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    甘味。/konpeito

    800文字チャレンジだったりssを投げる場所

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    甘味。/konpeito

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    本日の800文字チャレンジ
    クロリン/いつかの未来
    不意打ちラブサイン

    「おはよう。さて、ホームルームをはじめようか」
     扉をあけ、Ⅶ組の教室に入ったリィンは当たり前な顔で机に座る銀髪に目を見開いた。
    「おはようございます、リィン教官」
     伊達眼鏡をかけ、生徒らに混じって着席しているクロウがにこやかな笑顔を向けてくる。入り口で固まっているリィンへ手を振ってくる余裕さも見せられ、つい顔をしかめた。
    「なんでクロウがここにいるんだ」
     どうにか無事にホームルームを終え、クロウを廊下へ引っ張り出す。無抵抗についてきた彼は整っていた髪を手櫛で乱した。
    「今日はこっちで頼まれ事があったんだよ。そのついで」
     眼鏡を外してリィンにかけさせたクロウは満足そうな顔をしている。そっちのほうが似合うぜ、なんて口角をあげる男に苛立ちが募った。
    「だとしても、昨日連絡してきたときに教えてくれてもよかっただろう」
    「あのな、察しろ」
    「なにを」
     素直に疑問をぶつけると、渋い紅茶を飲んだような顔になる。長い長いため息を吐き出す彼に毒気が抜かれた。
    「昨日話してたら、お前の顔が見たくなったんだよ。察しろっていうのはそういうこと。それと、明日休みなんだろ。そう言ってたもんな。帝都に宿とってあるから今夜は覚悟しとけよ」
     慣れた動作で距離を詰めたクロウの唇が頬に当たる。引き留める隙なんて与えず、去っていく背中を呆然と見送った。
     あれから授業の準備をするため教官室へ戻ったリィンは、入り口をくぐり損ねて壁に額を強かに打ちつけた。先に戻っていたトワが駆け寄ってきて心配そうな目でこちらを見上げている。
    「だ、大丈夫リィンくん」
    「トワ先輩……、大丈夫です。軽くぶつけただけなので」
     なんでもないと笑って自席へ足を向けた途端、なにもないところで盛大に転んだ。
    「本当にどうしたのリィンくん! 具合悪いの顔真っ赤だよ」
    「いえ、本当になんでもなくて」
     熱く火照る頬を手の甲で押さえる。触れた唇の感触を思い出し、ますますトワから心配されるのであった。
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