金蒼はそして伝説に 嘗て伝説と言われた黒龍と言うロックバンドグループがいた。四人組のグループでありギターにベースとドラムスにそしてボーカルと言うバンドに世の中は熱狂し、一斉を風靡するロックバンド時代がやって来た。彼等はその低迷していたロックに瞬く間に火を付けブームをまきこ起こす。
彼等を中心に起きた騒然としたブームは、多くの若者が彼等を目指し、沢山の若者がロックバンドの道へと行き一部スターへとなる者もいた。だが彼等を追い抜く功績を叩き出す者はおらず、彼等は曲を出せば全てがミリオンや中にはダブルミリオン行く物もあった。
そんな彼等の歌は世間では数々の功績を叩き出し、テレビでは見ない日は無く当時一番忙しいと言われたアーティストだろう。それに今でも語り継がれ曲を使われる事も多いのだ。そんな彼等は数年経ち解散を告げる。曰く自分達は充分音楽をやったから後輩を育成する、と芸能界の裏方に周り殆ど出てこなくなったのだ。
そんな彼等は伝説と呼ばれ、今では多くの者にその曲を聞かれ、アイドルとして黒龍は残っている。
その黒龍のリーダー佐野真一郎にはある噂があった。
真一郎は自分の理想の音楽才能を持つ者を探している、そしてその者には未だ出会えていないと噂で言われていた。彼は理想の相手を密かに探していると。真一郎が育てた相手は皆ヒットするが、認めた事は一度も無い。もし彼の認める、彼の満足する才が出た時にもしかしたら表舞台に復帰するだろうと、業界では言われていた。
そんな噂が経つ中で、彼は唯一を見つける事になる。自分の理想を超える才能で、彼を満足できる人物が目の前に現れた。
そんな彼等が純粋に音楽を追い求め、お互いに高め合いスターになる迄の話し。
ペンを走らせる音が部屋に響く。窓から入ってきた光が逆光し、真一郎の顔に影を作る。ふと、集中の海から意識が浮上して、真一郎は時間を見ると作業を始めた時寄り五時間も経過していた。それに驚き肩に凝りを感じ片腕を回すと、背伸びをして休憩する事にした。
「少し休むか」
黒龍事務所のビルから出て暫く道を歩く。
サラリーマンが忙しなく歩くビル街を抜けると、主婦と地元民が行き交う商店街に出る。八百屋呼び込みを聞き流し通り過ぎ、ふと立ち止まるコロッケ屋で小腹が空いていたのに気づき、コロッケを三個買うと腕に袋を下げ手はポケットに入れ食べながら歩き出す。道を進めると、川辺まで来ていたようで土手に降り風を楽しんでいると、ふと小さな歌が聞こえてきた。
ギターの音と共に口吟む歌は真一郎の耳を擽り、とても気になり引き寄せられるように歩き出すと軽快に響くギターの音に弾む楽しげな声色に真一郎は聞き惚れていた。
風が撫でる空間に、軽やかな音楽が響き力強い音が響き歌う音に衝撃を受ける。胸を掴むようか彼の歌は心に解けるように響き、まるで雛鳥を温める親鳥のように胸を温められる。其れとは別に心底湧き上がる力強いエネルギーに此奴は本物だと真一郎は感じた。その彼の後ろ姿を眺め聞いていると、気になり彼の傍に行ってみる事にした。
彼の顔が見える位置に気付かれないように移動して、そんな彼の聖母のような微笑みに一番驚いたのは透き通るような青い蒼眼、口吟むギターを引く彼が心底音楽を楽しむ顔に、真一郎は勇気を出し声をかける。ギターケースの背に花垣武道と名前が書かれており、真一郎は名前を口の中で転がすと甘い飴のように口に微わりと広がり笑顔を浮かべ話しかける。
「こんにちは良い歌だな」
勢い良く振り向いた青年が、驚きに染まる表情で真一郎を見た後に顔を青く染めて真一郎を見つめる青年に落ち着かせようと、笑みを浮かべ優し声色で問う。
