お題『ベッド』「サイズはキングサイズにしよう!」
はしゃいだ声で振り返り、提案をする高杉に長可は苦虫を噛み潰したような顔で沈黙を貫く。
反対意見はあれど今の自分にそれを口にする資格はなかった。
何故なら、高杉宅のベッドを壊したのは他ならぬ長可であり、原因はちょっと、ほんの少し、少々激しい営みをしてしまった、と言う世にも恥ずかしい事情であったためである。
勿論詫びとして新しいベッドを買う、と長可は伝えたが「自宅のベッドなのだから自分で買う」と固辞したのは高杉で、条件として買い物に付き合え、と言われたのが今朝のこと。
そもそもワイドシングルなので成人男性ふたり、しかも片方は194cmを超えるともなればいつかは壊れるのは自明の理だったと言える。