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    陽炎@ポイピク

    ジョジョ5部プロペシメインです。パソコンもペンタブもないので携帯撮り&アナログ絵しかうpしません。
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    陽炎@ポイピク

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    #プロペシ版ワンドロ・ワンライ
    『ご都合スタンド攻撃』
    兄貴がペッシと同じ年齢になる話
    左右曖昧表現あるのでご注意下さい

    「ペッシ、ペッシ!」
    誰かの声が聞こえる。知ってるようで知らない声。
    アジトでうたた寝していたオレはうっすらと瞼を開けた。
    「よぉペッシ。お目覚めか?」
    ぼんやりとした意識のままのオレの前には金髪蒼眼の青年が立っていた。
    「……夢?」
    だってそうだろ。皆が仕事で出払ってる間留守をしていたのはオレだけだ。
    「おいペッシ!起きろ!眠そうにしてるんじゃねぇ!」
    肩を前後に揺すられオレの意識は否応なしに覚醒させられる。
    「えっ!?だっ、誰だ!?」
    背丈はオレより少し上だろうか。着ている服は袖が余ってぶかぶかだ。年齢に似合わず高級そうなヘリンボーン柄の仕立てのいいスーツ。
    ーーまさか。
    「まだ分かんねぇのか!マンモーニのペッシ!」
    顎に人差し指を突き付けてくるこの癖は。
    「あ、兄貴かい?あんた兄貴かい?」
    「ペッシペッシペッシペッシよぉ~。咄嗟にビーチ・ボーイを構えるのはいい度胸だが、オレに攻撃しようなんざ10年早いぜ」
    いつものように額に額をくっつけてくる兄貴だったけれど、オレはただ兄貴の若い姿に混乱してばかりだった。
    「もしかしてスタンド攻撃受けたんですかい!?」
    パッショーネはスタンド使いの集まる組織だ。
    そして枝分かれになったチームの中にはギャングから足を洗おうとする奴もいる。そういった者ですらボスは暗殺命令を下す。情報が漏れるのを防ぐ為だ。恐らくそういった暗殺任務でプロシュート兄貴はスタンド攻撃を喰らったんだろう。
    「ああ。だがすぐにぶっ殺したからこの程度の年齢退行で済んだ」
    若返った姿の兄貴は自分の掌を見下ろした。
    兄貴の話によれば幸いグレイトフル・デッドと違って記憶まで当時に戻ってしまう事はなかったらしい。それでも能力が退化して老化能力の射程距離が届かず苦戦しちまったようだ。
    「兄貴、大丈夫なんですかい?元に戻れるんですかい?」
    プロシュート兄貴は歳の割に随分落ち着いていた。
    髪も短く声変わりを終えたばかりの、オレの知らない頃の姿の兄貴。
    「さぁな。数時間で元に戻るかも知れねぇし、ずっとこのままなのかも分からねぇ」
    平然と語る兄貴に無理矢理にでも着いて行けば良かったと後悔する。するとぽんと頭の上に手が置かれた。
    「そんなシケた面すんじゃねぇ。オレは嬉しいぜ。お前と同じスピードで年を取れる。おまえと同じ速さで成長出来る。何よりも今のオレなら兄貴じゃなくて名前を呼んでもいいんだぜ?」
    こういう所は中身兄貴のままだ。大人の余裕と狡さを持ったままオレと同じ年齢になったプロシュート兄貴は酷く魅力に見えてしまう。
    「うぅ~。んな事言ったって兄貴は兄貴だよぉ」
    兄貴以外の呼び方なんて恥ずかしくてたまったもんじゃなかった。
    「おめぇ、そんなんだからマンモーニなんだ。それともアレか?おまえと同世代のオレは嫌か?」
    ソファーでオレの横に座った兄貴がそっとオレの頬へ掌を這わせる。
    視線の高さが同じだから見つめ合うだけでドキドキしちまう。いつもの兄貴と同じ美しい絹のような金髪と長い睫毛に縁取られた碧い瞳なのに。
    「えっ、えっとぉ、プロシュート、さん」
    カラカラに乾いた口でようやく呼ぶと青い瞳が細められた。
    「プロシュート、だ」
    「いやいやいや無理ですって。喩え年下になっていたとしても兄貴はオレの中で兄貴のままですよ」
    「つれねぇ奴だな」
    離れた手にほっとしたのと同時に寂しさを感じてしまう。
    淋しい理由は自覚していた。
    「兄貴はさぁ。今の姿の頃の時オレと出逢ってたら、同じようにオレの事好きになってくれていたかい……?」
    プロシュート兄貴はオレの肩を自分の肩へと引き寄せた。凭れかかるような体勢になってから気付く。
    結局オレは兄貴に甘えてるだけだ。
    年齢が操作されてもきっとオレは兄貴に甘えちまうんだろう。
    「ーーんだよ。お前、オレが歳下だからペッシに惚れたとでも思ってんのか」
    「そりゃあ考えちまいますよ。いきなり突然目の前にオレと同い年の兄貴が現れたら」
    兄貴に怒られてドヤされるかもと慌てて畳み掛けるように言葉を取り消そうとしたら。
    「んぅっ!?」
    伏せられた睫毛が目の中に入っちまうんじゃねぇかって位近くにあった。
    「ペッシペッシペッシペッシよぉ~。オレは幾つだろうが必ずオメーに惚れる。お前だってオレのそういう所に惹かれたんだろ?違うか?ええ?」
    オレは勢い良く頭を左右に振った。
    「オレ、オレっ!兄貴が幾つの姿になっても好き!流石にジジイは嫌だけど!今の若い兄貴も、好き」
    オレは勢いに任せて今度は自分から兄貴へ口付けをした。細身ながらきっちり鍛えた筋肉ではなくまだ筋肉が付き始めたばかりの体は、オレの体重を受け止めきれずによろめいてオレが兄貴を押し倒す形になっちまう。
    「随分情熱的だなペッシ?ガタイだけならお前の方があるしこのままオレを組み敷いてもいいんだぜ?」
    「えええええっ!?」
    オレは一気に恥ずかしくなって兄貴から離れた。
    すると兄貴の容姿はみるみる内に元の年齢に戻っていく。
    「スタンド攻撃の効果が解除されちまったみてぇだな」
    心底残念そうに兄貴が上半身を起こした。
    「やっぱり、見た目も中身もいつものプロシュート兄貴の方がしっくりくるっすよ」
    オレはキスをしてしまった羞恥心を誤魔化そうとそんな事を口にした。
    「くくっ、お前の唇のお陰かもな?」
    揶揄うように低く嗤う兄貴にオレは恥ずかしさで堪らず俯いた。
    「たーーただの偶然ですぜ」
    「はっ、偶然か。だが、オレがおめぇにこんな事すんのは必然なんだぜ?」
    プロシュート兄貴はオレの項を引き寄せて上向いたオレ目掛けてもう一度キスをした。
    兄貴……もしかして敵の能力に気付きながらもわざと攻撃喰らった訳じゃねぇだろうな?
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    左右曖昧表現あるのでご注意下さい
    「ペッシ、ペッシ!」
    誰かの声が聞こえる。知ってるようで知らない声。
    アジトでうたた寝していたオレはうっすらと瞼を開けた。
    「よぉペッシ。お目覚めか?」
    ぼんやりとした意識のままのオレの前には金髪蒼眼の青年が立っていた。
    「……夢?」
    だってそうだろ。皆が仕事で出払ってる間留守をしていたのはオレだけだ。
    「おいペッシ!起きろ!眠そうにしてるんじゃねぇ!」
    肩を前後に揺すられオレの意識は否応なしに覚醒させられる。
    「えっ!?だっ、誰だ!?」
    背丈はオレより少し上だろうか。着ている服は袖が余ってぶかぶかだ。年齢に似合わず高級そうなヘリンボーン柄の仕立てのいいスーツ。
    ーーまさか。
    「まだ分かんねぇのか!マンモーニのペッシ!」
    顎に人差し指を突き付けてくるこの癖は。
    「あ、兄貴かい?あんた兄貴かい?」
    「ペッシペッシペッシペッシよぉ~。咄嗟にビーチ・ボーイを構えるのはいい度胸だが、オレに攻撃しようなんざ10年早いぜ」
    いつものように額に額をくっつけてくる兄貴だったけれど、オレはただ兄貴の若い姿に混乱してばかりだった。
    「もしかしてスタンド攻撃受けたんですかい!?」
    パッショーネはスタンド使 2362

