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    shiraseee

    @shiraseee_0108_

    気ままに更新しています。
    サイレント更新&修正は常習。
    凪茨ばかりですが、たまに他CPなども。

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    shiraseee

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    凪茨
    茨フィチャ祈願として書いてみた、茨を待ち焦がれる凪砂のおはなし。
    本当に祈願してる…!?来て欲しい気持ちは込めたつもりです…
    七種くん10連で10人きて。

    ##凪茨

    Come on Mellow────────


    「…茨、おいで」

    言葉では招いているのに、手は差し出され自ら取るように促される。迷うことはない、主人がそうするようにと示すのなら従うのが下僕だ。
    しかし、今は躊躇ってしまった。閣下の声音が、普段よりも少々低く聞こえたから。

    (これは、間違いなく怒ってる…)

    見れば分かる、と言うよりは聞いた方が分かりやすい。だから顔や態度にあまり出さないかわりに、声に感情を含ませることで否応無くこちらを従わせようとしてくるのは困ったものだが。
    まあそれが効果は覿面、怒りを出されると身が竦む思いをさせられる。そんな自分の心中などお構い無しに、閣下の言動に反応を見せない自分に対して、とうとう不機嫌に顰められてしまった。

    「…聞こえてないわけじゃないよね?私は来て、と言っているのだけど。ねぇ、茨?」
    「───っあ、アイ・アイ!申し訳ございません、閣下の迫力に圧倒されてしまいました!いやぁ、世を統べるに相応しい貫禄!流石でありま…」
    「……来るのが遅い」
    「…………えっと、あ〜…。すみません…」

    張り詰めた空気にいつものようには舌が上手く回らなかった。畏まった敬礼の姿勢を解いて、再度ずいっと差し出された手を渋々取ると、強く握られた。軽く引かれ、一歩閣下に寄る。
    つい逸らしてしまった目線が、顎を掴まれ正面に直される。そのまま、今度は閣下から一歩近付いてきた。顔が近いです、と言うと次は拗ねてしまいそうだから、じっと閣下を見上げて待つ。

    「……茨に来て欲しくて、ずっと待ってたよ」

    ふっと綻んだ表情に目を奪われてしまった。その隙に唇が重ねられる。謝罪の言葉も賞賛も、今は通じない。
    だから素直に、この人に身を委ねるしかないのだ。

    「はい───お待たせしました、閣下」


    ─────────
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    Replies from the creator

    shiraseee

    DONE凪砂くんが眠る茨を見つめて、かわいいなぁ、好きだなぁ、と思うおはなし。同棲している凪茨。
    茨は眠ってるだけになってしまいました。

    新年書き始めとなりました。とんでもなくふわふわとした内容ですけども…こういう凪茨が好きなので、今年もこんな感じのを書いていきます。
    暇つぶしにでもなりますと幸いです。
    拙作ばかりですが、たくさん書いていきたい!どうぞ今年もよろしくお願いします。
    しあわせの風景────────

    薄ら開いては閉じを繰り返す瞼に、注ぐあたたかな陽射し。まだ少し重たいけれど、微睡みから目覚めていく意識が次に捉えた柔らかな匂いに幸福感すら覚え、覚醒していく。
    日向より私に近しい匂いは、すぐそこにある。
    すん、と小さく鼻を鳴らして吸いこんだ。再び眠りに誘われてしまいそうになる安堵感と、心地良さ。この匂いにほだされ、自然と求めてしまう。
    随分そばにあったぬくもりも抱き締め漸く開いた私の視界は、見慣れた暗紅色が埋め尽くしている。
    「……茨…」
    「……………」
    「……?」
    ───珍しい。ぴくりとも反応がない。
    普段なら名前を呼べば起き上がるとまではいかずとも、私の声を聞けば、ふと長いまつ毛を持ち上げ茨の美しい青に私を映してくれることが常だった。その時の、茨の世界にまず私が在れるひとときに期待して暫く様子を見ていても、瞼は開くどころか、かたく閉ざされたまま。どうやら茨は、無防備にも私の腕の中で熟睡している。
    2000