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    陽炎@ポイピク

    ジョジョ5部プロペシメインです。パソコンもペンタブもないので携帯撮り&アナログ絵しかうpしません。
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    陽炎@ポイピク

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    編集者兄貴×漫画家ペッシ
    そららさんからネタだけお借りしました
    この場でお礼を申し上げます

    オレはペッシ。最近デビューしたばかりの新人漫画家だ(ペッシというのはペンネームだけど)。オレは今白紙のままの原稿用紙を前に頭を抱えて唸っていた。
    そういう時に限ってインターホンが鳴る。
    ピンポーン。……ほら、やっぱり。
    渋々四畳半の部屋から玄関へと向かって扉を開けると見目麗しい男が立っていた。
    「よう、進捗具合を見に来たぜ」
    このモデルのような出で立ちの人はオレの担当編集者だ。
    「タイミング悪過ぎやしませんか?兄貴」
    兄貴と呼べと言われてるからそう呼んでるけど本名は聞いた事がない。兄貴は悪びれもせずずかずかと机へ近付くと原稿用紙を覗き込んだ。
    「ハン、まだ下書きすらしてねぇのか?」
    一瞬眉を寄せながらも次の瞬間には吹き出した兄貴にオレはぽかんとした。
    編集者ってもっと怖い存在だと思っていた。
    幼い頃から漫画を読むのが好きでいつしか漫画を描きたいと漫画家を目指してきたオレ。
    でも漫画家のエピソードは大抵編集者との確執とかそういうのばっかりで、漫画家デビューしたら編集者にドヤされながらネームを進めたりするんだろうなと考えていた。
    だから初めて兄貴と会った時もオレはビビってオドオドした態度で挨拶しちまった。なのに兄貴はオレのデビュー作の漫画を読んで『気に入った!オレがおめぇに栄光を掴ませてやる!』と豪快に宣言してきた。
    「だ、だって」
    デビュー作のビーチ・ボーイは、ぱっと浮かんだネタをそのまま勢いだけで描いたようなもんだ。
    普通の人には見えない釣竿で人々を救うヒーローの話で、正直構図とか吹き出しの位置とか人物の動きとかはまだまだの代物だった。
    「ペッシペッシペッシよぉ~。オメーは才能あるんだから自信を持て。連載が決まるかどうかはおめぇ次第だ。ネタが何にも浮かばねぇってんならそうだな……次は恋愛漫画にでも挑戦すりゃあいいんじゃねぇか?」
    兄貴は口が悪いけどアドバイスが的確だ。漫画家は読者を満足させる前に編集者を満足させる事が重要だってオレの尊敬する岸辺露伴先生もインタビューで語っていたっけ。
    「れ、恋愛漫画ぁ?そんな事言ったってオレ、経験ねぇし――」
    オレがビーチ・ボーイを描くようになったのも現実逃避の為だった。容姿のせいで虐められてた学生時代。漫画だけが唯一の楽しみでオレの救いだったんだ。
    漫画を描き始めた事を馬鹿にされたりもしたけれどデビューしてからはオレを見下す奴は居なくなった。
    「経験がねぇのなら」
    原稿用紙から顔を上げて兄貴がオレの頬へ手を伸ばしてきた。
    「経験させてやろうか?ペッシ」
    揶揄うような表情にオレは撫でられる頬が一気に熱くなるのを感じる。
    「結構です!!大体勝手に恋愛漫画にするなんて決めねぇで下さい!」
    ぐいぐいと兄貴の手を押し返すと彼は豪快に笑った。
    「あっはっは!その意気だぜペッシ!なら次は老化能力を持った男が裏社会で暗殺業をする話でも描けばいいさ」
    オレは息を飲むと早速机に向かった。先程までアイディアが浮かばなかった自分が嘘みてぇだ。
    「オレ、その話描いてみてぇ!タイトルはそう、『ザ・グレイトフル・デッド』!ありがとう兄貴!いいネタを提供してくれて」
    兄貴はやっとやる気になったな、と言わんばかりに肩を竦めると、また来るぜと踵を返して部屋を出て行った。兄貴のお陰でいい漫画が描けそうだ。
    完成したら、真っ先に兄貴に読んで貰おうっと!
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