Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    sayutaba18

    @sayutaba18
    ライハを愛してる女。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 54

    sayutaba18

    ☆quiet follow

    冬の朝その2 付き合ってないいずレオ(でもベッドは一緒)

    #いずレオ
    izuLeo

    「ん……、……ん?」
     お腹あたりが重い。と手を伸ばすと、誰かの手に触れた。誰かっていうかセナしかいないはずだ。これで振り返ったら違う人だった……なんてことがあればそれはそれで面白いかもしれないけど。その場合セナがものすご~く怒りそうなのでそういう事態はご遠慮したい。
     おれは抱き枕のように、セナにがっちりと両腕で抱き締められていた。いつからこうされていたのだろう。全然気づかなかった。そもそも珍しい。セナはいつも上を向いて寝るか、反対側を向いて寝ることが多いのに。
     できることなら反対側を向きたい。どんな顔をしてこいつはおれを抱きとめているのだろう。あ、冬だからセナも人恋しくなったりするのか? よしよし、それならおれがあっためてあげるからな~!
     小さく身動ぎをして寝返りを打つ。ちょうどおれの頭のちょっと上にセナの顔が見えた。寝ている時はさすがに眉間に皺も寄っていない、気持ち良さそうに眠るセナ。寝息も静か。さすがだな。綺麗だな、と見つめていたら、たちまち頭の中に音楽が溢れだしてくる。これだからセナはほんと、勘弁して欲しい。
     お返しとばかりにセナのお腹に手を回して隙間なくくっついてみた。ついでに足も絡めてみた。首もとに顔を埋めると、セナの匂いがいっぱいした。あ~幸せ。他に何にもいらない。この温もりさえあれば。
    「ん……れおくん……?」
     頭上から声が聞こえて見上げると、うっすらとアイスブルーの瞳がこちらを見ていた。しばらく目が合っているのに何も言わない。寝起きでぼーっとしているセナも貴重で面白い。
    「っ!? なんであんた抱きついてるの!? 離れてよねぇ!」
    「えっ!? あだっ!」
     一瞬にして般若の顔に変わったセナはおれの顎をぐいっと押して遠ざけてきた。油断してきたからしっかりと一撃をくらって、とても痛い。
    「一緒の布団で寝るのは許してあげたけど、俺が寝てるからって! こんな、恋人みたいな……ああもう、最悪」
     セナが起き上がって、冷ややさな目でおれを見る。いやいや、誤解なんだけど!
    「そうは言うけど、先に抱きついてきたのはセナだぞ~?」
    「嘘でしょ!」
    「嘘ついてどうするんだよ~。おれのこと後ろからぎゅーってしながら寝てたのはセナなんだからな! まぁ、調子に乗っておれも抱きついたのは本当だけど」
     おれが先に起きていたという証拠はない。でもセナの方がはじめにおれを抱いてたんだからな。
    「えぇ……俺が……? れおくんを……?  ほんとに?」
    「ほんとに! セナも人恋しいのかなぁって思ったからおれもぎゅってしたけど、だめだった?」
    「だめに決まってるでしょ! だって俺とれおくんはそういう関係じゃないし」
    「そういうって?」
    「そ……とにかくだめ! この話続けるならベッドもう一個買うから!」
    「やだ! セナと一緒に寝たい! だいたいセナはおれに抱きついていいのにおれからはだめなのは許せん!」
    「心配しないで、俺からも二度とやらないから」
    「それはそれで寂しい! セナ~!」
     ぎゅっと腰周りに抱きついて頭をぐりぐりとこすりつけると、頭上からは大きなため息が聞こえてきた。
    「はいはい。れおくんからスキンシップを取ったら死んじゃいそうだからね。許してあげる」
    「……セナからは?」
    「……気が向いたらね」
    「今向いて! さっきの一撃すごく痛かったんだからな~! お詫びしろ~!」
    「……わかったよ……」
     口を尖らせセナを睨み付けると、渋々といった様子でセナの手がおれの腰に回る。そのまま引き寄せられて頭をポンポンを撫でられて、それから。
    「えっ、ええっ」
    「……これでいいでしょ~!?」
    「セナ、おまえこそこんな……こういうの恋人にするやつじゃないのか?」
    「う、うるさい! 朝ご飯にするよ! もう!」
     額にキスを落とされた。驚いてセナを見ると、顔を真っ赤にしていて、それを見ておれもぶわっと耳が熱くなる。
     照れ隠しかわからないけれど、この話は終わりとばかりに足早にセナはキッチンへと消えていった。
     えっ、セナってもしかしておれのこと……? いや、まさか、そんな。

     ……えっ?
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏💞💞💞👏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    sayutaba18

    DONEクリスマスのいずレオ。今日はクリスマス。骨つきで購入しておいた鶏肉に朝から包丁で切り込みを入れ、皮にフォークを何ヵ所も突き立てて下処理を終えた後、調味液に漬け込んでから仕事へと向かった。
     帰宅後は、ブロッコリーとミニトマトで簡易的なクリスマスツリーに見えるように盛り付けをし、ハムを星形にくりぬいて散りばめた。キャベツ、人参、たまねぎをくたくたになるまで煮たたせたコンソメスープも作ったので、これで今日の野菜摂取量とカロリーも大丈夫だろう。ここでシチュー系をリクエストされていたらカロリーオーバーになるところだった。主食は米かパンか悩んで、折角だからと帰りにパン屋に寄って中が軟らかそうなフランスパンを買った。もちろん既に食べやすい大きさに切り分けてある。オーブンを充分に温め、あとは仕込んでおいた鶏肉を焼けば、ローストチキンの完成だ。
     ……時刻はもうすぐ19時だ。これだけの量を食べるのならば、20時までには食べ終えておきたい。クリスマスだからといって自分を甘やかすほど能天気でもないのだ。ケーキは昨日ユニットでクリスマスパーティーをした時に、わざわざ凛月が焼いてきてくれたものを食べたのだから、本音を言えば今日は軽 2978

    recommended works