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    陽炎@ポイピク

    ジョジョ5部プロペシメインです。パソコンもペンタブもないので携帯撮り&アナログ絵しかうpしません。
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    POIPOI 476

    陽炎@ポイピク

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    #プロペシ版ワンドロ・ワンライ
    お題『キセキ』
    月祈(きせき)は神仏に祈る事

    街中で鮮やかな色の糸を見た。
    糸を辿ろうと其れに触れた途端消えた。
    男は直感した。あの糸はスタンド能力だと。
    男は何日間もあの糸が再び現れるのを待った。
    どうして組織の把握していないスタンド使いが居る?
    パッショーネに所属していないスタンド使いが居るとするならば、ポルポの試験で矢に刺される事の無かった天性のスタンド能力者という事になる。
    きらりと光る針先が通りの遠くの方へ進んでいくのを目撃した男は糸の紡ぐ軌跡を追うように辿った。
    その釣り針は観光客の懐へと潜り込むとあっという間に財布だけを掠め取った。男は釣り上げられた財布と並走した。
    正確には糸を引いている主の元へ辿り着く為に。
    「あっ……」
    釣竿を手にしている少年はボロボロの布切れを身に纏い身体中が痣だらけであった。
    弾かれたように逃げようとしたものだから男は咄嗟に釣り糸を掴んだ。掌の中に食い込む針の痛みに構わず男は唇を開いた。
    「――お前、家族は」
    少年は怯えたように頭を横に振った。声が出ないのか、それとも出せないのか。それでもスタンド能力を解除しようとはしない。男はぞくりとした。腕を這い上がっていく釣り針と糸の感覚。この少年はオレを殺そうとしている。
    男は死神のような姿のスタンドを発現させた。
    「ヒッ!?」
    少年は驚き膝を震わせている。腰を抜かさなかっただけでもこの少年は気弱そうな性格の割に肝が据わっているようだ。
    「名前はあるのか」
    「ビーチ・ボーイ……」
    少年は消え入りそうな声で答える。男は幾度か瞬きを繰り返した後低く笑った。こりゃ、傑作だ。名前を聞かれてスタンドの名前が返って来るとは。
    「その釣竿の事じゃねぇよ。おめぇの名前だ」
    少年は三白眼気味の目をさ迷わせた。
    「皆はオイラの事をマンモーニだって呼んでる」
    『ママっ子野郎』という蔑称を甘んじて受け入れてしまっている少年を憐れむだけなら誰だって出来る。
    だが男は哀れんだりはしない。ギャングの世界で憐憫や同情は余計な感情だからだ。
    「親の居ねぇおまえをマンモーニとは録でもねぇ連中だな」
    少年は俯いてズボンをきつく握り締めた。
    「――あんたに何が分かるんだ!あいつらに従わなきゃオイラはまた嬲られる!オイラの事情も知らねぇで!」
    釣り針が男の肩口へと這い上がっていく。
    「お前にそんな生き方は似合わねぇ」
    男は糸を握り締めると釣竿を離すまいとする少年へ踏み出して近付いた。
    「くっ、来るな!」
    「いいか……おめぇのダイヤモンドのような輝石はこんな薄汚れた場所に在るべきじゃねぇんだ」
    一歩、また一歩。
    「でっ、でも!」
    「おまえの代わりにオレがそいつらを殺してやるよ。だからオレと一緒に来い」
    それは悪魔の契約だった。男の差し出した手を少年はようやくスタンドを解除し恐る恐る取る。
    「――初めまして。家族だ」
    男は唇の端を上げた。
    男は少年を連れて彼を道具のように扱っていたストリートチルドレンの仲間達の元へ行った。
    銃を突きつけ連中の前で男は高らかに宣言する。
    「大した事ねぇだろうが。この国じゃガキが行方不明になろうが警察は捜索なんかしやしねぇ。特に親の居ねぇ子供は尚更な」
    乾いた音が路地裏に鳴り響いた。
    「…死の制裁を下してくれたあんたは…他にも奇跡を起こせたりするのかい?」
    少年はエメラルドグリーンの瞳を男へ向けた。
    「お前にとってオレがキリストに見えるってんならそれでもいいが」
    男は屈みこみ少年の額へ己の額を合わせた。
    「プロシュートだ」
    「――へ?」
    「オレの名前だ。勿論本名じゃねぇ」
    「……そうなんだ」
    両手に頬を包まれた少年は眩しそうに目を細めた。
    その気になれば一気に老化させ枯らす事の出来る目の前の命に男が語りかける。
    「ペッシ」
    「ペッシ?」
    「お前の名前だ。これからはそう名乗れ」
    小さく頷き返す少年に男は『良い子だ』と軽く頭を撫でた。
    アジトで出迎えるであろう仲間達の反応が楽しみだ。
    オレ達の歩む道が栄光に繋がりますように。
    男は少年と共に月祈を捧げた。
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    陽炎@ポイピク

