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    紫雨(shigure)

    @shigure_cbl

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    紫雨(shigure)

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    暁薛ワンドロワンライ、開催おめでとうございます!
    大大遅刻かつ、+20minですが参加させていただきます🙇🏻‍♂️
    現代AUで、神待ち家出少年薛洋!みたいにしたかったはずなのに…後半の唐突さでギャグみが強い😇
    後に鬼道の先輩と小悪魔系アイドルユニットとしてデビューするという裏設定があったり?

    #魔道祖師
    GrandmasterOfDemonicCultivation
    #現代AU
    modernAu
    #薛洋
    xueYang
    #暁星塵
    venussDust
    #暁薛
    pleasant

    暁薛ワンドロワンライ お題なし コンビニを出た薛洋は、雨が降っているのに気が付いて舌打ちをした。
     傘立てから適当な傘を拝借することにして、シンプルな持ち手の紺色の傘を手に取った瞬間、コンビニの自動ドアが開いて、声をかけられた。
    「君、それは私の傘ですよ」
     面倒だな、と思いながらも薛洋はとっさに笑顔を作って振り返った。
    「悪かったよ、お兄さん。俺の傘にそっくりだったから間違えたみたい。あーあ、俺の傘はどこに行ったんだか……。きっと、悪い奴に持っていかれちゃったんだな」
     薛洋は、大仰に肩をすくめつつ、声をかけた男に傘を返した。
     傘の主は、すらりとした高身長で、清潔感にあふれる身なりをしていた。優し気な雰囲気と凛とした空気が同居する、美しい男だ。
    「……あなたは、これからどちらに行かれるんですか?」
    「駅前まで。人と待ち合わせをしてるんだ」
    「それなら、一緒に行きますか? 私も駅に用事があって向かうところだったんです」
     薛洋は、怪訝そうに眉根を寄せる。
    「一緒に? 相合傘しようっていうの?」
    「ええと、そうなりますね…………。もちろん、嫌だったら断っても構わないんですけど」
     思いもよらない提案に、薛洋は相手の真意を測りかねていた。
     普通だったら、見も知らない男相手に相合傘をしようなんて提案する男はいないだろう。
     だが、相手は至極まじめそうだったし、裏がありそうにも見えない。裏があるならあるで、手玉に取る自信があった薛洋は、この状況が面白くなって男の提案に乗ることにした。
    「わかった、それじゃ入れてもらってもいいかな? 俺、この辺りに詳しくないんだ。お兄さんが駅まで連れて行ってくれると、すごく助かる」
    「いいですよ。では、どうぞ」
     男が傘を広げて薛洋の方に傾ける。
     薛洋は男のそばへ近寄ると、ぴたりとくっついて歩き始めた。

     薛洋は、ネット上で少しだけ人気がある、生放送動画の配信者だった。
     顔出しなしで、フリートークをしたり、リクエストに応えて歌ったりするような、カテゴリ雑談と呼ばれる他愛もない配信枠がメインで、洋洋という名前で活動している。
     娯楽もない田舎、誰もいない家の中で、小さな画面を通して見える世界はひどく刺激的だった。
     外の世界の刺激が強ければ強いほど、退屈な故郷がクソみたいに思えたし、親としての最低限の義務すら放棄しがちな家族からもいい加減離れたかったが、当然ながら先立つものがない。
     ――――そこで考えたのは、誰かに拾ってもらおうということだった。
     SNSで思わせぶりなことを呟いて、相談に乗る体で送られてきたDMの中から、高校を卒業してこっちに来るなら、しばらく面倒を見てくれる、という男の提案に乗っかる形で上京してきたのだ。もちろん、相手の下心は織り込み済みで、色々と対策は練って来ている。

    「待ち合わせの場所は、ここみたいだ」
     駅に着いた薛洋は、ようやく目的のものを見つけた。西口の広場にある、踊る男の銅像だ。
    「ああ、やっぱり。君が洋洋くんだったんだね」
     隣の男が、ほっとしたように言った。
    「あんたが、アカツキ……さん?」
     なんと驚いたことに、ここまで相合い傘で仲良く肩を並べて来たこの男が、待ち合わせの相手だったようだ。田舎から上京したばかりのいたいけな青少年(笑)を騙くらかすような悪い大人にも見えず、薛洋は毒気を抜かれた。
    「はい、本名を暁星塵と言います」
     暁星塵は、懐から小さな紙切れをとって、差し出した。
    『雲夢芸能プロダクション
     マネージャー 暁星塵』
    「芸能プロダクション?」
    「はい。これから売り出す予定のアイドルがいるんですが、君さえ良ければ彼とユニットを組んで、アイドルデビュー、してみませんか?」
    「俺が、アイドルだって……?」
    「君がいいと思ったんです。もちろん、私が最大限サポートしますから……どうか一緒に夢を、見てはくれませんか?」
     薛洋を見つめる瞳が、真摯な輝きを湛えている。
     暁星塵の左肩は、薛洋の方に傘を傾けていたせいでぐっしょりと濡れていた。
     ――――――別に、アイドルに夢を見ているわけではなかったが、しばらくこの男と一緒にいるのも面白いかもしれない。
     そう思った薛洋は、ひとまず話を聞くことにして、暁星塵の手を取ったのだった。
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    sgm

    DONEアニメ9話と10話の心の目で読んだ行間。
    現曦澄による当時の思い出話。
    諸々はアニメに合わせて。ややバレあり。
    [蓮の花咲く]にいれよ〜て思って結局入らなかったやつ
     藍曦臣と睦みあいながらも交わす言葉は、睦言ばかりではなかった。
     夕餉の後、蓮花塢ならば江澄の私室か、真冬以外は四阿で。雲深不知処ならば寒室で。酒と茶を飲みながら語り合う。対面で語り合うときもあれば、すっぽりと藍曦臣に後ろから抱きこまれている時もあるし、藍曦臣の膝を枕にして横たわりながらの時もあった。
     一見恋人として睦みあっているかのようでも、気が付けば仕事の話の延長線上にあるような、最近巷で噂になっている怪異について、天気による農作物の状況や、商人たちの動きなど領内の運営についての話をしていることも多い。
     六芸として嗜んではいるが、江澄は藍曦臣ほど詩や楽に卓越しているわけでもなく、また興味はないため、そちらの方面で会話をしようとしても、あまり続かないのだ。そちらの方面の場合はもっぱら聞き役に徹していた。ただ聞いているだけではなく、ちょうど良い塩梅で藍曦臣が意見を求めてきたり、同意を促してくるから、聞いていて飽きることはなかった。書を読まずとも知識が増えていくことはなかなか良いもので、生徒として藍曦臣の座学を受けているような気分になれた。姑蘇藍氏の座学は今でも藍啓仁が取り仕切って 5582