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    ここのか

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    ここのか

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    殺し屋さんパロ了遊

    ※という名目だが言うほどパロってない
    ※原作とちがってギャグじゃない、ほのぼの(?)メモ

     藤木遊作は殺し屋である。
     専門学校を卒業したばかりの新人ではあるが、プロである。実績は少なく今まで雇われたのは二人だけだが、それでも学校トップの成績は伊達ではない。見合う報酬さえ支払うというのなら難しい案件だろうとこなしてみせる自信はある。
     しかし、この二人目の依頼人というのがまあまあ厄介であり、遊作は彼と出会ってからというものほぼその依頼に振り回されている。


     今日も遊作は、通いなれた依頼人の元へ顔を出していた。別に依頼なんてメールでも電話でもなんでもいいのだが、依頼人の希望で直接訪問なのである。
     私室のドアをノックして、返事を待たずにさっさと入る。
    「おはよう、先生」
     デスクでPCに向かっている依頼人に声をかけるが、彼はちらりと不満げな顔で遊作を見やると画面へ目線を戻した。
    「先生?」
    「──私は、声のかけ方の希望を伝えたはずだが?」
     遊作もまた似たような顔になりつつ、依頼人に声をかけなおした。
    「……おはよう、了見」
    「おはよう遊作」
     いやいやながら名前で呼べば、満足したよう依頼人──作家、鴻上了見は口の端を上げた。
    「呼び方などなんでもいいだろう」
    「なんでもいいなら最初から名前で呼べ。それとも正式に依頼した方がいいか?」
    「俺は殺し以外の依頼は受けない」
    「分かっている」
     頷いて、了見は一枚の紙を差し出した。
    「今日の標的だ」
     遊作は受け取り、ざっと目を通す。
     殺しの手段に希望があるものは詳細があり、ないものについては一任するとなっている。指示は非常に的確で分かりやすい。
    「──なあ了見」
    「なんだ」
    「いつも思うが、これだけでいいのか?」
    「対価に見合う件数だと思うが」
     了見は首を傾げる。
    「一流の殺し屋殿には物足りないか」
    「俺は駆け出しだが」
    「謙遜しなくていい。きみの仕事は完璧だ。そしてどんな内容だろうと安心して任せられるという点を加味しての金額だ。何より、私が納得して提示しているのだからきみは不平がないなら黙って受け取るべきだな」
    「……分かった」
     遊作は諦めて頷きながら、殺害リストの標的をもう一度眺める。

     ・水回りの汚れを殺す
     ・空腹を殺す
     ・冷蔵庫およびパントリーの隙間を殺す
     ・新しく作ったプログラムのバグを殺す

     ──形容はともかく、端的に言えば依頼内容は「清掃」「料理」「買い出し」「デバッグ作業」だ。
     藤木遊作は殺し屋である。
     専門学校を卒業したばかりの新人であり実績は少ないながら、学校をトップで卒業しているだけの実力はある。どんな無茶な依頼でも的確にこなせるよう多岐にわたる技術を身に着けており、当然今回のような依頼内容なら簡単に完璧にこなせる。
     とはいえ。
    「なあ──前から思っているんだが、おまえ殺し屋を少し勘違いしてないか?」
    「何を言っている。なんでも殺してみせると最初に私に豪語したのはきみだろう」
    「それはそうなんだが」
    「それとも依頼を反故にするか?」
    「できないとは言ってない」
    「なら問題ないな」
     了見は眉を寄せる遊作に取り合わない。
    「ああそうだ、もう一件」
    「なんだ?」
    「依頼がすべて終わった後も時間が余るようなら私の暇も殺してくれないか。今日の夕方、まとまった時間が空く」
     新しいカードゲームを買ったんだ、とにっこり笑う。
    「……了解」
     きちんと依頼をされ、報酬を支払われるのならそれ以上言うことはない。
     いろいろ腑に落ちないながらも根はまじめなものだから、結局今日も遊作は了見のそばでせっせと殺しに励むのだった。



    ---
    ※無駄に設定

    藤木遊作
    新人殺し屋さん。黒スーツに白シャツが制服(?)なので、掃除も料理も買い出しもストーカー撃退も全部黒スーツにエプロンとかでこなしてくれる。
    専門学校卒業後、最初の依頼で了見を殺しに来た。でも昔助けてくれた恩人だったこと、依頼人が嘘をついていたことが分かり寝返った。契約違反の依頼人は了見の希望で社会的に抹殺された。
    恩人だからと優先的に了見の依頼を受けているが、絶え間なく依頼されるからもう専属みたいになってる。
    あとなんか思っていたのと違う依頼ばかりされている。


    鴻上了見
    売れっ子作家。その顔の良さからくる恋愛のもつれで殺し屋を差し向けられたりした。その時雇われてた殺し屋さんが遊作。
    なお過去にも何度かにたようなことがあったため、現在、外との対応の大半はマネージャ役のスペクターに頼んでいる。
    遊作は恩人と認識しているが了見は覚えていない。が、まあそれはそれとして一目ぼれしたので何やかや理由をつけて遊作をつなぎとめようと大金で雇ったり変な依頼したりしている。おかげで毎日楽しい。
    裏ではとある目的のため、リボルバーの名で知る人ぞ知るホワイトハッカーをやってる。こちらも有名。

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