青年が目を見張り困り顔で見ると、真一郎はどうしようかと思いながら青年の蒼眼を見つめ笑う。
「な、何ですか?俺に何か用ですか?」
青年の警戒に真一郎は優しげな、だが企むような笑みを浮かべさてこの青年をどうやってこの世界に引き込むかと模索しながら、青年を落とす事を考える。
「とても良い歌とギターで聞き惚れたよ。何処かで習ってたのか?」
青年は瞬き一つすると、嬉しげに微笑み真一郎を見つめお礼を言った。真一郎はそれに安心しながら、青年からの質問の答えを待つ。彼の才能を世に出したい、真一郎の理想を詰め込んだ彼の才能をと思考の海に浸っていると
「習って無いです。自分で色々調べて……」
青年の言葉に驚きに目を見開いた真一郎は、才能の原石がこんな所に存在したと驚きに満ち、やっと出会えた真一郎が自ら磨くと決めた原石を逃がさないように名刺を渡しす。私用の電話番号を書き加えながら。
「俺こういう者何だが君をスカウトしたい」
青年は目を開くと顔を真っ赤にした後青ざめ、忙しなく顔色を変えると両手を前に振り真一郎の瞳を見つめる目は少しの期待が目に染る。そのコロコロ変わる表情に、ああ欲しいなと渇望する心を真一郎は確かに感じた。
「いやいやいや無理です!!無理です!!」
頭が取れそうな程横に振る青年に真一郎は片腕を握ると、力強い真剣な瞳で見つめる。この青年を逃がせば次は絶対に出てこない、そう行った確信が真一郎には会った。絶対にこの手を手放さないぞと思いながら武道に告げる。この手を離すものか。
「君には光る物を感じる。俺に君をスターにしたい!!!」
真一郎の叫びに似た願いを武道へとぶつける。真剣な瞳に不安げな瞳が見え隠れする。彼が欲しい、心が叫び出す。
この人の必死に訴える瞳が期待と、救いにも似た様な物が混じり武道はその瞳を見て助けてあげたいと湧き上がる気持ちに頷いていた。
「わ、わかりました!顔上げて下さい!!」
その武道の言葉に真一郎は顔を上げると、武道へと心底嬉しそうに笑う。それは心から嬉しいと訴えるような笑みだった。彼の笑顔に武道の胸がドクンと不整脈を打つ。
「本当か!なら明日予定あるか?」
「無かったと思います……」
「なら明日の十時にこの事務所に来てくれ!」
そう言って真一郎は来た道を戻るのに、武道は貰った名刺を眺めると嵐のような時間にどっと疲れが出たのが分かった。名刺には事務所名と名前と役職が書いてありそれを無意識に読み上げると武道の顔が驚きに染まる。
「株式会社黒龍……代表取締役佐野真一郎…………ってこの人元伝説のバンドの人じゃん」
その驚いた武道の声は河原に響き渡り、更に疲れた武道は軽率に返事したのに後悔をすると家に帰ろうとギターケースを閉じてその場を後にした。今日は色々ありすぎる一日だった。主にスカウトが。
後日武道は事務所の前に立っていた。渋谷のビル街にあるド真ん中にある一番大きなビルに驚きを隠せずに、俺この中に入るの!?と思いながら名刺を見つめ青ざめ立ち尽くしている事三十分。警備員がチラチラとこっちを見ているのにもいたたまれなくなり帰ろうとした頃、ドアから誰かが出てきたと共に真っ直ぐ此方に向かって来たのに、武道は通報されたのかと身構える。
白髪の男性が前に立ち上から下迄確認すると、何事も無かったように一言告げた。武道は等々自分の奇行に警察に突き出されるのかと震えながら短い現代の便利な余生に別れを告げていると、男性が口を開いた。
「お前が花垣武道?」
白髪の男性が武道に聞いてきたのに固まり、首をブンブンと縦に振ると男性は首をクイっと前に勢い良く振るのに、白髪の青年は武道の可愛い姿にクスクスと笑いながら案内をする。
「案内するから来て」
