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    春園ひなた

    @hinata_kr

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    春園ひなた

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    晶+フィ 猫の日 まだ日が浅め

    ##pixiv収録済み

    「猫の日?」
     きょとんとしたフィガロに、俺は答えた。
    「はい。2がたくさんで、にゃんにゃんにゃん、みたい、な……」
     言いながら、我ながら猫のこととなるとすぐはしゃいでしまうことや、猫の鳴き真似をしているようなものだという自覚が出てきて、少し照れてしまう。
    「ふふ。かわいく鳴いちゃって、賢者様が猫みたい」
     フィガロがからかうように目を細めてくるから、対抗して返す。
    「フィガロも猫みたいですよ」
    「そう思ってくれるんだ。どの辺りが?」
     自分の気分でないときは近くに来てくれないところ、構いすぎると逃げてしまいそうなところ、けれど離れたところからは見てくれているところ、そうして、こちらが落ち込んでいると寄ってきてくれるところ……なんて言うのは少し踏み込みすぎな気もして、俺は曖昧に微笑んだ。
    「自分の距離感を持っているところ、ですかね」
    「ふうん」
     ごまかしたのはなんとなく分かっていそうな顔で、フィガロは俺を見下ろした。
    「きみのことだから、俺たち全員を猫みたいだと思ってそうだけど」
    「程度はありますけど、まあ、そうかもしれません」
    「じゃあ、抜け駆けされないうちに、俺がきみの猫になっておこうかな」
     そう言うが早いが、フィガロは呪文を唱えた。長身の男がパッと消えて、代わりに毛足の長い、ふわふわした猫が現れる。
    「か、かわいい!!」
     思わず叫ぶと、猫はにゃあん、と甘えるように鳴いて、俺の足元にすり寄ってきた。しゃがみこんで顎の下を撫でると、ゴロゴロと喉を鳴らす。幸せな音に、どんどん頬がゆるんでゆく。
    「はあ……。かわいいなあ……。フィガロはふわふわになるんですね。オズはつやさらでした」
     心の声が自然と漏れる。なァ、とちょっと抗議するように鳴いた猫が、そのまま低い男の声で喋った。
    「きみ、俺が初めてじゃないの?」
    「なんか語弊のある言い方してません?」
     ふすん、と鼻を鳴らして猫が俺の掌に頭をこすりつける。もう猫としてしか応えてくれないつもりらしかった。それなら、と俺も目いっぱい甘やかす手つきで全身を撫でまわす。次第に猫が身体の力を抜いていくのを感じながら、この姿の方が甘えられるのなら、たまにはこうしてもらうのもいいな、と考えていた。自分が猫に触りたいからというのも正直あるけれど、それでお互い癒されるならwin-winだ。
    「フィガロ、かわいいです」
     正直な感想を口にすると、猫は自慢げに目を細めた。
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    Replies from the creator

    春園ひなた

    DOODLE「猫の瞳」晶フィ
    ナンジャ第二弾かわいすぎたので、何番煎じかつ自分でも過去に書いてるんですが猫に変身ネタを書きました。
    重心としては猫以外の方に寄っていますが……。
     猫になったフィガロを見て、俺は目を輝かせてしまった。
    「わああ!」
     毛足が長くて、整った顔立ちをしている。ふわふわした尾を優美に振って、こちらに目配せしながら顔を洗ってみせる。サービスの良さも、きれいな榛と灰の瞳も、これがフィガロであることを物語っているのだが、そうやって意識しないと忘れてしまいそうなくらい、俺は目の前の猫に心を奪われていた。
    「触っていいですか? わっ」
     聞き終わる前に向こうから手にすり寄ってきてくれて俺は感動する。うっとりするほどやわらかくなめらかな毛並みだった。
    「はあ……ふわふわ……すべすべ……すごいねえ」
     一度触れてしまうと離すのが惜しくて、俺は両の手で猫を撫で回す。気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らしてくれるのがたまらない。しまいに腹を出してくれたので、かがみ込むように顔を近づけた。このまま頬ずりしてしまいたい。吸ってしまいたい。にゃあん、と甘く鳴かれる。いいよと言ってくれているんだろうな、と思いながらも顔をうかがって、改めてその瞳に見惚れた。
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