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    シテイシティお疲れ様でした。
    シテイの日お題「夏、降りるバス停を間違えて迷子になった小5モブ君を迎えに行く24歳師匠」で書かせていただきました。

    その手を離さないように握って歩いた汗が滴って首筋をつたった。
    シャツにじんわり染み込んでいく。
    「ったく、あいつどこで降りたんだよ一体…」
    シャワシャワと都会のアブラゼミとは違う蝉時雨が入道雲と日差しを強調させていた。
    「こりゃ携帯持たせてGPSで追えるようにしといた方が良いな…一時保護者として警察沙汰になるのはごめんだ…」
    適当にこの辺だろうと当たりをつけて降りたバス停から次のバス停へと歩いていく。
    あいつちゃんと日陰入ってんのかなって今更ながら心配になりながら重くなってきた足を動かす。
    初めて出会った時には、これから面白いことが起きていくと、このチャンスを逃してはいけないと
    そう思っていた。

    ちょっと小屋みたいになったバス停のベンチにその姿を見つけた。
    「おぉい!なんでこんなところで降りてるんだ!」
    声をかけるとなんともなさそうに座っていた子供はこちらに顔を向け立ち上がった。
    「ししょお!遅かったじゃないですか!ししょおが早めの行動って言ったんですよ!」
    ここで待ち合わせして俺が遅れてやってきたのだと言わんばかりに責め立てられる。
    いつまで経っても来ないから探しに来たのになんだそれと
    思っていたら目の前の歳相応に幼い顔は半べそをかいていた。
    度々その力に助けられ、つい頭から抜けてしまう時がある。どんな力が有っても
    今目の前で俺が来ないことに不安を感じて目から涙を溢れさせしがみつくこの迷子は
    どうしようもなく
    大人が守るべき子供なのだと
    その小さな体を抱きしめた。
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    きって

    CAN’T MAKE死ネタ 卵を孵す話
    抱卵タビコに小さな卵を渡された。私が産んだんだと言うタビコに奇っ怪な冗談を言うものだと鼻で笑って見せると、至極真剣な顔で本当だと言うものだから面食らう。卵は一般的な鶏卵ぐらいの大きさで心做しか青みがかった殻を持つひどく冷たいものであった。
    「温めるのはお前に任す。孵るまで割れないようにするんだぞ」
    それじゃあといつも通りにタビコは仕事に向かって私と卵2人だけが家に残った。温めろと言われても吸血鬼の体温では具合が悪い。かと言っても湯で煮立たせる訳にもいかず、途方に暮れた私は野外の椋鳥に助けを求めると丁度産卵期だとかでついでに温めてくれるという。見返りとしてベランダの一角に巣作りと当面の餌やりを保証してやる。巣に置こうとするとそこには同じ様相の卵が4つ並んでいて自分の手元の卵と見比べるとこのまま置いてはどれがどれだかわからなくなるだろうと思いあたる。部屋にあったサインペンを片手に少し考え靴下のイラストを描いて、椋鳥の番には台所にあったイリコを分け与える。そうやって始まった抱卵は椋鳥の雛が孵化した後も終わることはなく、椋鳥の番と雛達はとっくに巣立って行ってしまった。仕方が無いので羽を入れた巾着袋にそっと卵を入れ、素肌に触れないよう首から下げる。最早手遅れなんじゃないかとタビコに聞いてみても彼女は慌てるんじゃないという。
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    もちごめ

    DONE過去に書いたタビヴェンの短編3種です。支部にあげているものと内容も同じです。
    ちょこっとタビヴェン【バースデーケーキにロウソクふたつ】
    ※2021年タビコちゃんお誕生日おめでとう
    ※靴下ハントはじめて2年目設定
    ※家庭事情捏造あり

     それはいつも通り靴下ハントを終えて帰宅した時のことだった。今日は随分と不猟な方で、帰宅途中のタビコはあまり良い気分ではなかった。だがそれは、玄関のドアを開けた瞬間、変わることとなる。
    「・・・帰ったか」
     そこにはいつものようにエプロン姿のヴェントルーの姿があった。頭にはこれまたいつもと同じようにきっちりと三角巾が結ばれている。ただ違うのは、机に置かれた代物ひとつである。普段と同じく食事が用意された机の真ん中を、小さなホールケーキが陣取っていたのだ。
    「手を洗ってこい」
     素っ気なくそう言うヴェントルーだったが、その表情にはどこかそわそわとした落ち着きのなさが読み取れる。タビコは靴を脱ぎ、その男の顔とケーキを交互に見た。ちょうどふたり分ぐらいのサイズのケーキは、買ってきたものではないだろう。その証拠に、シンクには泡だて器が入ったままのボウルが置かれている。それを認識した途端、にまーっとタビコの口元には緩いカーブがつくられた。そして、再度手を洗うように促されて、はいはい、と手を洗って戻ってくる。
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