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    konatu_0722

    @konatu_0722

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    konatu_0722

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    中学生刑桐。
    ヒサイシジョウさんのsummerを聞いてたら、夏のセンチメルタルな話を書きたくなった。
    多分桐の片思い。

    #刑桐
    paulowniaWood

    青い夏刑部が漕ぐ自転車の荷台に乗って、空を仰ぐ。
    ウロボロスのステージに上がって演奏させて貰えるようになったのは、ついこの間。夏休みにも時間をもらって演奏している。
    それでもなんだか吹きたりなくて、二人で近くの河原を目指す。

    夏の昼時なんて、暑くて誰も出たがらない。
    陽炎が揺れるアスファルトに影を映すのは、俺と刑部と、遠くに流れる雲だけ。人っ子一人いなくて、この暑さならそれもそうかと納得する。
    頸に張り付く髪に汗が伝う。前を向いて漕ぐ刑部の背中も、シャツが汗で張り付いている。
    後輪の軸に引っかけていた足が弾みで落ち、踵を潰した靴が脱げそうになった。

    一瞬、五月蝿かった蝉の声が途絶えた。
    通りには誰もいない。
    静かで、どこか異質めいている。
    まるで俺と刑部だけ夏に閉じ込められたような、二人だけの世界。

    でもそんなことはなく。油の切れた自転車の回転音と再び鳴り出した蝉の声に、現実に戻された。
    どこかの家から、昼のバラエティの笑い声が聞こえる。
    夏の暑さにやられたのか、らしくもない考えに笑えなくて、茹った頭を刑部の背中へ預ける。
    「晃、くっつくな。暑い」
    すぐに来た苦情に、今度こそ笑って空を仰ぐ。遠くで大きな入道雲が、場所を変えずに見守っていた。
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    konatu_0722

    MOURNING日常推理モノが書きたいと頑張ったけど、面白くないのでここで供養
    「呪いって信じるか?」
     深夜午前二時。明かりを消して怪談話をするにはもってこいの時間だが、同じベッドに眠る刑部は興味の欠片もないようで欠伸をしている。桐ケ谷だって別段、怖い話をしようと考えたわけではない。ただ単に、ふと思い出しただけだ。
    「お前の口からそんな単語が出てくるなんてね。どうした、夜中のトイレに行くのが怖くなったか」
    「そんなんじゃねぇよ。ただこないだ大学の先輩に変なこと言われてさ」
     興味を持ったのか、枕に預けていた頭を腕に乗せてこちらを見てきた。
    「詳しく話してみろ」

     まだサブスクにも上がっていない話題の映画があった。興行収入何百億だかで、大学でも見に行ったと話題で持ちきりだった。あいにく桐ケ谷は見てなかったが、同じ学部の先輩が興味あるならDVDを貸してくれると言う。その先輩は二年に上がってから同じキャンパスで通う内に仲良くなり、来年は大学院に進むらしい。スタオケの練習と授業の兼ね合いが難しく、提出物に困っていると声をかけてくれたり、過去テストの情報をくれたりと工業部では珍しい部類の穏やかで気配りができる人で世話になっている。そんな先輩から、興味があるならと借りることができた。家に帰り早速観ようとパッケージを開けると、中は何の印字もされていないDVDが一枚。普通はタイトルが印刷されているのにおかしいなと思いつつデッキに入れようとしたところで、その先輩から電話がかかってきた。
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    konatu_0722

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    「お前の口からそんな単語が出てくるなんてね。どうした、夜中のトイレに行くのが怖くなったか」
    「そんなんじゃねぇよ。ただこないだ大学の先輩に変なこと言われてさ」
     興味を持ったのか、枕に預けていた頭を腕に乗せてこちらを見てきた。
    「詳しく話してみろ」

     まだサブスクにも上がっていない話題の映画があった。興行収入何百億だかで、大学でも見に行ったと話題で持ちきりだった。あいにく桐ケ谷は見てなかったが、同じ学部の先輩が興味あるならDVDを貸してくれると言う。その先輩は二年に上がってから同じキャンパスで通う内に仲良くなり、来年は大学院に進むらしい。スタオケの練習と授業の兼ね合いが難しく、提出物に困っていると声をかけてくれたり、過去テストの情報をくれたりと工業部では珍しい部類の穏やかで気配りができる人で世話になっている。そんな先輩から、興味があるならと借りることができた。家に帰り早速観ようとパッケージを開けると、中は何の印字もされていないDVDが一枚。普通はタイトルが印刷されているのにおかしいなと思いつつデッキに入れようとしたところで、その先輩から電話がかかってきた。
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