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    さかばる

    恐るな。性癖を晒せ。

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    さかばる

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    しぶにあげた続きのヤツ ねぇ。我が子を喰らうサトゥルヌスって絵画見た事ある?
     同じタイトルの絵が二つありますがどちらですか。
     えーっと背景が黒で凄い表情した裸の老人が頭の無い子供食べているやつ。
     ゴヤの黒い絵シリーズですね。本物は見た事はありませんが、書物でなら見ました。確か作者が住んでいた一階の食堂にあったそうですよ。
     げ。それって趣味悪すぎない?食事が不味くならないの?
     私は絶対ごめんですね。他にも陰惨な絵が描いてあったそうです。彼は革命や侵攻で凄惨な場面を何度も見てきたそうですから絵にする事によって自らを癒したとも言われていますね。
     ふーん。この絵の老人って何者なの?
     ギリシャ・ローマ神話における時の神です。父を殺した自らも子に殺されると予言され、食べたそうですよ。結局ゼウスに殺されましたが。ゼウスは貴方も知っているでしょう。
     あー聞いたことある。ギリシャ神話の最高神でしょ?強いじゃん。何で強くなる子を食べるんだろ。味方にして育てればいいのに。
     貴方はそうでしょうね。ただ、ゴヤの絵のサトゥルヌスは怯えと狂気。そしてこれは私的見解ですが、嫉妬があったのかもしれません。
     嫉妬?
     いずれ自らを殺す我が子の強さ、その子が手に入れる権力、輝かしい未来。そういったものを羨み、恐怖し、やがて狂気となったのかもしれません。
     嫉妬と狂気か……。いずれにせよ、自分の子供を食べるなんて馬鹿のする事だよ。
     
     ——本当に馬鹿な事だよ。
     
    [#改ページ]
     東京郊外に建つまるでミステリー小説に定番で出てくるような洋館めいた豪邸。五条がその家を訪れたのは残暑が厳しい夏の終わりだった。何処かでその命を絞り出すように蝉が鳴いている。朝晩は涼しくなって過ごしやすくなってきたくせに昼間はじっとりとした暑さが残っている。いくら通気性がいい生地にしているとはいえ、長袖の黒尽くめは暑い。おまけに顔に包帯までしているから蒸れる。裸眼でいるよりはマシなので包帯を巻いたままにしているが。
     気をつけていないと体調を崩しかねない。体が資本なんだからと生徒たちにも注意したのは一昨日の事だったか。そんなことをつらつらと考えながら任務の内容を五条は思い出していた。
     呪霊の沸き出る人間がいる。
     二ヶ月前から突然家の人間から呪霊が沸き出るという報告があった。報告した家主は呪霊は見えない非術師だが、沸き出た呪霊の影響かなにかで見えたそうだ。すぐ様呪術師を派遣して呪霊を祓うが、その一週間後、再び呪霊が沸き出る。こちらも再び呪術師を派遣。今度は祓った後に封印措置をしてみるがそれも破られる。その後結界や封印をしてみるが、全て無駄となり計四人の呪術師が尽力を尽くしたが成果は得られなかった。
     そうして、どうにもならぬと判断され話が五条に回ってきた。しかし、特級呪術師である五条が出る程のものなのか。疑問があるが答えは簡単。五条家経由の依頼だからだ。
     報告をした家は五条家と古くから付き合いがある家だ。呪術師の家系ではないが元々は華族で周りが落ちぶれる中、子供の一人が独立して商売を始めそれが成功を収めて今に到るらしい。正直な話、五条は全く興味が無くあまりよくは知らない。いつもなら僕が出るほどじゃないでしょ。もう少し頑張ってきてとすげなく断るのだが、今回は受けた。
     呪霊が沸き出るのがまだ十四歳の子供だったからだ。
     自分から沸き出る呪霊が周りを傷付けるのを恐れて部屋に引きこもっているらしい。
     
     ——やっぱり若人の青春を奪うのは良くないよねぇ。
     
     理由はただそれだけだ。だが五条に十分な理由だった。
     取り敢えずは本人に会ってみないといけない。任務と暑さから逃れる為、長身を屈めて目の前の家のチャイムを鳴らした。
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    さかばる

    DONEこちらもリクエストを強奪したお話です。
    雪山で裸で抱き合うってこれで合ってます!?ついでに七五っぽくないですね?これ。いや、七五は少年の頃は線が細く繊細そうな(中身は違う)七海が大人になって溢れる大人の色気を醸し出す男になるのが趣だから・・・・・・。
    ホワイトブレス 五条が任務に向かったのは冬の、雪が降り積もる村だった。
     村で何人もの死体が出ているという報告。そして人間でないモノ、恐らくは呪霊の目撃情報が寄せられた。その呪霊の祓除に担任の夜蛾から五条は指名されたのだった。隣には一つ下の後輩、七海がいる。この任務、五条が指名されたというより、七海のサポート役ということで振られたのだろう。夜蛾にはなるべく七海の自由にさせるよう予め言い含められている。五条はその事に不満は無かった。七海は良い術式を持っているし戦闘センスもあるので鍛えたら強くなりそうだった。ここは先輩として見守ってやろうという気持ちである。ただ、
    「さっみぃ〜〜!」
     真冬の夜で今も雪が降り続くこの現状が問題だった。補助監督の運転する車を降りて高専の制服の上に防寒着にマフラーを身につけたが寒いものは寒い。放っておくとサングラスの奥のまつ毛が凍りそうな気がする。
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