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    陽炎@ポイピク

    ジョジョ5部プロペシメインです。パソコンもペンタブもないので携帯撮り&アナログ絵しかうpしません。
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    陽炎@ポイピク

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    リゾイル初挑戦

    アジトの備品の買い出しの帰り道。
    イタリアの街並みをひときわ背の高い大男が石畳を歩いていた。すれ違う人々は振り返りこそするものの人を寄せ付けない黒目の大きな男に声を掛けられずに好奇の目を向けるだけだった。
    そんな中男は聞き慣れた声で呼び止められた。
    「リーダー!」
    彼の事をそんな呼び方をするのは仲間の内で只ひとりしかいない。
    「イルーゾォ」
    任務の帰りなのだろうか、イルーゾォは機嫌が良さそうだった。
    「そんな大荷物抱えて大丈夫なのか?」
    「平気だ。お前は俺を箸も持てない少女に見えるのか?」
    男ーーリゾットが皮肉を返すとイルーゾォは慌てて頭を横に振った。
    「そんなんじゃねぇって!アジトにそれを持って帰るならもっといい方法があるだろ?」
    ぐいぐいと路地裏へ連れ込まれたリゾットは不自然に置かれた鏡を見て全てを察した。
    「マン・イン・ザ・ミラー!リーダーの荷物をアジトへ持ち帰る事を許可しろ!」
    鏡の中からイルーゾォのスタンドが腕だけ伸ばしリゾットの荷物を持ち去ってしまった。
    「イルーゾォ、お前な……。いつもこんな事をしてるのか?」
    確かに彼のスタンドは便利だ。鏡を媒体にしてこうして物質を別の場所へ運ぶなど簡単な事だろう。
    「いや?手伝うのはリーダーだけだぜ?」
    得意気に笑むイルーゾォはいかにも褒めて欲しそうにしている大型犬のようだ。
    確かにイルーゾォの能力は無敵に等しい。
    彼の生み出す鏡の世界は死の世界だ。
    閉じ込められてしまえば幾らでも命を弄べる。
    リゾットは感じていた。イルーゾォは恐らく根本的に生きた人間が嫌いな男だ。そして、この世界も。
    だから鏡像の中という絶対領域を作った。
    他人を決して許可しない自分だけの世界を。
    そんな彼の心を開かせるのは難しかった。
    リゾットがイルーゾォに教えた事は実践で叩き込んだ喉の掻き切り方だけだった。
    「お前がスタンド能力をどう使おうがお前の勝手だ。だが覚えておけ。殺し方を何も持たなければお前は無防備でしかない事を」
    それからだった。イルーゾォがリゾットを『リーダー』と呼ぶようになったのは。
    いつの間に懐かれたみてぇだなとホルマジオからは揶揄われたりもしたが、少なくとも共に戦う仲間になってくれた事に安堵していた。
    「俺に貸し借りを作っておこうとしてるのか?」
    「貸し借り、か。そうかも知れねぇな。リーダーに恩を売っておけば後々助けて貰えるんじゃねぇかってよ」
    イルーゾォが信頼してくれているのは分かる。
    だがリゾットは変に媚びるなどらしくないとも感じた。
    だから。
    「成程な。何故お前が俺にだけこんな事をするのか分かりかけてきた。さぁイルーゾォ、俺とどうしたいんだ?」
    腰を引き寄せて唇の端を上げるリゾットにイルーゾォは真似をした。
    「たっぷり可愛がってくれよリーダー」
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