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    イロドリ

    プロフ画は(相互さんが描いてくれたイラストの)マイイカ君。

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    イロドリ

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    『すずめの声は聞こえない』解説パート 今さらではありますが、私の作品はキャプション(本編を読む前段階)でネタバレをしたくないというこだわりのせいであまり内容について語れない、という状態になってしまっています。その上でこの作品を開いて読んでくださる方々には感謝しても尽きません。本当にありがとうございます。
     恒例のイメソン布教コーナーです。今回はこちら。

    〇全体
    『す | ず| め』
    『ロ | ス | ト | エ | ン | フ | ァ | ウ | ン | ド』

    〇小平太視点
    『再 | 生』
    『ザ | ム | ザ』(部分的に長次の声が聞こえる)

    〇長次視点(室町~現代)
    『心 | 拍 | 数 | # | 0 | 8 | 2 | 2』

    【文字に起こしていない部分の解説】
    室町時代:
     小平太は一年の頃から長次のことを好いていた。愛していた。けれど自分たちは忍たまであり忍者になる身であるので恋だの愛だのといって心に振り回されるべきではない、という思考から長次に想いを告げる気は毛頭なかった。卒業の日を迎えてもその意固地は変わらず、長次の問いに知らんふりをした。
     長次は小平太からの好意に気づいていた。けれど普段いけいけどんどんの小平太が何も言ってこないなら、言いたくないわけがあるのだろう、と小平太の意思を尊重していた。卒業の日、別れの日、小平太が何も言わないなら自ら発破をかけるつもりでいた。実際に発破をかけた。けれども小平太は頑なに想いを伝えなかった。だから長次も無理に言わせなかった。
     両片思いは実らなかった。

     数年後。小平太はどこかで致命傷を負い、六年の誰にも、長次にも再会することなく命果てるところだった。死に際であの日の長次に何も言わなかったことを思い出し、凄まじい後悔に襲われる。あのとき長次に「好きだ」と言っておけばよかった。まだ死ねない、死にたくない。
     噂をすれば影が差す、というように(ちょっと違うかもしれませんが)よくない感情にはよくないモノが呼び寄せられます。蝙蝠に噛まれたこと、死にたくないという生への執着、ああしておけばよかったという後悔・自分自身への呪い、そして長次への懸想が重なり、「七松小平太」という名の不死身の怪異、吸血鬼が誕生。人の血肉を糧として食う生き物、人を愛することはない怪物として再生した。
     初めのうちこそ人の肉を食べることに抵抗を感じていたが、本吸血鬼の気質(細かいことは気にするな・いけいけどんどん)もあり、「(長次に想いも伝えずに)死にたくない」という無意識の呪いもあり、生きるためにヒトを食べ続けているうちに人間性を失い、人間だった頃の記憶も失い、身も心も吸血鬼に成った。

    現代:
     まず、結びの描写について。長次の両親は小平太に呪い殺されました。作中で言っていた「真名を知らずとも生殺与奪の権を得る手段はあるにはある」を行使した結果です。具体的には、
    最後に長次とキスをしたことで長次の魂とのつながりが深くなった→摂取したことのある長次の血から逆探知を仕掛けて両親を突き止めた→呪殺
     小平太は長生きして力を持った強い吸血鬼なので、ピースさえ揃っていればこの程度は晩飯前です。とはいえ魂のつながりを得る・血を吸ったことがある、等の条件があるため、「それを得るためにかなりの力を使う上に基本己の身を危険に晒す必要がある」と言っていたわけです。
     長次の手前、怒りは収めてみせましたが、小平太の怒りは全く鎮まっていませんでした。ですが元は永遠に生かして嬲るつもりでいたので、小平太としてはかなりの恩情をかけています。何せ死ねるのですから。

     十歳(忍術学園でいうところの一年生)の長次は室町時代の忍者・中在家長次の何度目かの生まれ変わり。
     ずっと小平太を待っていた。

     室町時代の長次は、生涯独身を貫いたそうです。
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