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    5jinkaku_ik

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    雀舌実装時の書きかけのやつ

    ラッピングは丁寧に


    「なにこれ。」

    新しい衣装だと届けられた箱の中には虎を模したと思われる帽子、黒のジャケットに赤色上下の唐装。靴にも虎を模した飾りが施されていて、とても成人男性の着る服とは思えなかった。
    箱に仕舞い直して、それを抱えあげる。
    きっと僕のではない、マイクとか同い年ではあるけどウィルのかもしれない。
    早く交換してあげなければと、ウィルのものにしては小さくマイクのものにしては大きいサイズということを無かった事にして、僕はナイチンゲールのもとへと向かった。


    「恐れながらキャンベル様、そちらは今回の貴方様の衣装に間違いありません。」

    穏やかに丁寧に、けれどもきっぱりと言い切られる。

    「でも、これどう見ても子供服では?ウィル…エリスさんは普通なのに?」
    「えぇ、こちらがキャンベル様の今回の衣装です。」
    「そんな……。」

    遠回しに異議を唱えても麗人は眉を僅かにも動かす事なく、毅然と言ってのける。
    僕としても今回は引き下がるわけにいかず、尚も食い下がろうとすると後ろから思いきり頭を鷲掴みされた。

    「こら雀舌、我が儘を言ってはなりませんよ。」
    「な、えと、白黒無常…だよね?ちょっと、頭触らないで!それに雀舌ってなに…。」
    「今回の貴方の衣装ですよ。雀舌、茶の名前ですね。瑞々しい香りと、仄かに甘い後味がする。」

    いつもと雰囲気が違い、なんとなくインチキ臭い感じがしてすぐに白黒無常だと判断できなかった。この話し方だと白無常の方だろうか。
    ふふ、と笑いながら尚も頭を撫で回すのをやめない。撫でるというよりも、撫で散らかすと言う方が適切な触り方。
    なんとなく心がむずむずする。

    「ほら、貴方も早く着替えて。美智子さんはもちろん、他の方も着替えてますよ。」
    「いや、これどう見ても子供の……。」
    「あぁ、着方がわからない?ならば手伝いましょう。ナイチンゲール女士!そこの部屋をお借りしても?」
    「えぇ、お好きにお使いください。繋げておきます。」
    「謝々。さぁ、雀舌行きましょう。」
    「待って!僕着るなんて言ってないったら!無常!ねぇ!」

    やたらとご機嫌な白黒無常によって、なす術も無く僕は試着室に引き摺り込まれた。
    それからは本当に散々で、美智子さんには「いやー!かいらしい!」と柔らかな胸に抱かれながら頭を撫でまわされ、エリスやマイクからはニヤニヤした目で見られた。
    ナイエルさんは無関心だったけど、ジルマンさんとダイアーさんのヨーロッパの信仰画のような微笑みときたら…。
    白無常は「大哥ダーグァと呼んでください」と言うから言われた通りに意味もわからずに、ダーグァと呼べば凛とした美しい顔をにっこりと綻ばせていた。
    挙句の果てには黒無常まで交代して頭を撫でて来るし、私の事も謝必安と同じように呼べと言われて仕方なしに呼ぶと満足げに傘へと戻っていった。ダーグァってどういう意味なんだろう。悪い意味では無さそうだから、別に構わないけれど。
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