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    巡(メグル)@20216575z

    @20216575zzzz

    魔道祖師、陳情令の二次創作作品をぽいぽいしていきます。

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    POIPOI 17

    わかさんのスペースでお話されていた病弱江澄のお話の一部設定を使わせて貰ったお話。
    ①出会った時、澄は曦を女の子と勘違いする
    ②江澄が病である
    ③澄が曦の元を去る
    ④最後はハピエン
    上記四点を使わせていただきました。
    本家のお話はわかさんに書いていただくのを楽しみにしてます。

    宜しければ感想お聞かせください🙏

    #曦澄
    #現代AU
    modernAu
    #病弱江澄
    sickAndWeakJiangCheng

    病弱江澄ss曦澄おち「もうここには来んな」
    「どうして?そんな事言わないで、阿澄」
    「どうしてもだ」
    「明日も会いに来るから」

    そう言って帰って行った彼。
    綺麗な顔を歪ませてしまったけれど仕方がなかった。

    小さな頃の約束は果たせそうにない。
    ごめんな。




    初めて藍渙…あの頃は阿渙と呼ばれていた。
    出会ったのはココ。
    このクラス10000の清浄な空気に囲われた箱庭みたいな小さな世界だった。

    俺と同じ病の弟のドナーになるためにこの病院にやってきた彼。
    小児病棟の端っこで他の患児達と混じることなく一人でいた彼はとても可愛らしい顔に不安を滲ませラウンジのベンチに座っていた。

    「忘機…」
    それが弟の名前だったらしかった。

    何となく気になってしまった俺はその子に声をかけてしまっていた。今から思ったら笑えてしまうけれどその時俺は一目惚れをしてしまったのだった、彼に。

    ふっくらとした頬にくりりと大きな目。サラリと流れる黒髪をひとつに束ねた彼をなんて可愛い女の子なんだ、って。
    ここには長い髪の子は少ないからたっぶりとしたそのぬばたまの黒髪が眩しく映ったのかもしれない。

    声をかけると少し驚いたような様子だったが、「こんにちわ」と応じてくれた。

    そして少し話をして。
    その子の不安の原因を知ったのだ。

    弟を助けたいからドナーになること。でも骨髄移植をしても助からない可能性もあるということ。
    「怖い…私のせいで弟が苦しい思いをするかもしれないから」

    泣きそうに震えたその手に、姉さんを思い出した。"私がドナーになれたら良かったのに"と言った姉さんのことを。

    「きっと大丈夫。ドナーになってくれる君の事を弟は恨んだりしない。良くなるよ、信じてあげたらいい」

    「ありがとう、あなたは優しいね」
    ふふっと笑ったその顔はまだ少し強ばっていたから衝動的に俺はその子の額にキスをしてしまっていた。
    「元気になるおまじない。姉さんが良くしてくれるんだ」

    「元気…ありがとう。あなたの名前は?私は藍渙」
    頬を染めながらもニコリと笑ったその顔は先程とは違っていた。
    「俺は江澄」
    それが彼のと出会いだった。



    遠いあの日の出来事は昨日のことにも思えた。
    可愛いあの藍渙が実は男だったということを知った時は恥ずかしくて死にそうになったっけ。

    "ずっと江澄と一緒にいたい"と弟が退院の日に彼が俺にそう言って、俺ももう会えないと寂しいと思ったから"元気になったら俺のお嫁さんになって?"と言ったんだ。そしたら"うん"と言ったからてっきり…

    でも藍渙が男であったと知ったあとも、俺と彼の関係は変わらなかった。
    時々弟と共に通院する傍ら俺に面会に来てくれた。
    外の世界を色々と教えてくれる彼との会話が楽しくて。昔した約束など忘れてしまったみたいに友達としてずっと長い間過ごした。

    そして、彼に告白されて付き合うようになって。

    でもそれももう終わりの時を迎えようとしていた。

    繰り返し再発を繰り返す中でようやく見えた治療の道。
    この治療を乗り越えれば俺は未来を見ることができる。
    でもそれには大きなリスクを秘めていた。
    もしも俺が死んだら彼は悲しむだろう。
    そう思うとその事実を知らせる勇気が俺には持てなかった。

