紫に緑が混じるとき紫鸞を挟んで座っていた荀彧、荀攸の両名は疲労と酔いのおかげで眠ってしまった。二人は中心にいる彼の肩へそれぞれ寄りかかりそのまま静かに目を閉じている。少し席を外していた間に随分と愉快な並びになったと、郭嘉は笑いながら腰を下ろす。
「荀彧殿も荀攸殿も器用だね」
「いやぁ一番器用なのは紫鸞殿だね、よく体勢を保っていられるもんだ」
賈詡の言う通り、左右から同時に寄りかかられているのにも関わらず紫鸞は微動だにしない。上手い具合に維持して眠る人らを支えていた。
「そのまま体を引いたら『人』の字みたいになるんじゃないか」
「違うよ賈詡、きっと『入』の方だ。多分荀攸殿の方がこういう感じに倒れて」
冗談を言う隣へ郭嘉はさらに冗談を重ね実際に自分の手で解説してやった。酒も入って陽気な空気のせいか賈詡は吹き出し己の膝を軽く叩くと杯を呷る。
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