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    まみや

    @mamiyahinemosu

    好きなように書いた短めの話を載せてます。
    現在は主にDQ6(ハッ主)、たまにLAL。

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    まみや

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    DQ6、ハッ主。こんなこともあるかもしれないな〜という可能性を考えてみた。

    #ハッ主
    masterOfTheHack
    ##6(ハッ主)

    真夜中の逢瀬 そいつはいつも、真夜中にやってくる。

     大概、オレと、仲間であり恋人でもあるレックが、ベッドの上で盛り上がりすぎた時。張り切ってしまったオレが、レックを抱き潰した末に、レックが気絶して眠ってしまって、オレがその後始末を終えたくらいのころ。
     今日も、レックの身を清めて、寝間着に着替えさせて、使ってないベッドに寝かせて。そして、完全に寝入っているレックに、おやすみ、と声をかけて、自分のベッドに行こうと踵を返した、その時だった。

     そいつが、やってきたのは。

    「……ハッサン?」
     寝ていたはずのレックに声をかけられて、オレは振り向く。レックはなんだか不思議そうな顔で、ぱちぱちと瞬きをしながら、オレの顔を眺めてくる。
    「ここ、どこ?」
    「……宿屋だよ」
    「ふうん……どこの?」
    「ロンガデセオ」
    「へえ……? 知らない所だな。何しに?」
    「そうだな、ここは、お前と来たことはないな。パスがないと入れねえから、もしあの頃に来てたとしても門前払いだったろうぜ。今は、大魔王に挑む前に、お前の剣の調整を頼んでるところだ」
     レックは、オレのその言葉を聞いて、ふうん、と言ってから、オレを見て口を尖らせる。
    「ずるい、……夢の世界のボクばっかり、ハッサンとよろしくやっちゃってさ。気がついたらボクが知らないことばっかり増えてる」
     レックは、…現実の世界のレックはいつも、真夜中にやってくる。
     初めて会った時は驚いた。ライフコッドで2人のレックが合体して、てっきり、現実の世界のレックの心は消えてしまったと思い込んでいたからだ。
     どうやら、夢の世界のレックの心は、レックの元の心を全部支配してしまったわけではないらしい。レックは、普段は基本的に夢の世界のレックの意識で生きているが、何らかの理由で意識を失うと、現実の世界のレックの意識が浮上することがある、という仕組みになっているらしかった。
     真夜中にやってくるのは、オレがレックを気絶させてしまう時間がそのくらいのことが多い、というだけの話だ。真っ昼間に気絶させたらこいつは真っ昼間にやってくるのかもしれない。……さすがにまだ試したことはないが。
    「おまけに今からハッサンとどうこうしようと思ったところで、ボクもハッサンももうやりまくった後で疲れてるしなんか腰は痛いし寝るしかないし」
    「……す、すまねえ」
     それについては言い訳のしようもない。
    「でもよ、お前だって、……もうちょっと、こういうことして気絶した後とかじゃなくて、普通に寝た後とかに出てくりゃいいのに。そうすれば、もう少し、何か、できるかもしれねえのに」
     そう言うと、レックはため息をついて、ハッサンは何もわかってない、とかぶりを振る。
    「ボクもあいつも、お互いにハッサンを取られたくないと思ってるんだよ。だからこんな、どうしようもない状況でしか、ボクが目覚められないようにしてるんだよ、あいつが。……でも、体はボクのだから、どれだけとんでもないことをしたところで、あいつのにはならないけど」
     そう言っていたずらっぽく笑うレックの顔は、夢の世界のレックと、正直なところ、あんまり変わらない。……と言うとこいつはきっとまた口を尖らせて怒るんだろうが、オレにとってはどっちもかわいいレックに変わりはない。
    「……難儀なもんだな、分裂して合体しちまったってのはよ」
     まあ、オレとしては、そうやって争われるのも、悪い気はしないこともないが、正直にそう言うとやっぱり怒られそうなので黙っておくことにする。
    「なあハッサン、今度さ、ボクの頭、ちょっと気絶するくらい思いっきり殴ってみてよ。そしたら心置きなくボクもハッサンと色々エッチなことしたりできるかも」
    「何言ってんだ、嫌だっての! どんな理由だろうがお前を殴るなんざお断りだ!」
    「ええ〜? ……ちぇっ、ダメか、やっぱり。そうだよな、そりゃハッサンはそう言うよね」
     まあそういうところが好きなんだけど、とぼそりと呟かれた言葉にオレはため息をつく。
     オレだって、……たまには、お前と。あの頃、好きだったけど、自分が手を出すなんてとんでもないと思ってた、王子様だったお前と。
     本当は好きだったけど、あの頃は言えなかった。だから夢の世界で付き合っちゃったのかな、ボクたち。……それならボクも、あの時に好きだって、ハッサンに言えばよかった。そしたらボクも、ハッサンと、恋人になって、こういうこと、できたかもしれないのに。
     お前に切ない顔でそう言われたのはいつだったっけな。あれもいつぞやの、真夜中だったことだけは覚えているが。
    「……もう一回くらい、いけっかな」
     オレがそう言ってレックをベッドに押し倒すと、レックは驚いたように目を丸くしてオレを見上げた。やがてレックは嬉しそうに顔を綻ばせて、オレにぎゅっと抱きついてくる。
    「してくれるの? へへ、……嬉しい、ハッサン、大好き」
    「……オレもだぜ、レック」
     明日ベッドから起き上がれなかったらどうしようかな、あっちのレックに怒られるかな、と頭の片隅でちらりと思いつつ。
     オレは、幸せそうに微笑む目の前のレックの頬に手を伸ばし、そして、キスをした。
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