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    シュカ

    @kirishuka

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    シュカ

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    いつもの続き
    月島視点に戻る

    いつもの目を開けるタイミングを完全に失った。そう思った時には、唇が触れていた。
    瞬間、動かなかった自分を誉めてやりたい。
    一瞬の出来事だった。

    目が覚めたのは、頬に触れられた時だった。その時に目を開ければよかったのだが、完全に寝ぼけていて、まだ夢の中のような心地でいたので目が開かなかった。誰かに輪郭を撫でられている。その誰かは先生しかいない。
    何をしているのだろうか。と、うっすら考えているうちに柔らかいものが唇に触れた。
    何が触れたのかわからないほど鈍くはない。しかし、目を開けられなかった。
    思い出したのは、少し前の話。先生は私に一目惚れしたと言っていた。あれから特に何もなかったので、完全に冗談だと思っていた。まさか本当に一目惚れを?先生が?私に?
    ドッと心臓が動いて、首元から顔にかけて血が昇る。緊張か、恥ずかしさか、それとも照れなのか。とにかく急激に熱くなった。その熱に気づかれてしまわないかと、心臓が余計に波打つ。それでも目を開けることができなかったのは、目を開けたら、全てが終わってしまいそうな気がしたからだ。
    柔らかいキスは一瞬で終わり、先生はすぐに私から離れた。それでも私は身体を硬直させたまま、起きていることを悟られない様に必死だった。
    そのまま何分経っただろうか。いや、ほんの数秒の出来事だったのかもしれない。少し遠くで布団がゴソゴソと動く音がした。先生が布団に戻ったのだろう。それでも私は目を開けられなかった。もしこちらを見ていたらどうしよう。流石にそれはないだろうか?あれやこれやと、考えてしばらく経った。寝たか?いやまだか?もう少しか?と、考えて、たっぷり百八十秒数えて、ゆっくり時間をかけて瞼を上げた。カーテンが閉まった薄暗い部屋が全体的に見えてくる。一度大きく瞬きをして、ベッドを見た。目の前のベッドの上には、人一人分の盛り上がりがあった。顔はこちら側になく、背を向けている。目がわ合わなかった事にホッとしながらも、まだ身体は動かせななかった。先生が布団に入ってから少なくとも三分、いや五分以上は経っている。しかし先生はまだ起きているかもしれない。なぜか私が目覚めているのを気取られたくなかった。

    (先生、どうして私に何も言ってくれないのですか。貴方は何を抱えているのですか。私を好きだと言ったのは本当なのですか)

    そんなことをしばらく考えつつ、布団を眺め続けた。もう何分経ったろうか、多分もう寝たはずだ。起きていたとしても、いまなら動いても不自然ではないだろう。
    私はまず椅子の上で伸びをした。身体とイスがギシギシ鳴った。布団は動かない。先生は本当に眠ったのだろうか?と、ベッドに近づいて顔を覗き込んでみた。先生は目を瞑って規則的な呼吸をしていた。すっかり眠っているようだった。私はほっと息を吐き、ベッドから離れるともう一度身体を伸ばした。
    先生の目に、涙の痕を見た気がしたが、それを拭ってやることはできなかった。
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    シュカ

    DONEセックスで愛を計るな。のさらに続き。
    おかしいな、エロっぽいターンに入るはずだったのに入らない。
    甘いだけだよ☺️
    短いよ!
    セックスで愛を計るな。続きベッドの上で寝転がりながら、月島を待っていた。
    手の中のスマホからは女の喘ぎ声。肌色と肌色がくんずほぐれつしている無修正の映像が流れている。女性の性器ばかり映されても参考にならないので、早送りして映像を飛ばしつつ眺める。
    AVを見て勃つかと言われたらNOである。
    羨ましいとか、興奮するという気持ちもない。なんというか、免許更新時に見せられる講習安全ビデオを見ている気分に近い。大勢の人はこれをみて興奮を覚えるらしい。自慰をする時にAVを見ると言うのは知識にはあるが、これで一体どう興奮するのかがわからない。
    どんなことをすれば相手が気持ちいいのか、とか、どんなことをすれば喜んでくれるのか、という男性相手への知識がない。女性相手であれば、≪過去≫の記憶が引き出しにあるので多少はわかるが、男性相手になると過去の記憶を引き出してきても完全にマグロ状態でしか経験がないので、こちらからどう行動すればいいのかがわからない。とはいえ、月島には満足して欲しいという気持ちがある。そうなると頼れるのはインターネットの情報かAVである。AVのプレイを真似してそのままやる男はクソだというのを聞いたことがあるが、知識がなければ頼らざるを得ないのにも頷ける。
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    rabimomo

    DOODLE月鯉全年齢小ネタ
    シブに投げるほどではないのでポイっとな
    ギャグとか軽いノリを書くのが下手すぎでしたね…

    概要はこんな感じ

    ・ゆるふわ樺太道中(往路)
    ・月島一人称でひたすら会話シーンなのでだいぶ疲れる構成
    ・付き合っていない月鯉
    ・付き合ってないし全年齢だけど発言がいちいち怪しい
    ・杉元が気の毒過ぎた
    ・常識人…?第七師団の良心…???
    ・あな救しなさそうな軍曹
    付き合ってない月鯉「月島軍曹って面食いだよね」

     唐突に投げられた言葉に、無意識のうちに眉間に力が入った。顔を上げれば、この旅路で見慣れた傷のある男の顔がある。
    「――藪から棒になんだ。そもそも俺は面食いではないぞ」
     一体この男は何を言い出すというのか。別に俺は、懇意にする相手の美醜にこだわった覚えはない。――確かに、ちよは愛らしい女性だったが、見た目の良さで彼女に惹かれたわけでは断じてない。
    「そぉお? じゃあ、鯉登少尉のどこがいいの? あのボンボン、顔くらいしかいいとこないと思うけど?」
    「ハァ?」
     杉元の口から飛び出したとんでもない一言に、俺は目を見開いた。
     俺と。鯉登少尉が。そういう関係に見えるとでも言うのか? 見える訳はないだろう? ……見えるのか? まさかそんなはずはないだろう?
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