    こんなに沢山の人を見るのは、こちらに来てから初めてかもしれない。
    いつもより豪華な衣を着せられて、進香の女仙たちに連れられて、普段とは違う離宮──甫渡宮に通される。ここが、いわゆる謁見の間のようなものなのだろう。
    じっとしていても退屈なので、許可を得て散策してみることにした。いつも閑散としている区画には集落がひとつふたつ出来ており、露店なども軒を連ねている。
     女仙たちから含まされていたことは三つ。
    王気を感じたら……つまりお告げがあったら女仙たちに知らせること。
    王がいたら、古来からのしきたり通り礼を。
    御前を離れず、詔命に背かず、忠誠を誓うと誓約し、叩頭礼をする。
    王がそれを受け入れ、許す、と答えればその者が王になる。
    王でなければ、今は夏至であるので秋分……中日までご無事で、と伝える。

     露店を眺めながら、ぼんやりと。流石にわたあめやラーメンはないよね。
    そんなことを考えて、自嘲してしまった。
    そんなものをこの世界で作れる人なんて、自分はたった一人しか知らない。

    「会いたいなあ……。」
    なにげなくそうつぶやいた瞬間、鼻腔を甘い匂いがくすぐった。
    目の前には、白くてふわふわした雲のような塊が差し出されている。
    反射的に口に含むと、甘さが解けるようにして口の中に広がった。
    「 えっ?わたあめ???なんでわたあめ????ここ蓬山だよね???」
    混乱していると、ククク、と聞き慣れた笑い声が聞こえた。
    「 まがりなりにも蓬山公が、いきなり差し出された菓子食うとか無用心が過ぎんだろ。腹減ってんのか?
    でもまあ、元気そうで安心したわ。」
    不遜にも聞こえる声に、周りが気色ばむ。それを制して、声の主に向き直った。
    「 えっ本物 ⁉︎ なんで千空ちゃんがこんなとこにいんの???わかんないわかんないなんで ⁉ ︎だってここ蓬山だよ ⁉ ︎ミジンコ体力の千空ちゃんがどうやってここまで昇ってきたの ⁉︎ て言うか今サラッと俺のこと蓬山公って呼んだ ⁉︎ えっなんで ⁉︎ 」
    矢継ぎ早な質問の嵐に、千空はめんどくさそうに髪を掻き上げる。
    「落ち着け。質問多いわ。行商の連中にわたあめ機と引き換えに便乗させてもらったんだよ。なにしろやっと麒麟サマがお戻りだって話じゃねーか。マンパワー一気に獲得出来る機会を見逃す手はねぇわな。
    で、テメーがいなくなった直後に国の全土に麒麟旗が揚がった。麒麟サマがお山に帰ったお知らせってやつだ。こんなんバカでもわかるわ百億%その結論しかねぇだろ。」
    ニヤリと悪い顔。ああ、いつもの千空ちゃんだとなんだか安心してしまう。

     そうだ、天啓。
    なにかお告げみたいなのがあるはず。
    それがあれば、ここに来た目的を達成できる。千空ちゃんを王にできる。
    けれど、待てど暮らせど、それらしい兆候は何もなかった。
    再会に浮き立つ気持ちは、重い絶望に変わった。どうして。どうして。どうして。
    繰り返しても尽きぬ疑問が、はたり目の縁からこぼれた。
    それですべてを悟ったように、そうか、と言って骨張った大きな手で頭を撫でてくれる。
    ………………かえりたい。
    ちいさくこぼした言葉は、誰の耳にも届かず、濡れた地面にとけてきえた。
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    惚れた女と一つ屋根の下で暮らすことになった俺の天国と地獄についての記録と考察「千空ちゃん、お待〜! えへへ、今日からお世話になりまーす! シクヨロ〜♪」
    「……おー、自分ちだと思って好きに使え」
     言いながら、千空は不自然にならない程度に、そっと視線を下げた。淡い藤色のワンピース。トップスの部分はレースで大人っぽく、ウエストラインから膝丈のスカートはシフォンを重ねたデザインで、幻のスタイルの良さが際立つようだった。──少しばかり胸元が窮屈そうに見えることに、言葉にならない気まずさを覚えて、千空はふいと顔を逸らす。
     二人が出会ったのは千空が十歳、幻が十三歳のときだ。紺の襟に白い三本ラインのセーラー服とプリーツスカート。或いは進学した先の、胸ポケットにワンポイントの刺繍が入ったブラウスと山吹色のリボン、ボックスプリーツのスカート。千空の大脳新皮質にあるのは、登下校時に見かけた制服姿の幻ばかりだ。私服姿を目にしたのは、偶然に都内の図書館で行き会った一度きり。普段のコンタクトレンズではなく黒縁の眼鏡をかけた幻は、シンプルな黒のニットセーターに、スキニーのジーンズを履いていた。いつもは見ることのないウエストから腰、細い脚へとつづく綺麗な曲線に、千空は跳ね回る心臓を抑えるのに必死で、ほとんど顔を上げられなかった。
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