ビルの中に入りエレベーターに乗り込むと、グングン景色が変わり表示の回数が上がるのに緊張が高めると、ふと何故真一郎が自分をスカウトしたのに気になる。だが考える前に階に着いてしまい思考を端に押し遣った。
扉の前に立ち白髪の男性元い若狭がノックをすると扉を開ける。中に入ると真一郎が重厚な机に座り笑みを浮かべている。武道は真一郎を見ると少し緩んだ緊張に笑みを浮かべると、また固い表情に戻り真一郎を見つめる蒼眼は不安そうに揺れる。
「昨日の事だが本当に良いか?」
真一郎の覚悟を決めた真剣な瞳に混じる不安げな瞳を浮かべる。武道に拒否されたら発狂する自信がある程にこの短時間で彼を気に入っていた。必ず彼が欲しい。
武道は笑みを浮かべ新しい世界に飛び込むのに何故か恐怖が無いのはこの寂しい男の願いを叶えたいからかと思い自然に口に出していた。
「やりますよ。貴方が誘ったんでしょう」
武道の一言に真一郎は契約書を取り出すとサインを促し、武道はそれにサインを書いていく。最後の一枚が書き終わると手を離し真一郎が回収した。
「諸々はこれで終わりだ。これでお前はこの事務所の所属だ。宜しくな武道」
真一郎の楽しげなだがこれからどう伸びるか試すような笑顔に、武道は笑顔で答える。その顔は真一郎を試すように見ている。
「はい宜しくお願いします」
お互いの視線が混じる。二人が見つめ合うその楽しげなこれから先の未来に思いを馳せながらお互いが楽しそうに声を出して笑った。
その日黒龍のリベッターアカウントに一つの報せが届いた。色々なアーティストの宣伝が続く中で一つの毛色の違う通知が来た。黒龍のアカウントをフォローしてるファン達は、その一つのお知らせに界隈がザワついた。
『黒龍事務所からアーティストが2人金蒼がデビューします。追って情報を出すのでお楽しみ下さい』
そのリベッターの告知に、今迄はデビューする際にお知らせ等来た事無く、既にデビューしてる歌手が曲を発売やテレビに出る際の告知等に使われていたのに、アーティストのデビュー通知が来たのは初である。そんな凄いアーティストが来るのかと期待と驚きに満ちる中で、考察が重ねられる。そして一つの動画が公開された。
その動画は一人の青年がギターを弾きながら歌う曲は力強く、包み込むような温かさに力が湧き上がるような歌声が響き渡る。力強い歌の外から別のギター音も聞こえてくる。その音も周りに溶け込むように心地よい音に黒龍事務所ファンは絶対に売れると確信があった。その凄い歌手のデビューに、界隈は祭り騒ぎになっていた。
そしてそれを聞いていたのは一般ファンだけでは無かった、事務所に所属している大物芸能人達の間にも騒ぎになっていた。
トップアイドルで国民的人気を誇る東京卍會
、人気も知名度もあり古参であるアイドル黒龍、ロックバンドを再び人気ジャンルに取り戻した天竺、トップアーティストの彼等がこの青年に付いて沢山語っていた。リベッターで、雑誌で、ラジオで、ファン達にも知られていき期待に溢れる中で彼等は一つ言ってない事があった。
もう一つのギター音は佐野真一郎が弾いている事を彼等は言っていない。真一郎が再び戻って来ると共に、あの光のような青年は誰だと必死に彼等は探していた。心地の良い歌を唄う蒼眼である包み込むような光の青年は、彼等がこの業界で感じた痛みを和らげ欲しいとさえ思い自分のユニットに入れようと模索していた。
だから見つからない為に自分達の事務所のトップの真一郎へと直談判に行った。彼は絶対何かを知っていると確信しながら。
