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    はるもん🌸

    @bldaisukiya1

    BL小説だけを書く成人です。

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    はるもん🌸

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    幸せな日々が続いている今。藍忘機はゆったりと流れる時間の中で幸せをかみしめていた。長く焦がれていた相手が手元にいる。それも気持ちよさそうに。これ以上の幸せはなかった――――――。

    #忘羨
    WangXian

    幸福「藍湛、今日はえらくご機嫌だな」

    あたりはすっかり暗い。しかし眠るにはまだ早い時間帯だ。

    藍忘機はサラサラと彼の髪を手ですいていた。魏無羨は寝台に座る藍忘機の胸に頬をあて、目を閉じて夫の好きなようにさせている。
    顔をあげてみると、珍しく口元を弧にする藍忘機がいた。これは相当、何かいいことがあったのではと魏無羨は声をかけた。藍忘機は首をかしげる。

    「機嫌が良いように、見えるか?」
    「ああ。今夜は特に。今すごく気分が良いんだろう?」
    「そう見えるなら、そうなのだろう」
    確かに気分は良かったのだ。
    「もう昔のように」
    「昔のように?」
    「昔のように、君の顔を思い出して眠らずに済む」
    きゅ、と魏無羨は口を引き結ぶ。そしてめったに恥ずかしがらない彼の顔が赤くなった。
    「ら、藍湛、だから…口説く時は前置きしてくれって言っただろ」
    「うん。口説いていいか?」
    「はい、どーぞ」

    首を伸ばして藍忘機の唇に自らのソレを充て、ワザと音が鳴るようにチュッと口づけた。
    藍忘機は優しく魏無羨に微笑みかけ、言った。

    「あなたを愛している」

    これは相当機嫌が良い時の藍忘機だゾ、と魏無羨は嬉しくなった。

    「俺の顔、好きなだけ見て」
    「うん」

    藍忘機は彼の目元に口をつけ、この上無い幸福で胸が一杯になった。



    fin.
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    『──阿羨、玉蘭のことを東贏では木蓮というらしいの。』




    そう教えてくれた師姐を思い出す。
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    「蘭」陵と「蓮」花塢の二つの違う花の名を持つ木がある。まるで両家を繋ぐように感じたのだろうか。普段なら気にならない些細なことに、何やら運命のような縁を感じて嬉しく思ったのだろう。
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    「木に咲く蓮とは何だか妙だけど、雲深不知処で蓮を見られるとは思ってなかった 1893