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    遭難者

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    遭難者

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    萌えが止まりません。
    36話とアノ話の間の妄想。
    実は何がどうしてこうなったのか理解はしておりません!わからないのに萌えが勝りました!
    原作に書いてありますか?
    理解してないだけで実は言っていますか?
    短くてそんなでもないですが、念のためのワンクッションです。
    待てよ…食ったということも…

    #山河令
    mountainAndRiverOrder
    #温周
    temperatureMeasurement

    -----------


    「老温!雪が解けてきたぞ!」

    「……。」

    「なんだよ嬉しくないのか?…」

    「阿絮を世界に取られたくない。」

    「……は?何をわからんこと言ってるんだ。」


    入口を塞ぐ雪の壁をふたりで見上げる。
    確かに壁の表面がしっとりと湿り気を帯びているを感じる。

    この閉じ込められた空間にふたりだけ。
    本当にふたりだけの世界だ。
    向こうの世界で阿湘に逢いたい気持ちも、外の世界で成嶺に逢いたい気持ちもあるけれど、ふたりの音しか聞こえないこの世界を手放したくない。


    「日の光くらい浴びたいだろ?日向ぼっこはお前も好きだったろ?」

    「僕はずっとしてたよ。日向ぼっこ。」

    「外に繋がる抜け道でも知ってたのか?俺に教えないなんて、本当に……本当にお前は酷い奴だよ。」

    「……抜け道なんて知らないよ。残念だけど阿絮は出来ない日向ぼっこだからね。」

    「?」


    確かに酷いことをたくさんした。自分にされたら許せない。

    暗闇の中、道なのかどうなのかもわからない場所を随分とさ迷い歩いていた。突然さした光を辿っていけば、美しい世界が広がっていて。
    山も川も木々や草花、走る動物や……街や人間でさえも、生きていることがこんなに美しいとは知らなかったんだ。
    そんな光を…どんなに恨まれたとしても、消せるはずないだろ?


    「僕だけの光だから、僕しか出来ない日向ぼっこ。」


    隣に立つ阿絮の肩に少しかがんで頭をのせる。


    「………バカか?」

    「バカだって何だっていいよ。」

    「ひとりで日向ぼっことは。…あ、だからお前はいつも体温高かったのか!」


    いや、体温が高かったとしたら阿絮が妙に艶っぽい時が多いせいだよ。ってことは、やっぱり阿絮のせいだから、君の言う通りだ。


    「ひとりで温まってるとは本当にずるい奴だな。まぁいい、俺はこうして暖を取るから。」


    肩のせていた頭を外され、代わりに両腕にくるりと包まれる。慰めでもないのに阿絮からこういうことするのは珍しい。


    「阿絮。」


    名前を呼んだら、更に力を込められた。
    もうすぐ日の光を浴びることができるので浮かれているのだろうか。
    太陽を背負った阿絮はことさら美しいだろうな。

    でもやっぱりもう少しだけ。
    雪が解けるのは、もう少しだけ待っていて欲しい。





    了。
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    tuduri_mdzzzs

    DONE※シブに魏嬰の分と結をまとめてUP済。
    このあとは結書く。
    実は龍の化身である藍忘機の話藍湛視点


     藍忘機は緊張していた。何故なら魏無羨と恋仲になれたのはいいが、絶対に受け入れてもらわねばならない大きな秘密があったからだ。思いが通じ合ったのは天にも昇る心地であったが、これから明かさねばならない秘密が、藍忘機の心を深く沈めていた。

     藍忘機は龍の化身である。

     いや正確に言うならば龍神の使いなのである。藍氏本家直系は龍神の使いとして代々、人の身と龍の身、この二つの身を持っているのである。

     しかしそれを知るものは直系の人間とその伴侶以外いない。

     外弟子は当然ながら、内弟子でも知らぬことだ。しかし逆に伴侶は知らねばならない。知って、この事実を受け入れなければならない。何故ならば直系の子との間に子を産めば、それは龍の身となって産まれてくるからだ。大抵の者は自らの産んだ子を見て発狂する。母が二人も産めたのは今にして思えば奇跡だと、否、二人目までは大丈夫な者も多いのだそう。次こそはと願いその希望が叶わなかった時、ぽきりと心が折れてしまうと、いつだったか聞いた。それでも愛しまぐわうならば知らねばならない。龍の精を受け入れれば、男女に関係なく孕んでしまうのだから。
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