Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    Hakuaisan(GWT)

    @Hakuaisan

    二次創作てんこ盛り野郎

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji ❣ 🗼 ✌ 🌸
    POIPOI 291

    Hakuaisan(GWT)

    ☆quiet follow

    何処かの村の話

    昔々、とある山奥の村にある兄妹が住んでいました。その兄妹はとても仲が良くいつも二人で一緒に遊んでいました。兄妹には両親がおらず、兄が妹のために必死に頑張ってきました。ある日、兄妹がそれなりに大きくなった頃、村では神様に捧げる生贄となる人間の選別がおこなわれていました。そしてその生贄に妹が選ばれてしまったのです。兄は妹を助けるため、必死にお願いすることにしました。しかし、その願いも虚しく、妹は生贄として捧げられてしまいました。この出来事から兄は心を閉ざしてしまいました。妹を失った悲しみから、人に辛く当たり、自分を苦しめました。そして、妹を失う原因となった村人を憎み続けました。そして年月が経った頃、妹を失った悲しみから心が壊れてしまった兄が神様の生贄に選ばれました。村人達は兄を気味悪く思い、兄を生贄として捧げるため儀式を行いました。妹を失った悲しみから、人を寄せ付けないオーラを纏った兄は抵抗することもなく、村の者達に連れて行かれてしまいました。村人達は神様がいると思われる洞窟に放り込みました。洞窟の中は気味が悪く蜘蛛の巣が張り巡らされて、繭が所々にありました。兄の心にはもう生きる希望などありませんでした。妹を失った悲しみがこの胸の中から消えることはもうないのです。すると、洞窟から足音が聞こえてきました。誰だろうと思いながらも兄は動きません。すると、そこには死んだはずの妹がいました。妹は兄を手招きしました。それでも兄は首を横に振って動きません。すると洞窟の奥から、沢山の子供達が現れました。その子供達は皆、妹や兄と仲が良かった子供達でした。ここにいる子供は皆、神様の生贄としてこの洞窟に連れて込まれた子達でした。こんなに沢山の子供を生贄にしたのかと、兄は怒りと同時にこの子供を守らなればならないという慈愛の気持ちが生まれました。すると兄の目の前に神様が現れました。神様は蜘蛛の姿をして、大きな牙が口からはみ出ていました。その姿を見た兄は恐怖で動けませんでした。しかし神様は兄に対して優しく言いました。あの時、妹を助けたかった気持ち、妹を失った悲しみやここにいる子供達の怒りをもっと沢山の人にも味わわせてやりたいと思う強い思いがあるのなら、私の力を与えよう。その代わり、お前は二度と人間に戻れなくなると神様は言いました。兄はそれを受け入れました。兄の体は神様によって姿を変えられました。上半身は人でありながら、下半身は蜘蛛の体をしていました。兄は蜘蛛の姿になった時、目の前にいる子供達やここにいる神様、そして妹の悲しみを胸に刻み込みました。兄はこの姿になって、村を襲いました。村人達は恐れおののき、蜘蛛に睨まれると動けなくなりました。兄の怒りは収まることなく、村を破壊し、村人達を捕食しました。返り血を浴びて、恍惚とした表情を見せ、村人達が恐れをなして、ろくな抵抗も出来ずに食べられていきました。
    「貴様らに分かるか、この気持ち」
    妹は兄に抱きつきました。兄は妹の頭を撫でながら言いました。
    「僕達の怒りを、悲しみを、喜びを、人間達に知らしめよう」
    こうして兄妹は人間達に復讐する為に動き始めました。それが、吉と出るか凶と出るかは誰にもわかりません。ただ、これだけは言えます。兄妹の復讐劇が幕を開けるのです。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works