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    甘味。/konpeito

    800文字チャレンジだったりssを投げる場所

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    甘味。/konpeito

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    本日の800文字チャレンジ「願いを灯りに代えて」
    Ⅳ最終相克前。ミシュラムにて/付き合っていないクロリン

    「もしも黄昏を終わらせて、それでも生き残っちまったら。――お前ならどうする」
     ミシュラムでの最後の一夜、リィンとともに酒の入ったグラスを傾けているときだった。話すならばこれが最後の機会だろうと彼へ水を向ける。
    「クロウ、」
     咎められても撤回するつもりはなかった。
     顔を顰めるリィンの言いたいことくらい、クロウは分かっている。互いに生き残ることの難しさなんてとっくに理解していた。なんせ、クロウはすでに死んでいる身だ。彼の眷属として、かろうじてこの世に留まっているだけの存在。リィンもまた、相克の果てに待ち受けるものを知ってしまった今、先を考えるのは難しいだろう。
     それでも、彼には未来の話をしてほしかった。
     迷子みたいな顔をした彼はしばらく押し黙って、酒で唇を湿らせるとようやく口をひらいた。
    「クロウと、酒が飲みたい」
     静かに願いを吐き出すリィンは、目を細めている。まるで夜空に瞬く小さな星を探しているようだった。
    「クロウ、と、酒が飲みたいんだ。また、ふたりで。こうやって、酒が……飲みたい」
     彼の握ったグラスのなかで琥珀がきらりと波立つ。
    「だめ、なのかなあ」
    「いいんじゃねえか。もしも。もしもふたりとも生き残ったら、そんときゃふたりで酒を飲もうぜ。とびきりいい酒をさ。そんで、スタークとお前と俺でジュライに行って、腹がはち切れるほど美味しいもん食わせてやるから覚悟しとけ」
     グラスをリィンに傾けた。意図を察した彼と互いのグラスをぶつけ合う。
    「ああ。そうだ。ジュライにも行かないとな。三人で、約束したんだから」
     今は、未来の話をしよう。
     明日が見えないほど暗いなら、約束を、願いを灯りに代えていこう。
     そうして、リィンと過ごしたミシュラムでの最後の夜は更けていった。まさかその先で、リィンどころかクロウまで生き残る未来が待っているとは知りもせずに。
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    さらさ

    MOURNING遅刻大魔王によるすったもんだクロリンがバレンタインデーにくっついて分校全体に知られるまで。ポイピク練習も兼ねてる舌先の魅惑


    「え、え~!?クロウくんにチョコレートあげてないの!?」

     トワの素っ頓狂な声が、第Ⅱ分校の食堂に響き渡った。七耀歴1208年、2月。もうすぐバレンタインデーだ、食堂やら寮のキッチンを貸し切っての菓子作りに女子生徒たちが浮足立っている。去年の同時期と言えばクロスベル解放作戦当日だ、直接参加した訳ではないとは言えど親しみある教官と生徒が参加するともなればムードもそれどころではなかった。実質、今年が初めてのトールズ第Ⅱ分校バレンタインデーである。男子生徒も一部落ち着かない様子ではあるが、それも今更と言ってしまえばそれまでなのだが。ともあれ、青春では割とお約束のイベントが差し迫ったことを踏まえ、生徒たちの押しに負けて食堂にやってきたリィンなのだが。

    「えっと、俺はクロウとは何もないですしチョコレートもあげてませんよ?」

    という言葉で冒頭に戻る。指し手であるミュゼでさえ予想外だったその回答に、誰もが頭を抱えた。この朴念仁め、は共通の認識であるが故に誰も口には出さないが。

    「で、でもでも!リィン教官はクロウさんのこととても好きですよね!?」

    ここでもユウナから容赦ない一 4406

    さらさ

    DONEエア小話 リクエストが指定なしとの事だったので
    「何かで互いに対して不機嫌そうにしてるクロリンが戦闘でも息ピッタリな話」
    です。リクエストありがとうございました。
    「……なんか、今日のクロウ機嫌悪くない?」
    「心なしか、リィンさんの機嫌も悪いような気がしますね」

     真・夢幻回廊、第五階層。最前線で戦うクロウとリィンを遠目に、後方支援役のエマとエリオットはそんな話をしていた。いつもだったらベタベタと言っていい程に距離が近いのが、二人ではありえないほどの常識的な距離だったし先程から二人で一度もリンクを繋いでいないのだ。一体何があったというのか、二人の様子を観察するにしても普段は砂糖を吐きたくなるほどドロドロに甘く見ていられないというのが新旧Ⅶ組どころか特務支援課他遊撃士等々の面子が出した結論だった。下手をしたら馬に蹴られかねない。そんな甘さを微塵も感じさせないまま、次から次へと魔獣を伸していく二人には最早感心せざるを得なかった。

    「なんというか、喧嘩したのか?」
    「それはあり得るかもしれないわね。でも……」

    サブメンバーとしてついてきているガイウスとエステルの視線は少し離れたところで戦闘を仕掛ける二人に向けられる。リンクはエマがリィンと繋ぎ、クロウはエリオットと繋いでいる。ダメージを受けることなく終わらせてしまうので、あまり意味がないのだが。
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    さらさ

    DONEリクエストより「クロリンで指輪交換」でした。指輪を交換した勢いで誓ってもらいました。場所が場所だけどね!

