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    はるもん🌸

    @bldaisukiya1

    BL小説だけを書く成人です。

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    はるもん🌸

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    幸せな日々が続いている今。藍忘機はゆったりと流れる時間の中で幸せをかみしめていた。長く焦がれていた相手が手元にいる。それも気持ちよさそうに。これ以上の幸せはなかった――――――。

    #忘羨
    WangXian

    幸福「藍湛、今日はえらくご機嫌だな」

    あたりはすっかり暗い。しかし眠るにはまだ早い時間帯だ。

    藍忘機はサラサラと彼の髪を手ですいていた。魏無羨は寝台に座る藍忘機の胸に頬をあて、目を閉じて夫の好きなようにさせている。
    顔をあげてみると、珍しく口元を弧にする藍忘機がいた。これは相当、何かいいことがあったのではと魏無羨は声をかけた。藍忘機は首をかしげる。

    「機嫌が良いように、見えるか?」
    「ああ。今夜は特に。今すごく気分が良いんだろう?」
    「そう見えるなら、そうなのだろう」
    確かに気分は良かったのだ。
    「もう昔のように」
    「昔のように?」
    「昔のように、君の顔を思い出して眠らずに済む」
    きゅ、と魏無羨は口を引き結ぶ。そしてめったに恥ずかしがらない彼の顔が赤くなった。
    「ら、藍湛、だから…口説く時は前置きしてくれって言っただろ」
    「うん。口説いていいか?」
    「はい、どーぞ」

    首を伸ばして藍忘機の唇に自らのソレを充て、ワザと音が鳴るようにチュッと口づけた。
    藍忘機は優しく魏無羨に微笑みかけ、言った。

    「あなたを愛している」

    これは相当機嫌が良い時の藍忘機だゾ、と魏無羨は嬉しくなった。

    「俺の顔、好きなだけ見て」
    「うん」

    藍忘機は彼の目元に口をつけ、この上無い幸福で胸が一杯になった。



    fin.
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    TRAINING2022-06-26/空閑汐♂デイリー、今日は前後編。収まらなかったとも言える。事情聴取編もとい後編はこれから書きます!笑
    空閑汐♂デイリー800字チャレンジ:26.1 受験シーズンもそろそろといった三年の秋、放課後になっても教室から出ていく生徒は少なかった。そしてそれ故にその暴挙のような男の言葉を耳にした生徒というのもまた、少なくなかったのだ。
    「ヴィンツェンツ・シエン・フェルマー! 俺と浮気してくれ!」
    「わかった!」
     勢いよく教室の引き戸が開かれたと思えば、フェルマーの名を一字一句違わず口にする頬を腫らした男が自慢の腹筋をフルに利用したような伸びのある大声でとんでもない事を叫ぶ。そしてその相手であるフェルマーもまた、神が自画自賛する程の美貌に笑みを湛えて頷いて。そんな唐突に繰り広げられた謎の寸劇とも思える会話に、教室はどよめいていた。
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