深夜ミーティングでもしもの話をその日は夜に就任1年目のスピーチの草案を纏める為の話し合いが深夜にまで及んでしまった。
「すみません、ディーン。こんな遅い時間まで」
いつものスータンではなくゆったりとした部屋着の教皇は、インノケンティウス14世というよりもただのヴィンセント・ベニテスとしてローレンスを気遣っていた。
「いえ…聖下の想いを正しく伝えるのも私の仕事ですから…」
そう答えながらもローレンスはうつらうつらとしていた。
コンクラーベ中はほぼ不眠症気味だった彼も、心配事が減ってきたせいか、ベニテスの前では気が抜ける事が多くなった。
ベニテスもまた、命の危険を感じる必要がなくなってからは浅かった眠りは改善された。勿論、彼の地では信徒への弾圧が続き残してきてしまった彼らの事を考えると胸が苦しむ。
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