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    #チェズルク版ワンドロワンライ

    odgr

    SPOILERチェズルク版ワンドロワンライ第38回提出作品です。お題は台詞お題の「逃がしませんよ」で。
    暮らドメバレ、チェとルで某スタイリッシュな軟体動物たちでインクを塗り合うシューティングアクションで遊ぶ話です。今回はチェズルクっていうかチェ+ルというか……チェはハイ〇ラントの面白さに気づいたら大変なことになると思う。
    「やばっ」
     現実でルークが発した声に、画面の中の小さな悲鳴が重なる。
     まっすぐに飛んできた弾丸に貫かれ、携帯ゲーム機に映っていたキャラクターが弾け飛び、明るいパープルのインクがステージに四散した。
    「フフフ……。逃がしませんよ、ボス」
     リビングのテレビの画面では、楽しそうに笑うチェズレイが操るキャラクターが大型の狙撃銃を構えている。スナイパー役のチェズレイが睨みを効かせている間に、テーマパークを模したステージがチェズレイのチームカラーにどんどん塗り替えられていく。スタート地点である自陣に戻され、ルークは焦りと感嘆とを長い溜息に変えて唸った。
     夕食後、ルークがリビングで一息ついていた時、そわそわとした様子のチェズレイにゲームに誘われた。一週間ほど前にルークがチェズレイの前でやってみせたゲームをルークの不在時に練習したので、一緒にやって欲しいという。海生軟体動物と人型を自由に切り替えられるキャラクターを駆使して広大なステージ中を駆け回り、カラフルなインクを射出する様々な種類の武器を用いて、ステージのフロアをチームカラーで侵食しあい陣取り合戦をするその対戦アクションゲームを気に入ったようで、仲間たちと同時プレイが出来るように携帯ゲーム機本体とソフトまで買ってきたという気合いの入れようだった。携帯ハードの方は既にルークの自宅のWi-Fiにも接続してあり、インターネットを介した同時プレイの準備も万端だった。
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    emotokei

    PROGRESS第9回お題「野菜」お借りしました。
    #チェズルク版ワンドロワンライ
     分厚い紙の束を取り出すと、つやつやとした様々な色合いが目に飛び込んでくる。
     グリーン、ホワイト、パープル、レッド、イエロー……派手な色が多い割に、目に優しいと思えるのは、きっとそれらが自然と調和していた色だから、なんだろうな。
     大ぶりの葉野菜に手をのばして、またよくわからない植物が入っているな、と首を傾げる。
     世界中をひっちゃかめっちゃかにかき回し続けている「ピアノの先生」から送られてくる荷物は、半分が彼の綴るうつくしい筆致の手紙で、もう半分は野菜で埋め尽くされていることがほとんどだ。時折、隙間には僕の仕事に役立ちそうなので、等と書いたメモや資料が入っていることもある。惜しげもなく呈されたそれらに目を通すと、何故か自分が追っている真っ最中、外部に漏らしているはずのない隠匿された事件にかかわりのある証拠や証言が記載されていたりする。助かる……と手放しで喜べるような状況じゃないよな、と思いながらも、見なかったフリをするには整いすぎたそれらの内容を無視するわけにもいかず、結局善意の第三者からの情報提供として処理をすることにしている。とてもありがたい反面、ちょっと困るんだよなあ。
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    emotokei

    DONE #チェズルク版ワンドロワンライ
    第8回お題「海」お借りしました。
     ――潮騒の音が聴こえる。

     ミカグラは島だから、四方を海に囲まれている。
     それはもちろん知っていたのだけれど、夏場と違って肌寒さを感じる時期しか知らなかったから、あまり実感はないままでいた。DISCARD事件の捜査の合間、海へ足を向ける事はついぞなかったし、労いにとナデシコさんが用意してくれた保養地は温泉で、長い時間を過ごしたマイカの里は山あいだ。
     海沿いの街をそぞろ歩くことはあっても、潮の香りが届く場所には縁がないままこの土地を離れた。
     だからこうやって、潮騒が耳に届く庭先でぼんやりと涼む時間を過ごすことは初めてだ。僕はと言えば、休暇中の穏やかな時間を存分に楽しんでいた。
     久しぶりに訪れたミカグラは、ますますマイカの影響を受けているように見える。朱塗りの電柱にはびっくりした。小さな島で異彩を放つ高層建築が立ち並ぶ中、平屋や二階建ての慎ましやかな家が新たにいくつも軒を連ねていた。事件の直後には、ほとんど木造の家なんてなかったけれど、マイカの里のひとたちが少しでも穏やかな気持ちで暮らせるようにと、ブロッサムの人たちが心を砕いた結果なのだと、コズエさんが嬉しそうに話していたことを思い出す。
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