ダブルデートは突然に「サンドラよ、今日は魔王城の外に行くから、着いてくるのじゃ」
本日は仕事が休みだ。
お嬢ルームの中に作った自室で、クーロン島時代から愛用している芋ジャージのままゴロゴロしていると、隣の部屋からお嬢が顔を出した。
「え? 今日ですか。どうしたんですか。 一体どこに出かけるんです?」
「城下町じゃ。栖夜と会う」
もはや人質の姫が自由に外出していても、誰も何も言わなくなっている。
「それにどうして私が?」
「タ、タソガレの話を聞くのじゃが、どうしても恥ずかしくて一人で聞けんのじゃ!! それでサンドラについてきてほしくて!!!」
語気を強めながら、お嬢は頬を赤く染める。かわいすぎる。
だが……。
複雑だ。
6267