    だから何も告げずに彼の元から去ることに決めた。
    明日俺に会いに来てももう俺はここにはいないから。

    長い間辛い気持ちと幸せの気持ちをくれたこの小児病棟の小さな小さな世界が俺の全てだった。
    箱庭のような世界、そこは俺を守り育ててくれた。でもこれ以上は無理なのだ。
    もうこの体では持ちこたえられない。

    光に溢れる世界にとび出てみたい。
    彼のそばで未来をみる時間が欲しい。
    その為に生きることに足掻くことに決めた


    だからさようならだ。



    あなたはずっと笑っていて。
    綺麗なままで。






    大好きだよ
    ずっと
    藍渙

    初恋の君よ。
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    「何をしている!」
     江澄は鋭い声を飛ばした。ずかずかと房室に入り、傍の小円卓に水差しを置いた。
    「晩吟……」
    「あなたは怪我人なんだぞ、勝手に動くな」
     かくいう江澄もまだ左手を吊ったままだ。負傷した者は他にもいたが、大怪我を負ったのは藍曦臣と江澄だけである。
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     体を起こそうとして、まったく力が入らなかった。夢の中くらい、自由にさせてくれてもいいのに。
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     月はすでに沈み、室内は闇に包まれている。
     暗い中、いくら目を凝らしても何も見えない。星明かりが椅子の影を映すくらいである。
     藍曦臣は江澄が立ち直るとすぐに客坊へと移った。このことで失望するほど不誠実な人ではないが、落胆はしただろうなと思う。
     目をつぶると、まぶたの裏に藍曦臣の顔が浮かぶ。じっとこちらを見る目が恐ろしい。
     秘密は黙っていれば暴かれることはないと思っていた。しかし、こんなことでは露見する日も遠くない。
     江澄は自分の首筋を手のひらでなでた。
     たしかに、藍曦臣はここに唇を当てていた。
     思い出した途端、顔が熱くなった。あのときはうろたえて考えることができなかったが、よくよく思い返すとものすごいことをされたのではないだろうか。
     今までの口付けとは意味が違う。
     もし、あのまま静止できなければ。
    (待て待て待て)
     江澄は頭を振った。恥知らずなことを考えている。何事も起きなかったのだからそれでいいだろう。
     でも、もしかしたら。
     江澄は腕を伸ばした。広い牀榻の内側には自分しかいない。
     隣にいてもらえるのだろうか。寝るときも。起きるときも 1867

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    DONE曦澄ワンドロワンライ
    第五回お題「夜狩」

    恋人関係曦澄ですが、曦が出てきません。夜狩を真っ向から書いた結果、こんなことに……
     その夜、江宗主は非常に機嫌が悪かった。
     紫の雷が夜闇を切り裂いていく。その後には凶屍がばたばたと倒れ伏している。
    「ふん、他愛ない」
     雲夢の端、小さな世家から助けを求められたのは昨夜のことだった。急に凶屍があふれかえり、仙師全員で対応に当たっているが手が回りきらない。どうにか江家に応援を派遣してもらえないか、という話であった。
     江澄はその翌日、つまり今朝から姑蘇へ発つ予定であった。藍家宗主からの招きによって、五日ほどを雲深不知処で過ごすことになっていた。
     しかし、これでは蓮花塢を留守にできない。
     世家への応援を師弟たちに任せることもできたが、江澄は蓮花塢に残ってひとり苛立ちを抱えることになる。そんなことは御免である。
     世家の宗主は江宗主自らが出向いたことにひどく驚き、次いで感謝の意を述べた。いたく感激しているふうでもあった。
    「あとどのくらいいる」
    「それが分かりませんで。原因も不明のままなのです」
    「ならば、調査からはじめなければな」
     江澄は最初に凶屍が現れたという地点へと向かう。山を進めば進むほど闇が深くなる。今晩、月はまだ出ていない。
     ふいに嫌な気配を感じて紫電 1712