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    Hakuaisan(GWT)

    @Hakuaisan

    二次創作てんこ盛り野郎

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    POIPOI 291

    Hakuaisan(GWT)

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    「はぁ・・・」

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    「あ、お兄ちゃん?こっちにスーツ着た変な人達が来たから締め上げといたよ」
    笑顔で兄に電話をする麻里。気絶した相手の胸ぐらを掴み、笑顔で電話をする少女に見ていた私と絵梨佳は背筋が凍る。
    「ひぃぃ!助けてくれ!」
    「もうしない!だから許してくれ!」
    「うっさい」
    相手の胯間を蹴り上げ、相手の股間に麻里の蹴りがめり込む。
    「ひぃぃ!ぐわぁ!」
    悶絶する男を椅子代わりにして電話を続ける。
    「玉置さんは吹っ飛ばされたし御影さんは引きこもっちゃったし、お兄ちゃんはどう?親玉潰せた?・・・うん、うんうん」
    「このクソア」
    「それでさー」
    「ガッ!」
    立ち上がろうとした男の頭を足で踏みつける。
    「お兄ちゃんがね、早めに膿を出しちゃいたいんだって」
    「待て!待ってくれ!」
    「だから潰しちゃってよ。・・・うん、分かった」
    電話を終えた麻里は男から足を除ける。すると顎に鋭い蹴りを入れて気絶させた。
    「終わったよ」
    笑顔で私を見る麻里に恐怖し、私は動くことが出来なかった。
    「麻里ちゃん・・・」
    ****
    「ふぅ」
    「どうだ?」
    「全員潰したって」
    「お前の妹やべーな」
    妹からの電話で安堵する暁人。一体どういう教育をしたらあんな性格になるのか不思議だ。
    「麻里の安否確認はできたし」
    「そうだな」
    二人で般若の面を着けた男の方を向く。男は予想外の出来事に狼狽していた。
    「人を道具としか見ていない野郎は一発ぶん殴らねぇとな。まずはそうだな・・・ん?」
    指を鳴らしながら近づくと、男の後ろに布に包まれた何が見えた。男はそれを大事そうに守っている。
    「あれはなんだ?金か?武器か?」
    「お前達には関係ないことだ」
    「じゃあさっさと見せやがれ」
    「やめろ!!」
    暁人が布を剥がすと、箱形の装置が姿を表した。表面はガラス板で中身が透けている。
    「なんだこれ?」
    中に入っていたのは女性だった。顔を見るに暁人より年上だ。
    「私の妻だ。5年前に病で亡くなってしまった。妻を亡くして私は絶望した。だが、私は妻を捨てるわけにはいかない。私は使えるだけのものを使って妻と永遠にいられる方法を模索した。妻の身体を冷凍保存し、再びこの世に返り咲けるよう私は研究を続けた。手駒を増やし、金を集め、会社の社長になり、地位を手に入れた。だが・・・」
    「でも全員役に立たなかった」
    「そうだ!私は妻と共にいられるのならどんな手も使った!娘までも!」
    「・・・なあ、一つ言ってもいいか?」
    般若の面の男の話は終わり、暁人は口を開いた。
    「お前、人を生き返らせようなんで頭狂ってんな」
    言い終えた途端、右手をポケットから出して男の顔にストレートを喰らわせる。
    「ぶぅ!」
    壁に打ち付けられる男。暁人はそのまま近づき、胸ぐらを掴んで引き寄せる。
    「自分が死んだ人間を生き返らせたい?それがお前の望みか?」
    「そ・・・そうだ」
    「じゃあなんで娘まで巻き込んだ?お前にとって娘はその程度の価値なのか?」
    「ち・・・違う!」
    「違わねぇ!!死んだら困るから使ったんだろ?娘を道具として使ってんじゃねぇ!!」
    再び拳を振り上げる暁人。
    「俺はな!人を道具としか見ていない人間が大嫌いなんだよ!!特に仲間を道具として見ている奴はな!!」
    暁人は渾身の一撃を食らわせる。仮面が割れて、素顔が曝される。白目を向いて男は気絶した。
    「これで解決だな」
    「そうだな」
    「・・・しかし、こいつとんでもないもん持っていたな」
    箱形の装置には液体が沢山詰まっており、機械からはチューブが伸びて、床に置いてある機械に繫がっていた。
    「これで生き返らせるってか?」
    「まあ、そういうことだろうな」
    暁人は血のついた拳を見ながら、呟いた。
    ****
    「お兄ちゃん?・・・え?潰した!?」
    「マジか!」
    「よかったぁ~!」
    家で兄からの連絡を受けた私はガッツポーズをした。玉置さんも意識を取り戻し、御影さんは部屋から出てきて、後ろでは絵梨佳ちゃんと凛子さんがハイタッチをしていた。
    「これで安心できるね!」
    「うん!」
    (末恐ろしいわ、この子)
    「どうしたの?凛子さん?」
    「ないでもないわ」
    麻里を怒らせないようにしようと誓う凛子であった。
    ****
    「・・・」
    如月会の人間を連行している間、暁人は一人項垂れていた。人を殴ったという後悔の念に押し潰されそうになっている。
    「大丈夫か?」
    俺は尋ねるが、無言で首を横に振る。こういうときになんて言葉をかければいいのかは分からない。
    「KK、僕さ」
    暁人の一人称が僕になる。
    「あいつを殴ったとき、一瞬だけスッキリしたんだ」
    暁人の顔は後悔をしている顔をしていたが笑っていた。
    「身内が酷い目に遭っているのを見ると、それが許せなくてさ。でも暴力とかに訴えるのは良くないと思ってさ。だから、暴力で解決するのは良くないと思ったんだ」
    「そうだな」
    だが俺は暁人が人を殴って少しスッキリしているように見えた。多分、俺の偏見だ。きっとこいつは優しい奴なのだろう。でも何かきっかけがあれば変わってしまうのだろう。
    「父さんが死んでから組長になって組を変えたくって必死に頑張ったんだ。でも、それはただの僕のワガママだった」
    俯く暁人。俺はただ頷くしかできなかった。
    「僕は暴力で組を変えたいんじゃない。組を家族にしたいって思ったんだ、でも反対した人を全員『粛清』した」
    暁人の拳から血が流れ落ちる。
    「でも、僕は間違っていたのかもしれない」
    「それはお前が決めることだ」
    俺は背中を強く叩く。
    「自分の信じた道を進めばいいじゃねぇか?もし間違ったら俺が止めてやるよ」
    「そう?そう言ってくれるならお願いしようかな。一服する?」
    「おい待てそれ俺の煙草」
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