プレゼント 二人で暇潰しの探索に出かけた大社跡、その帰り際。
「そうだ! ねえミドリさん、いい物見せたげる!」
「ゴッドカブトだったらしばき回すわよ」
突然何かを思い出して目を輝かせたイブキをミドリが神速で一蹴すると、夕陽で赤らんだ空に照らされていつも以上に血色良く見えるイブキの頬が、たちまち餅のごとくぷうっと膨らんだ。
「違うし! もっといい物!」
「ネオが付いてもダメよ、分かってる?」
「分かってるって! もー‼ 見せてあげないよ⁉」
頼んでないので別に見てやる義理はないのだが、それを言ったら拗ねてますます面倒になる。言い出したら聞かないのだ、こいつは。
「はいはい、分かった分かった。で? 何?」
ミドリが巨大な溜め息と共に降参したのを認めるや否や、イブキは再びキラッキラの笑顔でこう言い放った。
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