    陽炎@ポイピク

    DONE #プロペシ版ワンドロ・ワンライ
    『大丈夫』
    敵対組織への潜入任務。情報を入手するだけの仕事で、ペッシのビーチ・ボーイの本領発揮の場所になる筈だった。
    「追え!スタンド使いだ!」
    ところが連中の中にスタンド使いがいやがった。パッショーネから金で引き抜かれたクズ野郎なんだろう。向こうの雇われスタンド使いなんざ想定外で、能力を把握しねぇまままともに戦うのはまずい。
    「逃げんぞペッシ!!」
    パニックになりそうな程気が動転してるペッシを先導させる。背後から聞こえる銃弾にオレは肩口を撃たれた。
    「兄貴ッ!?」
    「いいから行くぞ!もしもの時のために保険掛けといただろうがッ!」
    痛みに耐えてペッシに激を飛ばす。
    ペッシはオレの言葉に落ち着きを取り戻し記憶を頼りにある場所へ向かった。
    「イルーゾォ!」
    鏡の前でペッシが叫ぶ。鏡の中からぬっと腕が伸びてそのまま中へ引きずり込まれた。
    「ざまぁねぇな、プロシュート。ペッシに銃弾が当たらないようにしたのはいいが、おめぇそんなんじゃ命が幾つあっても足りねぇぜ」
    オレの肩口に開けられた風穴にイルーゾォは呆れた声を上げてペッシがはっと我に返った。
    「兄貴ッ!大丈夫ですか!」
    鮮血でスーツは台無しだ。けどオレは 840

