背比べ「今年はアマノザコに勝とう」
公園を脇目に、アオガミが力強く宣言をした。
「随分と自信満々だけど、必勝法とかあるの?」
「前回は大きさを自分の手で確認したのが敗因の一つだったと認識している。今回は、彼女と大きさが近いしカハクに協力を依頼した。カハクに持って貰い、提出するサイズを確認する」
今回は抜かりないと胸を張るアオガミを見上げ、少年は微笑む。勝敗がどうなろうと、また一つ思い出ができるだろうと。
尚、結果は。
「今年もアタシの勝ちー!」
アオガミが見つけたどんぐりより3mm大きい実を抱え、宙を舞うアマノザコの姿と。
「……傘の大きさが、考慮から漏れていた」
肩を落とすアオガミの姿が並ぶのであった。