耳まで赤いのは暑さのせい日差しが刺すような暑さになってきた夏のとある昼下がり。アンダーネオトーキョーにあるケーキ屋「エクランドゥ」にて、店主のプラリネは困惑していた。
「(あの方…入ってこないのかしら……)」
エクランドゥの出入り口の前で、オロオロと行ったり来たりを繰り返す男性にプラリネは声をかけるべきか否かを悩んでいた。
普段接客をやってくれているチェリベリーとクレアの二人は、今お客さんがいないからお昼休憩に入ってもらい、二人は近くにできたカフェに行くと出かけてしまった。プラリネ一人で対応できなくもないが、もし、不審者や強盗といった場合でプラリネが勝てなかった場合二人の身が危なくなってしまう。
「(でももし、お客さんで、お店に入りにくいとしたら…?)」
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