恋刀が折れた上に敵に犯されて心の壊れたソと何もできない二振り目の典「霊力を与える以外の愛情表現の方法を知らない」攻めと
「攻以外の人間が化け物に見えてしまうようになってしまった」受け
でお題
診断メーカーより
「ソハヤ、朝飯だ」
蔵の扉を開けて大典太は中の兄弟に声をかける。
返事の代わりにくすくすと笑い声が聞こえた。
「きょうはみつよとでかけるんだ!だいじょうぶ!すぐにもどるって!あはっ、ととさまはしんぱいしょうだなぁ!」
蔵の中には座敷牢が、そしてその中に薄い着流を身につけたソハヤノツルキが居た。手足を鎖で繋がれて、目元を布で隠されている。
酷く舌足らずな言葉はソハヤの声だ。今日もまた、大典太が来たことにも気付かずに空想の中で笑っている。
ととさま、とは自分たちの刀工のことだろう。打たれた時、付喪神ではなかったが霊力のある三池刀には自我があった。妖怪と神の間のような存在だったのだろう。その時の刀工と大典太とソハヤで暮らしていた時の記憶が今日の記憶らしい。
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