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    sayutaba18

    @sayutaba18
    ライハを愛してる女。

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    いずレオ短文。

    #いずレオ
    izuLeo

    眠れない夜 いつもなら身動ぎするのも躊躇うくらいの狭いベッドの上も、今はどれだけ大袈裟な程に寝返りを打とうとも、触れる体温には辿り着かない。
     普段隣で寝ている同居人が居なくても、なぜか一人分の隙間を空けて静かに息をする。いつもより幾分か冷たく感じる布団に、息を吐きだした。
     眠れない。一人で睡眠を取ることはなんら難しくはないはずなのに、うとうとと浅い眠りのまま、意識は中々途切れてはくれなかった。
     静かな夜だった。いっそ吸血鬼のように起きてしまおうかとベッドを抜け出して、カーテンを開け外を眺める。こぼれ落ちそうなほどまん丸に輝いた月は、一人ぼっちの泉を眩く照らしてくれた。
     泉にとっての月は、特別なものだった。常に一緒についてまわるこの月が、気になって仕方がなく、愛おしい。
     静寂な夜に、突如その場にそぐわないけたたましい音が部屋の中へと響き渡る。枕元でチカチカと光るライトを見れば、今この瞬間に頭の中に浮かんでいた人物からの電話だった。
    「やっほ~セナ! まだ起きてた?」
     画面をスライドさせると、真っ暗だった部屋に暖かな声が耳へと流れ込んだ。
    「寝てたに決まってるでしょ。何時だと思ってるのぉ?」
     日本にいるレオから、こちらの時間などおかまいなしに電話が来るのはいつものことだ。
    「あはは! ごめんごめん! なんかセナの声が聞きたくなってさ~!」
     レオはとても素直だ。裏もなく、なんの用事もなくただ電話を掛けてきたのだと想像がつく。
    「そ。特に用事がないなら切るけどぉ?」
    「あ、待って! ついでに今浮かんだフレーズ聞いて! セナへの子守唄にしてやろ~!」
    「はいはい、どうもぉ」
     それならば有効活用でもしてやろうかとベッドに入り直し、携帯電話をスピーカーモードに切り替える。
     ふんふふ~ん♪ とスピーカーから心地よいレオの鼻歌が聞こえる。
    「セナ、まだ起きてる?」
    「寝てる」
    「じゃあもうちょっとだけな」
     すぐ傍で聞こえる、柔らかな歌声。ほんの少しの眠るまでの間、ちょっとばかり甘えたってたまには許されるよね。いつもお世話してあげてるんだから。隣にあんたがいないのが悪いんだから。これは決して寂しくて眠れないとか、そういうのじゃないからね。
     そう思ったけれど、電話越しに彼に伝えたのかはわからない。
    「おやすみ、セナ。良い夢を」
     とびきり優しい声と共に、泉はいつの間にか甘い夢の中へと落ちていた。


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    sayutaba18

    DONEクリスマスのいずレオ。今日はクリスマス。骨つきで購入しておいた鶏肉に朝から包丁で切り込みを入れ、皮にフォークを何ヵ所も突き立てて下処理を終えた後、調味液に漬け込んでから仕事へと向かった。
     帰宅後は、ブロッコリーとミニトマトで簡易的なクリスマスツリーに見えるように盛り付けをし、ハムを星形にくりぬいて散りばめた。キャベツ、人参、たまねぎをくたくたになるまで煮たたせたコンソメスープも作ったので、これで今日の野菜摂取量とカロリーも大丈夫だろう。ここでシチュー系をリクエストされていたらカロリーオーバーになるところだった。主食は米かパンか悩んで、折角だからと帰りにパン屋に寄って中が軟らかそうなフランスパンを買った。もちろん既に食べやすい大きさに切り分けてある。オーブンを充分に温め、あとは仕込んでおいた鶏肉を焼けば、ローストチキンの完成だ。
     ……時刻はもうすぐ19時だ。これだけの量を食べるのならば、20時までには食べ終えておきたい。クリスマスだからといって自分を甘やかすほど能天気でもないのだ。ケーキは昨日ユニットでクリスマスパーティーをした時に、わざわざ凛月が焼いてきてくれたものを食べたのだから、本音を言えば今日は軽 2978

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    sayutaba18

    DONE月組と迷子の女の子。
    女の子視点です!
    ママがいなくなった。
     そのことに気づいた時には、頭がパニックになっちゃって、途端にここがどこかわからなくなっちゃった。大きな公園の横にある、お菓子が売っている場所を眺めていて、このお菓子食べたいなぁ。って手に取ってただけだったのに。
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     気持ちがいっぱいになって、涙が溢れそうになる。泣いちゃだめ。泣いてもママは見つからない。お店の人に聞いたらママを探してくれるのかな。でも、誰がお店の人かわからない。

    「ねぇ、もしかしてお母さんを探してるの……?」
    「……っ」
     突然声を掛けられてビックリして振り替えると、真っ黒の髪の毛のお兄ちゃんが、わたしの背と同じくらいまでしゃがんで話しかけてきていた。
     眠そうなとろんとした赤い目が、いい人なのか、悪い人 2870

    sayutaba18

    MOURNINGれおくんの実家に転がり込むセナの図。「れおくんの家に泊まりに行きたい」
     じぃっとこちらを見るのは、フィレンツェに帰らず日本にいるも、居場所を知られたくないからと雲隠れ先におれの家を選んだ男、瀬名泉だ。なんで? と聞くのは野暮だろう。俺の言いたいことくらいわかるでしょ。なんて目をしている。カッコつけだからなぁセナは。どうやら後輩や知人に暇だと思われたくないらしい。毎回時差ボケが酷くてお肌のメンテナンスが大変だとかいうセナらしい理由でフィレンツェに帰らず、しかもホテルでも自分の実家でもなく、おれの実家に行きたいって言い出した。セナとおれは付き合ってる……というか、どっちもちゃんと告白はしたことないんだけれど、いつの間にかそういう雰囲気になっていた。あれの最中に好きだとか愛してるとかお互い言い合ってるから多分付き合ってる。むしろ付き合ってなかったらこの関係はなんなのだろうと言いたい。もちろんセナは付き合う前、学生の頃から何回もおれの家に来て泊まったことはある。勝手知ったる他人の家だ。当然断る理由はない。
    「ねぇ、ダメなの? 何か言ってよねぇれおくん」
    「ん? うん。大丈夫。おれも久しぶりにルカたんに会いたいしなぁ! よし、行 2527