    リクエストありがとうございました!
    誓いの環をその指に「買って、しまった……」

     十二月もまだ初旬、たまたま帝都に出たという理由だけで散策して見つけたシンプルな指環。ああ、あいつに似合いそうだと思ってうっかり買ってしまった物だったがこれを渡せる程の関係でもないという事は彼――リィンも分かり切っていた。一応、お付き合いしている関係ではある。だが余りにも空白の時間が長すぎた事、戦後の事後処理に追われて時間が取れない事が相まってしまい未だ実感が湧かないのが現実であった。だからこれは余りにも早すぎるというもので。そっとコートのポケットへと仕舞ったのだった。

    「やべぇ、買っちまった……」

     同時期、別の男もまた同じ事をしていた。たまたま見つけた最低限の装飾しか施されていない指輪。ああ、あいつの指にはめてしまいたいだなんて思っているうちに買ってしまった代物である。お付き合いを始めてそろそろ三か月、今度こそ手を離さないと誓ったものの状況がそれを許さなかった。彼らは別々の場所で必要とされ、帝国内を東奔西走するような日々である。言ってしまえば魔が差したようなものだと、彼――クロウは思う。なんせ相手は天性の朴念仁で人タラシ、所有痕の一つや二つ残しておかねば相手が近寄ってくる始末だ。その状況に頭を抱えていたのは事実だが、かといってここまでするつもりはまだ毛頭なかった。
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    さらさ

    SPUR ME12月12日に出す予定の展示品を尻叩きとサンプルを兼ねて一章丸々アップ。こんな感じのクロリンの話が五感分連続していく感じです。シリアスが続きますがハピエン(にしてみせる!)

    ちなみにタイトルは全て「五感に関する部位のことわざ」を当てはめています。変わるかも。
    医者と味噌は古いほどよい リィンは《黒の工房》から救出されて以来、違和感に気付いた。《巨イナル黄昏》より前に感じ取れていた味が、分からなくなっていたのだ。一か月近く食事をしていなかったこともあり気付かなかったが、しばらく食べているうちにようやくその違和感に辿り着いた。原因は分からないが、相克に向かうこの状況で他の心配事を出来ればリィンは作りたくなかった。だから、黙っている事にした。――目に見えて減っている食事量を前に、既に全員が気が付いているだなんて思わないまま。

    「そういうワケでクロウ、よろしく」
    「いや待て、どうしてそうなる」

    セリーヌとデュバリィに足止めさせて始まる新旧Ⅶ組大会議。答えは出ているも同然だったが、それでも認識の擦り合わせが必要だと集まったのだが。驚く程分かりやすいリィンの事だ、擦り合わせる間でもなかったが。それが分かれば押し付ける先は一つしかない。フィーの直球な言葉にクロウは予想もしていなかった為狼狽えた。リィンは無自覚ではあるが彼に甘える。そしてクロウは彼が甘えてくる自覚はあれど甘えさせているという自覚はなかった。何も自分に持ってくることはないだろうに、それがクロウの言い分だがそれに呆れている様子もまた感じ取っている事もあって困っている。
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    さらさ

    DONEクロリンwebオンリーのエア小話より「内容指定無しの更紗が書いたクロリン」です。
    12月に不安定になっちゃうリィンが今年はしっかりしなきゃと思いながらクロウにメールすることから始まるシリアスクロリン。



    ランディが出てくるのは私の趣味です(書き分け難しかったけど楽しかった)
    慣れぬくらいならその腕に ――冬、か。リィンは仕事が一段落した寮のベッドで、バタリと倒れながらそう思う。《黄昏》が終結してから三度目になるその季節に、そろそろ拭えていい筈の不安がまだ心の奥底で突き刺さっていた。

    「流石に通信は女々しいかな」

    流石に三度目ともなれば慣れなくてはならないと、彼は思う。今は異国を巡りながら情報収集やら遊撃士協会の協力者やらで忙しい悪友を、年末には必ず帰ってくる優しい人を心配させない為に。開いたり、閉じたりしてどうも定まらない思考をなんとか纏めようとする。

    「今年は帰ってこなくても大丈夫だって、言おうかな……」

    移動距離だってそんなに短くないのだ、忙しい時間を自分に割かせるには余りにも勿体無さすぎる。そもそも、帰ってくるという表現さえ正しいのかは分からないが。導力メールで今年は帰ってこなくても大丈夫だという旨だけ書いて送信して、そのまま目を閉じる。通信を告げる着信音がやけに遠く感じながら、リィンはそのまま眠りについた。
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