Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    NazekaedeG

    @NazekaedeG

    「汝の為したいように為すが良い」を合言葉に色々のんびりやってるアカウント。
    そっと見守って頂けると幸いです。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 18

    NazekaedeG

    ☆quiet follow

    マーティンとリュカの喧嘩イベント、こういう事を言いたかったのでは?と思ったのを思い出して途中まで書いたのですが、オチをどうしようというところで止まってしまったものです。

    リュカアリともマティアリとも言うにはちょっと足りない内容。

    #ルーンファクトリー5
    runeFactory5

    喧嘩するほどと人は言うけどもそれはよく晴れた日のことだった。
    犬猿の仲だと言われている二人が、道の往来でいがみ合っていた。
    「ふ、二人とも……!一体、どうしたんですか?」
    「……リュカが、オレを侮辱してきたんだ」
    「は?事実を言ったまでだろ」
    憮然とした態度のマーティンが、鋭くリュカを睨みつけている。彼らはよく喧嘩をしているが、これは……
    困ったようにリュカを見やると、リュカは嘲るように笑った。
    「マーティンは仕事に不真面目なんだ、てな」
    マーティンさんが、不真面目。対極にある言葉を並べることに、アリスは「?」マークを頭に浮かべた。
    「え?マーティンが不真面目だなんて、そんなこと」
    「そうだ。不真面目なのはお前の方だろう、」
    有朱の賛同を得られたマーティンが、勢い付いてリュカに食って掛かったが、それは動きを予測していたようでリュカはひらりと身をかわした。
    「まぁ聞けよ。確かに本気を出してないオレは、半人前だ。だが、お前はどうなんだ?」
    そこまで言い切ると、はっ、とリュカが鼻で笑う。そしてマーティンを咎めるように見下した。
    「朝から晩まで働き詰めなのに、未だにドグさんの弟子止まりのまま……オレと同じ半人前じゃないか」
    リュカの指摘に、アリスは驚きのあまり目を見開いた。暴論でとんでもない言い草だが、恐らく、それは。
    「それは、真面目にやってないから、一人前になれてないってことなんじゃないか?」
    「なんだと、貴様……!」
    リュカの言い分は随分と一方的な避難だ。確かにマーティンの言う通り、この通りなら侮辱と言われてもおかしくない。
    だが……
    「ちょっと待ってください!!!」
    彼女が大声を出すのは珍しい。突然の大声量に、二人はびくりと身体を硬直させた。アリスは静かに二人を見上げ、注目するように咳払いをした。
    アリスの態度と動作でヒートアップしていた二人が少しずつ大人くなったのを確認すると、アリスはリュカへ静かに注意した。
    「リュカさん……。それは、言葉が足りないと思います」
    「言葉が足りない、だと?」
    アリスから放たれた予想外の言動に、マーティンが不思議そうに呟いた。言葉が足りれば、この侮辱がなかった事になるなんて、とてもではないが思えない。だから納得出来ないような、そんなニュアンスを混ぜた表情で、マーティンはアリスを窺っている。
    (マーティンさんの意見には納得なのですが、それでも)
    それでも、これはすれ違いだ。なのでマーティンを納得させようと、アリスは言葉を続けた。
    「マーティンさん。リュカさんはこう言いたいんだと思います。
    『いつも根詰めすぎて、マーティンさんの本来持っているパフォーマンスを最大限に発揮出来てないんです。だから、本当だったらもっとしっかり仕事が出来るのに、半人前程度で仕事が終わってますよ』って」
    そう言われて、マーティンは少し前の出来事を思い出した。『休息も大事だ。今のマーティンは力が入りすぎている』と師匠に言われ、無理矢理に休息を取らされた時のことを。
    十分な休息を取らないと、良いパフォーマンスで仕事が出来ない。コンディションが良くないと、同じ仕事でも余計に時間がかかってしまうのだ。
    「前にセシル君達が心配してるのと同じで、リュカさんもマーティンさんの働き方を心配してるんですよ。……そうですよね?リュカさん」
    「ぇ、いや、オレは……」
    ごにょごにょと口籠るリュカを、アリスは見逃さずにじっと見つめる。その視線はどことなく圧があるような気がする。
    人に物を伝えるには、言い方が大事だ。そう、訴えるような。
    「そうです、よね?」
    にこりと顔は笑ってるが、目は違う。『違うと言ったら怒るぞ』と、瞳は雄弁に語っていた。
    しかし、ここで『そうだ』と言うのは恥ずかしい。
    だから最初はなんとか煙に巻こうとしてたが、瞳の色からそんなことしたらアリスが烈火のごとく怒る予感がしてぶるりと震えた。普段怒らない人間の怒りほど怖いものはないのだ。
    「ぁ、あぁ……、そうだよ、悪かったな」
    不貞腐れたような声色になってしまったが、認めざるを得ない。リュカは肩を竦める他無かった。
    「で、リュカさんは、寝不足で不真面目だからちゃんとした仕事は出来てない、と」
    「そこまで言うか?」
    「いや、事実だろう。実際、先程お前だって言ったではないか。」
    「うぐ……」
    先程からやり込められてしまって、どうにも口が回らない。うめき声が思わず漏れた。
    しかし、そうなると二人とも寝不足で本調子ではない、ということだ。それならば、その問題を解消した方が良いのではないか?アリスはそれに気付き、明るい声をあげた。
    「でしたら、良い解決法がありますよ!」
    名案を思いついたと、アリスが一拍、手を叩いた。そしてにこやかな顔を二人に向ける。邪気のない笑顔は裏がないからこそ、嫌な予感がする。
    「マーティンさんとリュカさんの二人で一緒に旅館に泊まって早く寝るんです!そうすればしっかり休息が取れますし、リュカさんは早くに寝付くことが出来ます!」
    どうだ、と言わんばかりのアリスの表情に二人が即座に突っ込んだ。
    「はぁ!?こいつと一緒に寝るなんてお断りだ!!」
    「なんでオレがこいつと一緒に寝なければならないんだ!!」
    「え、二人で寝るのは駄目なんですか?だったら、他に誰かいたら良いのでしょうか」
    きょとん、と本当に不思議そうにアリスは二人を見つめた。
    「いや、そういう問題じゃ……」
    リュカが呆れたようにため息を吐くが、マーティンは違った。
    「オレは、こいつと二人っきりは嫌だが、アリスと二人で寝るのなら、構わない」
    「はぁぁ!?!?」
    マーティンの口ぶりはまるで「リュカがいなければいい」と言っているようだが、アリスと……年頃の異性と二人で旅館に泊まるということは、その意味が分かっているのか!?
    そしてアリスもその意味を正しく理解出来てなさそうである。妙なところで記憶喪失のしわ寄せがきているようだ。
    (おいおい、マジかよ……)
    リュカは痛くなる頭を抱えたくなった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works