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    甘味。/konpeito

    800文字チャレンジだったりssを投げる場所

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    本日の800文字チャレンジ
    クロリン/今宵食べられたい

    「今日で三週間、か」
     バツの並ぶカレンダーを睨んだリィンは肩を落とした。
     クロウとセックスをしなくなってかれこれ三週間経つ。合間に二度ほどお互いの休息日が重なったものの、ベッドのなかでそわそわして待つリィンを置いて、彼は隣りで熟睡していた。
     ふたりで暮らしはじめてはや二年。
     同棲一年目は、ふたつ並んだ歯ブラシや二人分の食器にさえ喜んでいたものだった。
    「飽きた、とか」
     口からこぼれた言葉に首を振った。
     男を抱くのは確かに面倒だ。それでも毎回リィンがひとりで事前準備するのを、手伝わせろと文句をつける彼が飽きたとは到底考えられなかった。
    「……いつもクロウに誘われるばかりなんだ。俺からも誘ってみよう」
     随分前にⅦ組生徒一同からだとミュゼらから贈られた箱を開ける。
     ちょうど明日はふたりの休息日。リィンは今夜、クロウを誘う決心をした。
    「お、リィン風呂遅かったな。そろそろ寝るぞ」
     ベッドサイドの灯りで本を読んでいたクロウがこちらに目を向ける。分かりやすく固まった彼に歩み寄り、ベッドに乗り上げた。理性を捨て切れず羽織ったバスローブの下で擦れる薄着が擦れてむず痒い。
     これからクロウを誘うのだ。初めて彼に組み敷かれた夜と同じくらい心臓が早鐘を打っている。
    「その、クロウ」
     目を伏せ、クロウの手を取った。剣だこのある、少し節くれだったリィンの好きな手だ。その手に勇気を貰って口をひらく。
    「今日、シたいんだ。セ、セックス」
     意を決して吐き出した台詞に応答がない。落胆と羞恥がない交ぜになるまま彼の顔を見上げる。
    「クロウ?」
     口元を覆った彼の手の隙間から鮮血が流れ落ちる。慌ててバスローブを脱ぎ捨て、血がベッドに落ちないよう広げた。
    「おまっ、それ逆効果!」
     ふたたびバスローブを被されたリィンは、鼻を押さえたクロウから誘うのもほどほどにしてほしいと懇願されるのだった。
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