    陽炎@ポイピク

    DONE #プロペシ版ワンドロ・ワンライ
    お題『キセキ』
    月祈(きせき)は神仏に祈る事
    街中で鮮やかな色の糸を見た。
    糸を辿ろうと其れに触れた途端消えた。
    男は直感した。あの糸はスタンド能力だと。
    男は何日間もあの糸が再び現れるのを待った。
    どうして組織の把握していないスタンド使いが居る?
    パッショーネに所属していないスタンド使いが居るとするならば、ポルポの試験で矢に刺される事の無かった天性のスタンド能力者という事になる。
    きらりと光る針先が通りの遠くの方へ進んでいくのを目撃した男は糸の紡ぐ軌跡を追うように辿った。
    その釣り針は観光客の懐へと潜り込むとあっという間に財布だけを掠め取った。男は釣り上げられた財布と並走した。
    正確には糸を引いている主の元へ辿り着く為に。
    「あっ……」
    釣竿を手にしている少年はボロボロの布切れを身に纏い身体中が痣だらけであった。
    弾かれたように逃げようとしたものだから男は咄嗟に釣り糸を掴んだ。掌の中に食い込む針の痛みに構わず男は唇を開いた。
    「――お前、家族は」
    少年は怯えたように頭を横に振った。声が出ないのか、それとも出せないのか。それでもスタンド能力を解除しようとはしない。男はぞくりとした。腕を這い上がっていく釣り針と糸の感覚。この少年はオ 1665

    陽炎@ポイピク

    TRAINING足を怪我して兄貴に背負われるペッシの話
    『恋じゃない』
    #プロペシ版ワンドロ・ワンライ
    流石に姫抱きは勘弁してくだせぇと真っ赤になる弟分にプロシュートは溜息を吐いた。
    かれこれ永遠と続くかのような押し問答。
    ターゲットを追ってビーチ・ボーイの針と糸で捉えかけていた所、標的が残した罠へ掛かってしまい、ペッシが足を怪我してしまったのだ。
    「オレの事は置いていいから追ってくれ兄貴!」
    プロシュートはペッシの言葉に迷った。此処で見失ったら任務は失敗だ。
    だが、プロシュートは足を止めた。
    「兄貴っ!そんな事したらスタンドの射程範囲から逃げられちまう!」
    ペッシの悲痛な叫び。その時聞こえてきたのは仲間のひとりの声帯を真似た声だった。
    「ドウヤラコイツヲ始末スルノハ、ワタシノヨウデスネ」
    次の瞬間ターゲットはサイコロ状にバラバラにされてその場に崩れる。
    「ベイビィ・フェイス……」
    常に笑みを浮かべたような機械の如き肉体を持つ人型のスタンドはプロシュートとペッシを見遣った。
    「ナンテコトナイ任務デシタネ。プロシュート、アナタハドウシテ仕事ナノニ弟分ヲ優先スルノデスカ?」
    ベイビィ・フェイスは教育次第で成長するスタンドだ。故に知識欲も強い。疑問を感じれば主であるメローネ以外にも遠慮なく質問 1413

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    『大丈夫』
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    「追え!スタンド使いだ!」
    ところが連中の中にスタンド使いがいやがった。パッショーネから金で引き抜かれたクズ野郎なんだろう。向こうの雇われスタンド使いなんざ想定外で、能力を把握しねぇまままともに戦うのはまずい。
    「逃げんぞペッシ!!」
    パニックになりそうな程気が動転してるペッシを先導させる。背後から聞こえる銃弾にオレは肩口を撃たれた。
    「兄貴ッ!?」
    「いいから行くぞ!もしもの時のために保険掛けといただろうがッ!」
    痛みに耐えてペッシに激を飛ばす。
    ペッシはオレの言葉に落ち着きを取り戻し記憶を頼りにある場所へ向かった。
    「イルーゾォ!」
    鏡の前でペッシが叫ぶ。鏡の中からぬっと腕が伸びてそのまま中へ引きずり込まれた。
    「ざまぁねぇな、プロシュート。ペッシに銃弾が当たらないようにしたのはいいが、おめぇそんなんじゃ命が幾つあっても足りねぇぜ」
    オレの肩口に開けられた風穴にイルーゾォは呆れた声を上げてペッシがはっと我に返った。
    「兄貴ッ!大丈夫ですか!」
    鮮血でスーツは台無しだ。けどオレは 840