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    いちとせ

    @ichitose_dangan

    @ichitose_dangan ししさめを書きます。

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    いちとせ

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    ししさめ初書き

    #ししさめ
    lionTurtledove

    獅子神さんが村雨先生の食事量に疑問を抱く話 村雨礼二はよく食べる。あの細い体のどこに入っているのか不思議なほど、肉をパクつきスイーツをほおばる。自分の手料理を食べて、時々「悪くない」(これは、かなり気に入ったという意味だ)と言われるととてもうれしい。ただ、自分で作るからわかるのだが、明らかに摂取カロリーと消費カロリーが見合わないのだ。村雨が運動するところはちょっと想像できない。ふと、以前テレビで特集されていた話を思い出し、ダイニングで食後のコーヒーを飲んでいる本人に話しかけた。
    「お前、隠れて吐いたりしてないよな?」
    マヌケめ、という顔で見返された。
    「なぜわざわざ直接尋ねる?その程度のことは観察しただけでわかる。吐きダコ、胃酸の臭い、あなたレベルでも気づけるポイントは多くある」
    「いや、ふつうわかんねえよ。まあでも、そういうことはしてないってことか」
    「ああ。心配するな。あなたの手料理はすべて私の血肉となっている」
    村雨が手を自身の胸から腹まで滑らせる。オレの作ったものが、こいつの体を作っている。かっちりと着込んだ服の下には、うっすらとあばらの浮いた胸、片手でつかめる腰、暗闇でも仄かに光るような白い肌があることをオレはすでに知っている。そして、その肌が上気し汗が浮かぶところも。
    ――いや、今、村雨は食後のリラックスタイムを満喫していて、オレは食器や調理器具の片づけをしていて……
    「あなた、私に欲情しているな?」
    鋭い視線がオレを貫く。そうだよな、全然そんな雰囲気じゃないところで勝手にオレがその気になってても困るよな。でも、村雨の目を誤魔化せるはずもなくて、視線だけで肯定を示した。キツイ皮肉でも飛んでくるかと身構えていると、
    「悪くない。私がそのように仕向けた」
    村雨が椅子から立ち上がり、すたすたと近づいてきてキッチンで後片付けをしていたオレの手を取った。
    どこから村雨の手のひらの上だったのか、とか、もうちょっとわかりやすく表情に出してくれてもいいんじゃねえの、とかは置いておいて、この素直じゃない男のことがたまらなくなって抱きしめると、いつもよりほんの少しだけ体温が高くて、村雨もオレと同じだと知る。
    「コーヒーはもう飲んだのか?」
    「あなたこそ片付けがまだあるのでは?」
    答えは決まっているくせに。村雨以外のすべてのことは明日の自分に任せるとして、重ねた手を引きながら寝室へ向かった。
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    いちとせ

    DONEししさめ 無自覚に獅子神さんのことが大好きな村雨さんが告白する話。
    誓いは突然に 一日の業務の終わり、カルテの記載をまとめているときに端末が震えた。グループチャットで獅子神が「真経津に頼まれてローストビーフ作ったから食いたい奴は来い」と送ってきていた。「私の分は取り分けておいてくれ」と返信した。
     大学病院の業務量は定時に終わるようにはできていない。そもそも定時まで手術が入っており、その後から病棟業務が始まる。今日も2時間ほどの残業を行う予定だったが、そこから獅子神宅に向かったのではローストビーフは跡形も残っていないだろう。取り分けを頼んではいるが、あの面子の手練手管に獅子神が対抗しきれるかというと恐らく不可能だろう。少なくとも今のところは、だが。幸い病棟患者に大きなトラブルはなくカルテ記載さえ終わればよい。少し急げば予定を繰り上げることができそうだ。一段階情報処理のギアを上げて30分ほど巻いて業務を終えた。後日職場では村雨先生が何らかの連絡を受けた途端、鬼気迫る様子になりタイピング速度も倍になった、もしや彼女ではとやや尾鰭のついた噂が流れたが、誰も真相を確かめようとはしなかった。
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