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    なりひさ

    @Narihisa99

    二次創作の小説倉庫

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    なりひさ

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    ネガティブなガンガさん

    #ガンマト
    cyprinid

    愛なんて「少しは片付けたまえ大魔道士」
     ガンガディアはマトリフの寝室を見ながら言った。マトリフの寝室は雑然としており、本も酒瓶も散乱している。
    「面倒臭え」
     マトリフはベッドに寝転んだまま本のページをめくっている。素晴らしい知能を持っているマトリフだが、日常生活における几帳面さは持ち合わせていないようだった。
     だがガンガディアは物が散らかっているのは落ち着かない性質だった。ガンガディアは身を屈めると落ちている物を拾い始める。
     ガンガディアがこの洞窟に居着いてまだ数日。行く場所がないとマトリフに言ったら、じゃあオレのとこに来いと言われた。少々狭いが身を隠すには適している。
     ガンガディアはマトリフと寝起きを共にするようになって気付いたことがある。それはマトリフが日常生活の雑事を疎かにしがちということだ。だが不思議とその事でマトリフに憧れる気持ちが損なわれるということはなかった。
     ガンガディアは落ちた本を拾いながら、その表紙を見て顔を顰める。その本は知性とはまるで逆の内容であることが題名から察せられたからだ。
     マトリフと暮らしてもう一つ知ったことがある。マトリフは女の裸が好きだということだ。はち切れんばかりの乳房と臀部、さらに引き締まった腹部などが、マトリフの好みのようだった。それらを本で眺めているときのマトリフの嬉しそうな顔を見ていると、ガンガディアは自分の心が深く沈んでいくのがわかった。
    「少しは片付けないと。あなたの大事な物なのだろう」
     ガンガディアは言いながら猥褻な本をまとめてベッド横の机へと積んだ。マトリフからは生返事が返ってくる。
     ガンガディアは寝室を出た。そしてどうしようもなく自分が惨めに思えた。マトリフのことが好きだが、自分はマトリフから好かれる存在ではないからだ。
    「……これは努力ではどうにもならないな」
     せめて変化呪文でも覚えてみようかとも思ったが、それが一層自分の憐れさを助長するように思えて、ガンガディアはひっそりと息を詰めた。
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    kisaragi_hotaru

    MAIKINGガンマトとハドポプが混在している世界線のお話の続きです。マトポプは師弟愛です。ひたすらしゃべってるだけです。
    ダイ大原作と獄炎のネタバレを含んでおりますので、閲覧の際には十分にご注意くださいませ。
    捏造と妄想がかなり激しいです。いわゆる、何でも許せる人向け、となっております。
    このシリーズは一旦ここで完結という形を取らせていただこうと思います。続きを待ってくれておりましたなら申し訳ないです……。
    大魔道士のカミングアウト 5 「――ハドラー様は10年前の大戦にて亡くなられたと聞き及んでいたのだが」

     本日二度目のガラスの割れる音を聞いた後、ガンガディアから至って冷静に尋ねられたポップは一瞬逡巡して、ゆっくりと頷いた。

     「ああ、死んだよ。跡形もなく消えちまった」

     さすがにこのまま放置しておくのは危ないからと、二人が割ってしまったコップの残骸を箒で一箇所に掻き集めたポップは片方の指先にメラを、もう片方の指先にヒャドを作り出し、ちょんと両方を突き合わせた。途端にスパークしたそれは眩い閃光を放ち、ガラスの残骸は一瞬で消滅した。

     「そうか……ハドラー様は君のメドローアで……」

     なんともいえない顔でガンガディアはそう言ったが、ポップは「は?」と怪訝な顔をして振り返った。
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    なりひさ

    DONEガンマト「時の砂」その後の蛇足。弟子に会いたくて未来へ来ちゃったバルゴート
    なにこれ修羅場じゃん ポップは焼きたてのパイを持ってルーラで降り立った。アバンの料理教室で作った自信作である。折角なのでマトリフと一緒に食べようと温かいうちに持ってきた。
    「師匠ぉ〜ガンガディアのおっさん〜お邪魔するぜ」
     呼びかけながら入り口をくぐる。しかしいつもなら返ってくる返事がなかった。人の気配はするのに返事が無いとは、来るタイミングが悪かったのだろうか。ポップはそろりと奥を覗く。
    「えっと、これどういう状況?」
     ポップは目の前の光景に頭にハテナをいくつも浮かべながら訊ねた。
     まずガンガディアがマトリフの肩を抱いている。優しく、というより、まるで取られまいとするようにきつく掴んでいた。ガンガディアは額に血管を浮かべてガチギレ五秒前といった雰囲気だ。そのガンガディアに肩を抱かれたマトリフは諦念の表情で遠くを見ている。そしてその二人と向かい合うように老人が座っていた。ポップが驚いたのはその姿だ。その老人はマトリフと同じ法衣を着ている。かなりやんちゃな髭を生やしており、片目は布で覆われていた。その老人がポップへと視線をやると立ち上がった。
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