Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    111strokes111

    @111strokes111

    https://forms.gle/PNTT24wWkQi37D25A
    何かありましたら。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 290

    111strokes111

    ☆quiet follow

    ゆる〜い現パロ(警察官×教師)
    クロロレ

    離婚して再婚するやつ(仮)14 ローレンツは物分かりがとても良く、クロードが勤務のせいで彼を放置しっぱなしでも機嫌を損ねるようなことはなかった。彼は彼で仕事で多忙だったこともあり、結婚したての頃は上手くいっていたように思う。
     クロードがそう述べるとアネットの親友だというメルセデスはそうなのね、と言って頷いた。隣の椅子に座るローレンツは腕組みをして黙っている。話し合いってとっても難しいから私のことを頼ってね、と最初にそう言われたからだ。
     それは彼が教え子たちに常々伝えていることでもある。殴り合いや口喧嘩よりもずっと難しいからこそチャレンジして欲しい、その手伝いをするから───その指導方針を知った時、クロードは柄にもなく感動したのだ。彼の教え子が増えれば多分この街は変わる。
    「ローレンツはどう思うのかしら〜?最初は上手くいっていたの?」
     今度はクロードが黙る番だ。アネットの提案で夫婦カウンセリングに通っている。被害者支援のカウンセリングルームで夫婦カウンセリングも行っているからだ。ローレンツは本気で次の段階へ進もうとしている。
    「僕が間抜けのお人よしでいる間は上手くいっていたね」
     ローレンツは自嘲気味に笑っている。そんな顔をさせたくて黙っていたわけではなかった。
    「守秘義務については承知している。僕が許せなかったのは」
     久しぶりに目と目が合う。相変わらずアメジストのように綺麗でこの瞳を曇らせたのが自分かと思うとクロードは逃げ出してしまいたくなる。
    「抗うつ剤を捨てたことだ」
     結婚してすぐ、間の悪いことにクロードは潜入捜査をすることとなった。守秘義務があるので家族にすら全貌は明かせない。そして自分が危険な目にあえばあうほど冷静になり、ぎりぎりまで恐怖心というリミッターが働かない性質であることを知ったクロードは華々しい成果を上げた。
    「即効性がない、と言う理由で精神医療に不信を持つ人が多いのは残念なことだわ〜」
     そして深く傷ついて日常に戻ってきた。抗うつ剤や神経に直接作用する白魔法で蓋をしようと潜入先でクロードが目にしたものが現実であることに変わりはない。治療に意味が見出せなかったクロードはローレンツの前で健康な人間であるかのように振る舞った。だが精神力だけで取り繕うのには限界がある。ローレンツは間抜けでもお人好しでもなかった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭😭😭💖🙏💖🙏💖🙏💴
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    111strokes111

    MAIKING「説明できない」
    紅花ルートで戦死した記憶があるクロードと青獅子ルートで戦死した記憶があるローレンツの話です。12月にクロロレオンリーイベントがあればそこで、実施されなければ11月のこくほこで本にするつもりで今からだらだら書いていきます。
    1.振り出し・上
     クロードが最後に見たのは天帝の剣を構える元傭兵の女教師だった。五年間行方不明だった彼女が見つかって膠着していた戦況が動き始めそれがクロードにとって望ましいものではなかったのは言うまでもない。

     生かしておく限り揉めごとの種になる、と判断されたのは故郷でもフォドラでも同じだった。人生はなんと馬鹿馬鹿しいのだろうか。だが自分の人生の幕が降りる時、目の前にいるのが気に食わない異母兄弟ではなくベレス、エーデルガルト、ヒューベルトであることに気づいたクロードは笑った。
    >>
     もう重たくて二度と上がらない筈の瞼が上がり緑の瞳が現れる。その瞬間は何も捉えていなかったが部屋の窓から差す光に照準が合った瞬間クロードの動悸は激しく乱れた。戦場で意識を取り戻した時には呼吸が出来るかどうか、視野は失われていないか、音は聞こえるのかそれと体が動くかどうか、を周りの者に悟られぬように確かめねばならない。クロードは目に映ったものを今すぐにでも確認したかったが行動を観察されている可能性があるので再び目を瞑った。

     山鳥の囀りが聞こえ火薬や血の匂いを感じない。手足双方の指も動く。どうやら靴は履 2041

    111strokes111

    MAIKING「説明できない」
    赤クロと青ロレの話です。
    7.背叛・上
     皆の初陣が終わるとクロードの記憶通りに事態が進みロナート卿の叛乱の知らせがガルグ=マクにもたらされた。養子であるアッシュへセイロス教会からは何も沙汰が下されていない。軟禁もされずアッシュの方が身の潔白を証明するため修道院の敷地内に閉じこもっている。鎮圧に英雄の遺産である雷霆まで持ち出す割に対応が一貫していない。前節と同じく金鹿の学級がセイロス騎士団の補佐を任された。クロードの記憶通りならばエーデルガルト達が鎮圧にあたっていた筈だが展開が違う。彼女はあの時、帝国に対して蜂起したロナート卿を内心では応援していたのだろうか。

     アッシュは誰とも話したくない気分の時にドゥドゥが育てた花をよく眺めている。何故クロードがそのことを知っているかと言うと温室の一角は学生に解放されていて薬草を育てているからだ。薬草は毒草でもある。他の区画に影響が出ないようクロードなりに気を使っていたがそれでもベレトはクロードが使用している一角をじっと見ていた。

    「マヌエラ先生に何か言われたのか?致死性のものは育ててないぜ」
    「その小さな白い花には毒があるのか?」

     ベレトが指さした白い花はクロード 2097

    111strokes111

    MAIKING「説明できない」
    赤クロ青ロレの話です。
    17.惨劇・上
     南方教会を完全に無力化されてしまったことや西方教会対策やダスカーの幕引きでの手腕には疑わしいところがあったがルミール村においてまず疫学的な検査から実施されたことからもわかる通りセイロス騎士団は手練れの者たちの集まりだ。ベレトの父ジェラルドまで駆り出されている異変においてクロードやローレンツのような部外者が介入しても迷惑がられるだけだろう。

     クロードにしてもローレンツにしても記憶通りに進んでほしくない出来事は数多ある。ロナート卿の叛乱もコナン塔事件も起きない方がよかったしこの後の大乱も起きて欲しくない。だがこのルミール村の惨劇は起きてほしくなかった案件の筆頭にあげられる。他の案件の当事者には陰謀によって誘導されていたとはいえ意志があった。嵌められていたかもしれないが思惑や打算があった。だがルミール村の者たちは違う。一方的に理性や正気を奪われ実験の対象とされた。そこには稚拙な思惑や打算すら存在しない。事件を起こした側は村人など放っておけばまた増えると考えたらしいが二人にとって直接見聞していないにも関わらず最も後味が悪い事件と言える。
    2123