    DONE #プロペシ版ワンドロ・ワンライ
    『大丈夫』
    敵対組織への潜入任務。情報を入手するだけの仕事で、ペッシのビーチ・ボーイの本領発揮の場所になる筈だった。
    「追え!スタンド使いだ!」
    ところが連中の中にスタンド使いがいやがった。パッショーネから金で引き抜かれたクズ野郎なんだろう。向こうの雇われスタンド使いなんざ想定外で、能力を把握しねぇまままともに戦うのはまずい。
    「逃げんぞペッシ!!」
    パニックになりそうな程気が動転してるペッシを先導させる。背後から聞こえる銃弾にオレは肩口を撃たれた。
    「兄貴ッ!?」
    「いいから行くぞ!もしもの時のために保険掛けといただろうがッ!」
    痛みに耐えてペッシに激を飛ばす。
    ペッシはオレの言葉に落ち着きを取り戻し記憶を頼りにある場所へ向かった。
    「イルーゾォ!」
    鏡の前でペッシが叫ぶ。鏡の中からぬっと腕が伸びてそのまま中へ引きずり込まれた。
    「ざまぁねぇな、プロシュート。ペッシに銃弾が当たらないようにしたのはいいが、おめぇそんなんじゃ命が幾つあっても足りねぇぜ」
    オレの肩口に開けられた風穴にイルーゾォは呆れた声を上げてペッシがはっと我に返った。
    「兄貴ッ!大丈夫ですか!」
    鮮血でスーツは台無しだ。けどオレは 840

    陽炎@ポイピク

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    男は何日間もあの糸が再び現れるのを待った。
    どうして組織の把握していないスタンド使いが居る?
    パッショーネに所属していないスタンド使いが居るとするならば、ポルポの試験で矢に刺される事の無かった天性のスタンド能力者という事になる。
    きらりと光る針先が通りの遠くの方へ進んでいくのを目撃した男は糸の紡ぐ軌跡を追うように辿った。
    その釣り針は観光客の懐へと潜り込むとあっという間に財布だけを掠め取った。男は釣り上げられた財布と並走した。
    正確には糸を引いている主の元へ辿り着く為に。
    「あっ……」
    釣竿を手にしている少年はボロボロの布切れを身に纏い身体中が痣だらけであった。
    弾かれたように逃げようとしたものだから男は咄嗟に釣り糸を掴んだ。掌の中に食い込む針の痛みに構わず男は唇を開いた。
    「――お前、家族は」
    少年は怯えたように頭を横に振った。声が出ないのか、それとも出せないのか。それでもスタンド能力を解除しようとはしない。男はぞくりとした。腕を這い上がっていく釣り針と糸の感覚。この少年はオ 1665

