その日、チェズレイとルークの行った捜査は空振りだった。
情報を得るチャンスはあった。
おそらく裏社会に生きるだろう男がチェズレイが一人で来るのであれば答えると言っていた。
だが、ルークは情報を得られなくなるのは承知でその場からチェズレイを無理矢理引き離したのだから、情報を捨てたとも言える。
その後も捜査は続けたが、他に手がかりもなく夜になり、不意の大雨で近くのホテルに避難せざるを得なくなった。
空いていたのは一室だけ。
ビジネスホテルの一室は清潔は保たれているがチェズレイから見れば最低限だ。
浴槽に湯を張る音が聞こえて、すぐにバスタオルをルークが差し出してきた。
それを受け取りはしたものの、雨に濡れた体を拭きもしないでチェズレイが呟く。
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