イザナは目の前に座る真一郎へと憤慨の表情で机を叩いた。真一郎が無感情にイザナを見つめる。その瞳は怒りに満ち、だがその中にはドロリとした独占欲と武道への執着が目に満ち溢れていた。真一郎の瞳にイザナはきづきながら、自分の中にある武道を見つけたい欲望を告げる。後ろには天竺のメンバーや十代目黒龍のメンバーもいた。
「真一郎アイツはどこにいるんだよ!!教えろ!!!」
イザナの叫び声が部屋中に響き渡る。真一郎はその声にも無言を通し、書類に手を付けるがイザナが書類を取り上げ真一郎へと怒号を飛ばす。
「アイツを出せ真一郎!!!どうせお前が隠してんだろ!!!」
真一郎はイザナの言葉にも表情を変えること無く一言告げる。その瞳には憤慨に染まり、だがその中には闇のような執着が募る。アイツは絶対に渡さないと欲望が渦巻いていた。
「仕事だろ」
「話を逸らすな!!!」
真一郎は話す気は無いと言うようにイザナの瞳を見つめながら一言継げる。その瞳は闇に澱み深淵を覗いたようだった。真一郎の内心が分からないと、イザナは思憂。そして少し湧く恐怖を見ないふりした。
「アイツは俺の物だお前達には渡さない」
真一郎異様な執着に、周りは口篭り畏怖を抱くと真一郎を一目見た後、狂気に染まる真一郎の瞳に初めて恐怖を抱き部屋を後にした。
真一郎は武道を世間を出した事に後悔はしていない。だが、彼奴は俺の物だから隠しておきたいと黒い気持ちも湧き上がる。だがあの才能を世間に出さないのは自分が許さない、だが世間は勘違いするな彼奴は俺の物だと思考すると仕事の作業に没頭した。、
真一郎は自分のプライベートスタジオに来ていた。真一郎の仲間も誰も知らない、真一郎しか知らないそこは真一郎が音楽をやりたい時の聖域だった。誰にも知られず音楽をやりたい時に此処に籠っていた。その聖域に初めて武道を入れて芸能界で一番人気のボイストレーナーを付けて練習させている。武道の為なら何でも出来る、彼奴の為なら何を犠牲にしても良いだから真一郎は隣に立つ決意をしたのだ。
スタジオの扉を開けてギターを弾き練習する武道を見つめ声を掛ける。とても愛しいと思い彼の全てが輝いている、大好きだと叫びたくなる衝動を抑える。
「よ!頑張ってるな武道」
「真一郎君!!」
武道が嬉しそうに顔を上げ真一郎を見つめる。飼い主を見つけた飼い犬のように真一郎の元へと走る武道に、真一郎は頭を撫でる。真一郎の世界の蜂蜜を全て煮込んだような瞳で武道を見つめ、武道はされるがまま頭を撫でられていた。真一郎を見上げる瞳はキス待ちのようにも見えるが、キスしたいのをグッと我慢しながら武道の髪を梳き抱きしめる。
「何を弾いてたんだ武道?」
「えーと新しく発表するやつです!!」
「あー武道の作った曲だな。あれ大好きだぜ」
真一郎の言葉に武道は嬉しげに笑い、その姿にコーギー犬を思い浮かべまた愛しさが湧いて頭を撫でた。可愛い此奴を撫で回したくなる。
「なら一緒に練習するか!」
真一郎は武道と並ぶとギターを弾き始める、武道も隣に並び共に奏でるギターのメロディに心地よい感情と独占欲を感じた。
武道をデビューさせる日は二週間後の音楽番組の日である。その日武道は世の中に解き放たれる。真一郎と共に。真一郎はその日が楽しみであり少し寂しくもあった。
ある音楽番組は注目を浴びていた。
SNSで話題になった黒龍からデビューしたアーティストの初披露であり、伝説的なヒットに成るだろうとSNSて語り継がれる程の噂になった、彼のデビュー番組である。だから世間は噂に噂が広がり音楽番組を見る者が多かった。
