Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    sangatu_tt5

    @sangatu_tt5

    ☆quiet follow
    POIPOI 65

    related works

    recommended works

    sangatu_tt5

    MEMO騎🧲のために観🔮になった騎観/探占🧲と付き合っていて同棲もしてる🔮🧲のループを天眼によって理解したが、解決方法が分からない。🧲のレースが始まってから思い出すため、事前に忠告も出来なかった。
    そんな時に、「あなたの天眼があれば、この奇っ怪な現象をどうにかできる」「あなたが私たちの組織に入ってくれれば、彼を救える」と翻弄⚰️に言われ、組織に入ることに決める🔮
    🔮達の陰ながらの活躍もあり、🧲が久しく帰っていなかった家に帰ると違和感があった。
    一人暮らしにしては広い家、使ってもいないのに埃のかぶっていない部屋、自分しか写っていないのに飾られている写真。食器の足りない食器棚。
    一人で暮らしていたはずの家は何か足りなかった。謎の空白が自分の横に寄り添っている。それが大切なものだったことは分かるのに、それが何かも思い出せない。
    大切なものを忘れてしまった恐怖が背筋を過ぎる。何を忘れたのか思い出そうにもモヤがかかって鮮明にならない。
    それから、🧲は失った何かを求めて街を徘徊するようになる。レースが休みになるシーズンになれば隣町、さらにその隣町まで出向き、空白を求めた。
    宛先もなく、それがどんなものかも分からないまま🧲 2007

    sangatu_tt5

    MOURNING雀春ボツ賭場の脇、少し入った薄暗い路地のごみ溜めの近くを通りかかった時、くいっと足元の裾を引かれた。弱い弱い、か弱いそれは大の大人なら気付かないぐらいの力で、その時ノートンがそれに気が付いたのはたまたまだった。
     転ぶじゃないかと、傾いた身体を起こし、少し腹を立てながら、何処の浮浪者だと振り返る。この中華街では賭け事に興じて、事業に失敗して、理由は多々あれど、いつの間にか転落していく愚か者達が多々居た。
     どんな馬鹿だと鼻で笑ってやろうと見下ろした、そこには薄汚れた子供が立っていた。泥に、汚れに、ごみが付いた真っ赤な衣。痩けた頬に、細い指、非道な人間に蹴り飛ばされたのだろう頬には裂傷が出来ていた。

     「ごめんください……。占いできます。何でもします。だから、はたらかせてください」

     舌っ足らずな口を動かして、必死にノートンに縋り、仕事を下さいと言う。くぅぅと話している間にもその子どもの腹が鳴り、かぁっと顔を赤くしたその子どもは俯いて、もじもじと腹あたりの布を弄り出した。
     捨てられた子どもかなにかだろう。良くもまぁ、売り飛ばされずに路地にいれたものだと変にノートンは感心してしまった。
     黙 2904

    sangatu_tt5

    PROGRESS伯猟書きかけ 黄昏月が赤く染った雲と並び空に身を現す。日が陰るのが早くなり、夜闇の時間が長くなった。過ごしやすい季節になったなと首元にスカーフを付けながら外を見れば、秋薔薇が強い芳香を放ちながら、風に揺れている。春の薔薇よりも色鮮やかで香りの強い花たちは自己を主張するようにピンと背伸びをしていた。
     後で幾つか、特に美しい花たちを選んで花束にすればイライは喜ぶだろうかと、大きな花束を抱えて頬を弛めてくれるであろう猟師の姿を思い描く。
     彼のことを考えると静けさのせいも相まって、もの寂しく感じる夕暮れの時間ですら楽しくなってくる。
     両の手に収まりきらないほど大きな花束を作って渡せば、最初はあまりの花の量に惚けた顔をして目を見開く。そして、花に顔を埋めて香りを楽しみ、目を細め、緩んだ頬できっと嬉しそうに 「綺麗な花だね」 と笑ってくれる。
     想像上の彼があまりにも愛おしくて、伯爵はすぐにでも花束を作りたくなってしまった。彼が喜ぶ姿がみたい。常に笑っていて欲しい。そばにいて欲しいと臓腑が燃え盛る火のように熱を持った反面で胸が締め付けられるように痛む。

     「入るぞ、伯爵。……って、どうかしたのかね?」 5286