    陽炎@ポイピク

    TRAINING足を怪我して兄貴に背負われるペッシの話
    『恋じゃない』
    #プロペシ版ワンドロ・ワンライ
    流石に姫抱きは勘弁してくだせぇと真っ赤になる弟分にプロシュートは溜息を吐いた。
    かれこれ永遠と続くかのような押し問答。
    ターゲットを追ってビーチ・ボーイの針と糸で捉えかけていた所、標的が残した罠へ掛かってしまい、ペッシが足を怪我してしまったのだ。
    「オレの事は置いていいから追ってくれ兄貴!」
    プロシュートはペッシの言葉に迷った。此処で見失ったら任務は失敗だ。
    だが、プロシュートは足を止めた。
    「兄貴っ!そんな事したらスタンドの射程範囲から逃げられちまう!」
    ペッシの悲痛な叫び。その時聞こえてきたのは仲間のひとりの声帯を真似た声だった。
    「ドウヤラコイツヲ始末スルノハ、ワタシノヨウデスネ」
    次の瞬間ターゲットはサイコロ状にバラバラにされてその場に崩れる。
    「ベイビィ・フェイス……」
    常に笑みを浮かべたような機械の如き肉体を持つ人型のスタンドはプロシュートとペッシを見遣った。
    「ナンテコトナイ任務デシタネ。プロシュート、アナタハドウシテ仕事ナノニ弟分ヲ優先スルノデスカ?」
    ベイビィ・フェイスは教育次第で成長するスタンドだ。故に知識欲も強い。疑問を感じれば主であるメローネ以外にも遠慮なく質問 1413

    陽炎@ポイピク

    CAN’T MAKE #プロペシ版ワンドロ・ワンライ
    『ご都合スタンド攻撃』
    兄貴がペッシと同じ年齢になる話
    左右曖昧表現あるのでご注意下さい
    「ペッシ、ペッシ!」
    誰かの声が聞こえる。知ってるようで知らない声。
    アジトでうたた寝していたオレはうっすらと瞼を開けた。
    「よぉペッシ。お目覚めか?」
    ぼんやりとした意識のままのオレの前には金髪蒼眼の青年が立っていた。
    「……夢?」
    だってそうだろ。皆が仕事で出払ってる間留守をしていたのはオレだけだ。
    「おいペッシ!起きろ!眠そうにしてるんじゃねぇ!」
    肩を前後に揺すられオレの意識は否応なしに覚醒させられる。
    「えっ!?だっ、誰だ!?」
    背丈はオレより少し上だろうか。着ている服は袖が余ってぶかぶかだ。年齢に似合わず高級そうなヘリンボーン柄の仕立てのいいスーツ。
    ーーまさか。
    「まだ分かんねぇのか!マンモーニのペッシ!」
    顎に人差し指を突き付けてくるこの癖は。
    「あ、兄貴かい?あんた兄貴かい?」
    「ペッシペッシペッシペッシよぉ~。咄嗟にビーチ・ボーイを構えるのはいい度胸だが、オレに攻撃しようなんざ10年早いぜ」
    いつものように額に額をくっつけてくる兄貴だったけれど、オレはただ兄貴の若い姿に混乱してばかりだった。
    「もしかしてスタンド攻撃受けたんですかい!?」
    パッショーネはスタンド使 2362

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    「よぉペッシ。お目覚めか?」
    ぼんやりとした意識のままのオレの前には金髪蒼眼の青年が立っていた。
    「……夢?」
    だってそうだろ。皆が仕事で出払ってる間留守をしていたのはオレだけだ。
    「おいペッシ!起きろ!眠そうにしてるんじゃねぇ!」
    肩を前後に揺すられオレの意識は否応なしに覚醒させられる。
    「えっ!?だっ、誰だ!?」
    背丈はオレより少し上だろうか。着ている服は袖が余ってぶかぶかだ。年齢に似合わず高級そうなヘリンボーン柄の仕立てのいいスーツ。
    ーーまさか。
    「まだ分かんねぇのか!マンモーニのペッシ!」
    顎に人差し指を突き付けてくるこの癖は。
    「あ、兄貴かい?あんた兄貴かい?」
    「ペッシペッシペッシペッシよぉ~。咄嗟にビーチ・ボーイを構えるのはいい度胸だが、オレに攻撃しようなんざ10年早いぜ」
    いつものように額に額をくっつけてくる兄貴だったけれど、オレはただ兄貴の若い姿に混乱してばかりだった。
    「もしかしてスタンド攻撃受けたんですかい!?」
    パッショーネはスタンド使 2362