そしてその中にある噂が広がっていた。そのアーティストがデビューすると告知来た時から、佐野真一郎のリベッターアカウントが動き出した事に世間は驚きに満ちていた。何年も動いて無かった彼のリベッターは武道がデビューする告知だけを拾い、一言『楽しみだな』や『見てくれよな』等色々告知をしていた。だから真一郎がもしかしたら出るんじゃないかと噂され、真一郎がもし出た場合に見たいと初代黒龍ファンはテレビの前に齧り付いていた。
そしてテレビ放送が始まる。
真一郎は楽屋にいる武道が緊張しているようで髪を撫でるが、今は何言っても裏目に出そうで真一郎は武道に何も言えなかった。武道が手を震わせながら座るのに、真一郎はどうしようとなりながら頭を撫でているが、出番だとスタッフに言われ部屋を出る。
真一郎は武道の腕を引き廊下を歩くと、武道は俯きながら真一郎の足元を眺める。スタジオに着き入た。武道の繋いだ手に真一郎は優しい愛していると告げるような、優しいだが真の一本ある表情で告げる。武道は真一郎のその愛が詰る瞳を見つめ真剣な瞳に、見つめ返すと言われた言葉に目を見開き驚く。
「お前は俺の光だ」
その言葉に武道の緊張は解け、ふわりと笑顔を浮かべるお真一郎へと満面の笑顔を見せた。
真一郎はその武道の笑顔に安心したように笑い、出番ですと言われて歩いていく。その光に向かうように二人は歩いていった。
二人が出てきた事で司会者は話を聞いていく。主に真一郎へと聞かれる質問を彼は笑顔で答え、時折武道が質問に答え世間は彼の優しさと加護欲が感じさせる様子に好印象を持った。武道の可愛さに癒されながら、真一郎が時々武道を見つめる目線が甘い事にファンは疑問を持ちながら歌が始まる。
その歌が始まった瞬間に世間は驚愕に見舞われた。歌う彼等の世界に惹き込まれる。
その歌は透き通るように高く、だが心地の良い低さと、胸に染み込み温かく染み込む歌詞に涙を流し、そして湧き上がる勇気が溢れ出すような感覚に救われるような心地になる。彼等の歌に勇気を貰える。画面の前では涙を流す者が多い。武道が推しになった者もいた。
だが凄いのはそれだけではなく、最初に出た作詞作曲武道との事に世間は優しそうな彼が、こんな壮大で勇気を与える歌を歌うのに驚き沼に沈む者が続出した。
画面の前では気づいたら涙を流し咽び泣く視聴者が多く、真一郎と武道お互いを見つめ合う瞳は信頼が感じられ、真一郎が武道を見つめる瞳は甘く然しとても重い愛情が感じられた。
そしてそんな二人の歌は心地好く永遠に聞いてたいと思う中で、その時間は終わりを告げる。
真一郎と武道が画面から消えたと同時に世間は確信した。
この日スターが世界に羽ばたいた瞬間だった。
武道と真一郎は夜の海に来ていた。片手で靴を持ち、浜辺を裸足で歩き砂が足に付く完食が擽ったいが心地好い。真一郎は武道の片手を繋ぎながら浜辺を波際に歩いていく。お互い会話は無く夜の海が月に照らされ、武道が真一郎の手からするりと抜けると足を止め海を見つめた後真一郎が告げた。
「ミリオン突破だってよ」
真一郎は武道の瞳を見つめ笑顔を浮かべる。武道はその真一郎の愛しげな瞳を浴びながら、その瞳を見つめ返した。真一郎が愛しげに見つめる瞳が武道は好きだった。
「凄いな……俺達の歌がミリオンか。夢みたいな話だ」
武道の言葉に海を見つめる真一郎の瞳は何を考えているか分からず、武道はただ答えを待つ。彼の答えはきっと良いのが帰って来るだろう。武道にそう思うる確信があった。
「夢じゃないよ。俺と武道の力だ」
真一郎の言葉に武道はクスクスと笑い彼を見つめる。真一郎はそんな武道を見つめ、これから長い間付き合うパートナーにプロポーズするように告げた。
「これからよろしくな。俺の武道」
「うん、よろしく真一郎君」
二人で海を見つめる。海の夜空には満月が輝き星が満点に二人を照らす。
これまでもこれからも未来を照らしゆくように。