たまには外食をしようということで、仕事帰りに駅直結のショッピングモールで便利モブ三人で待ち合わせすることになった。
フロアマップの前で、何を食べようか、とニンニクの入っている可能性のある料理を即座に却下する三木と、なんでも食べられますと言うクラージィに、せっかくなら普段作らない料理が良いかな、と吉田が返し飲食店のある上階へ向かおうとエレベーターへと歩き出す。
だが、クラージィが通路で突然ぴたりと立ち止まり、先頭を歩いていたにもかかわらず三木はすぐに気付き立ち止まり、クラージィの後ろを歩いていた吉田も続いて立ち止まった。
「どうしました?」
「ア、スイマセン。ナンデモナイデス」
クラージィは少し慌てた素振りで視線を三木と吉田に移すが、二人は先ほどまでの彼女の視線の先を見下ろした。
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