Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    23sb_

    @23sb_

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😊
    POIPOI 7

    23sb_

    ☆quiet follow

    シテイシティお疲れ様でした。
    シテイの日お題「夏、降りるバス停を間違えて迷子になった小5モブ君を迎えに行く24歳師匠」で書かせていただきました。

    その手を離さないように握って歩いた汗が滴って首筋をつたった。
    シャツにじんわり染み込んでいく。
    「ったく、あいつどこで降りたんだよ一体…」
    シャワシャワと都会のアブラゼミとは違う蝉時雨が入道雲と日差しを強調させていた。
    「こりゃ携帯持たせてGPSで追えるようにしといた方が良いな…一時保護者として警察沙汰になるのはごめんだ…」
    適当にこの辺だろうと当たりをつけて降りたバス停から次のバス停へと歩いていく。
    あいつちゃんと日陰入ってんのかなって今更ながら心配になりながら重くなってきた足を動かす。
    初めて出会った時には、これから面白いことが起きていくと、このチャンスを逃してはいけないと
    そう思っていた。

    ちょっと小屋みたいになったバス停のベンチにその姿を見つけた。
    「おぉい!なんでこんなところで降りてるんだ!」
    声をかけるとなんともなさそうに座っていた子供はこちらに顔を向け立ち上がった。
    「ししょお!遅かったじゃないですか!ししょおが早めの行動って言ったんですよ!」
    ここで待ち合わせして俺が遅れてやってきたのだと言わんばかりに責め立てられる。
    いつまで経っても来ないから探しに来たのになんだそれと
    思っていたら目の前の歳相応に幼い顔は半べそをかいていた。
    度々その力に助けられ、つい頭から抜けてしまう時がある。どんな力が有っても
    今目の前で俺が来ないことに不安を感じて目から涙を溢れさせしがみつくこの迷子は
    どうしようもなく
    大人が守るべき子供なのだと
    その小さな体を抱きしめた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤🙏👏😭😭😭🙏🙏💘💘💘💯💖💖💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    きって

    MOURNING初夜失敗

    前半はTwitterに載せてた内容と同じなので読み飛ばしてください。
    えろくもないしほぼ会話文。
    リビングへと続くドアは細く開いたままになっている。開けっ放しはやめろと何度諌めても「どうせまた開けるんだからいいだろ?」と素っ頓狂な顔でタビコが言うものだからヴェントルーはその悪癖を直すことをとっくの昔に諦めていた。それでも開いたままのドアが目に入る度にその隙間を無くしてはいたものの、今日は全くその気になれない。
    タビコは今シャワーを浴びているはずだ。湯浴みが終わればあのドアからこの寝室に入ってくる。その事が恐ろしいのと待ち遠しいのとでヴェントルーの緊張は最骨頂に達していた。なんの前触れもなく寝室に入ってこられるよりかはドアの隙間からタビコの気配が伺えた方がいい。そう思って敢えて視界の端でリビングの様子を見てはいるが、結局はざわつく胸が抑えられず最終的には壁の一点を見詰めるのに留まった。ヴェントルーは落ち着きを取り戻そうとベッド脇に置いたルームライトに目を向けた。家電量販店で急遽手に入れた小ぶりなライトはリラックス効果だとかムード演出だとかそんな謳い文句が箱に書かれていて、ヴェントルーはむずむずとした心地でそれを手にしてレジへと向かった。アロマフューザーにも手を伸ばしかけたが、それはやり過ぎだろうとやめにした。今はそれを仇かのように睨み、ヴェントルーはベッドに正座する。
    2691