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    amazake_oisii

    @amazake_oisii

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    amazake_oisii

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    一氏が声変わりに怯える話 途中で力尽きたので変なとこで終わってるしそもそも文章力が皆無 多少捏造もしてます

    声が出ない、という自覚はあった。あったのだが、それは長引く花粉症であったり、あるいは季節の変わり目による扁桃腺の炎症によるものだと思っていた。とはいえ、喉が使えないのではモノマネはおろか、コントを披露することも出来ない。ややこいやっちゃな、と思いながらマスクを付けたり家の至る所、果ては部室にまで加湿器を設置したりした。水蒸気が出るとこに口を近づけて保湿していたら、すれ違う奴皆に哀れみの目を向けられた。心外や。謙也には、俺んとこの病院来るか?と本気で心配されもした。お前んとこ整形外科やろが。
    他にも、噛み砕きたい衝動をなんとか押さえ込みながら一日中のど飴を口にしたりもした。
    それなのに一向に治まらないどころか、声の出が悪くなる一方で、遂にはコントライブも休止せざるを得なくなった。
    「あ"""""~~~~~~~~~""もうなんやねん!!!」声が出ないことがこんなにもストレスフルだとは思わなかった。そういう日に限って名物先生の口癖は普段の何倍も特徴的かつ面白いし、友人たちが目の前で繰り広げる会話の中で下手くそなツッコミでボケが殺されていくのを指をくわえて見守ることしか出来ない。

    そんなこんなでストレス社会を生き抜き、しわがれたものの幾分か出しやすくなった声にルンルンしながら、久々に小春にネタ合わせを持ちかけた。

    夕方の教室はなんとまあ静かである。昼間あんなに騒がしかったとは思えないくらいだ。外からは薄らと様々な部活生の掛け声が聴こえる。小春、遅いなあなんて思いながら廊下の方を眺めていると神妙な面持ちの小春がゆっくりと俺のもとまでやってきた。はて、どうしたもんか。

    『ユウくん、ずっと言おうか迷っててんけど…それ、変声期とちゃう?』
    変声期……?そんな事考えもしなかった。数年前に若干ではあったもののそれらしき期間があったから。「なんや怖い顔で来たと思ったら何言うとんねん小春、こんなん風邪拗らせただけやわ」『ユウくん、あんた1回も体だるそうにしてへんかったやろ それに喉の調子の悪い期間考慮しても流石に1週間超えるんは長すぎんのよ……モノマネの幅が狭くなるんはしゃあないけどこれからもやっていかれへん訳やないし受け入れ「あかんねん!!!確かにコントライブなんかは多少声が低くても充分やっていけるけどテニスはそうはいかんねん!!!!!」
    そうだ、多少声が低くても通りにくくても、コントライブ、つまり人を笑かすことに関してさして問題となることは無い。今まで培ってきた経験からその自信は多分にある。けれど、テニスはどうだ?相手の次の行動の読み合いで大きく試合の流れが変わるテニスにおいて、相手選手の声を真似てダブルスペア同士を撹乱させることができるのはかなり有利だ。というか、それを十八番として今までやってきた。それなのに、今後どこまで低くなっていくのか分からない未来を淡々と受け入れながら生きていくことなど出来るはずがない。
    日毎に声が低くなることが確定した未来がこんなにも恐ろしいものだとは思わなかった。他の奴らと比べて声が高い方であることは自負していたが、それは同時に己の武器でもあったのだ。その武器が、今180°方向を転換し、自分に向かって襲いかかる。まるで、ギロチンに磔にされたような気分だ。
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