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    甘味。/konpeito

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    本日の800文字チャレンジ
    トラブルだろうと解決します/クロリン
    前回の続き/霊力に関して独自解釈があります。

    「それで、そんな姿になってしまったと」
     クロウの膝に抱き上げてもらったリィンは、周りから見下ろされている窮屈さに肩を落とした。
     心配させてしまっている。これから先の不安も相まって滲んできた涙を袖で拭った。後ろからハンカチを手渡され、宥めてくれる大きな手にほうとため息をつく。
    「そうなんだ。こまったことに、かんじょうがようじのからだにひっぱられてしまう」
    「それはそれは。精霊窟を出ても元の姿に戻らないのは気になりますね。先だって調査させて戴きましたが、おそらく今のリィンさんは霊力を一時的に失っている状態に近いと思われます」
     眼鏡を外して見つめてきた瞳を、固唾の呑んで見守る。
    「霊窟の最奥には主がいなかったようですし、霊力が十分に補充できれば元の姿に戻りますよ」
    「ありがとう、えま。それで! それでほじゅうのしかたはどうすればいいのか、おしえてほしい」
     ふたたび眼鏡をかけたエマが微笑んでくれた。興奮のあまり彼女に抱きつこうとした身体をクロウが抱きとめてくれて助かった。
    「それは、ですね……」
     ちら、と背後にいるクロウへ視線を投げた意味をリィンはまだ知らなかった。
     エマが提案してきた方法とは、クロウの霊力をエマの術式で変換させてリィンの身体に馴染ませるというものだった。相克のときには眷属化できるほど霊力の相性がいいのなら可能だろうという話だ。
     縮む前に身につけていたシャツに袖を通したリィンは、悩んで悩み抜いてぶかぶかの下着を履いた。元に戻ったときに身につけていないと心許ない。
     シャツのうえからずり落ちてしまいそうなそれを掴んでクロウの前にいくと、察したのか術式展開する場まで運んでくれたので助かった
    「その、めいわくかけてすまない」
     向かい合い両手をそれぞれ繋いだクロウはなんでもない風に笑ってくれた。
    「なんだよ。今さら変な遠慮すんな。俺とお前の仲だろ。だいたい、お前が元に戻らないと俺もお前の生徒も困る」
    「くろう……」
     感激して頬を熱くしていると、握っていた手をことさら強く握られた。
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