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    rein2jiaca

    くぅ〜〜 … 自信ない時にこっち投げることにします。。

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    rein2jiaca

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    逆行みっちのとら武のシーン
    情事におわせあるから

    #とら武
    tigersStripes
    #マイ武
    #逆行

    サモトラケのニケそんでここ以降は、入れたいなと思った私の推しカプのシーン。などなど。

    幼少期とらぴに声掛けて癒しとなったみっちは、その後もとらぴとは関わってこうとする。(真一郎くんの件があるから、東卍とは関わらないようきめてたけど、とらぴの監視も兼ねていた)
    そんで、丁度タイミングもあって"忠誠心の高い駒"を作っておくように言われたから罪悪感を初めは抱きながらも稀咲から"依存させかた"を聞き、とらぴに少し吹き込んだ。
    そしたらそれ以降もとらぴは相当みっちラブになってしまって、やりすぎたかな…ってなってる。
    とらぴはとらぴで、いつでも好きとか俺に出来ることないか?とか聞いてくる。
    罪悪感もあるから、とらぴからの好意をあまり素直に受け取れないみっちがずっといた。
    「武道、俺いつでもお前の言うこと聞くからな」
    「人殺しは」「するよ」
    「拷問は」「もちろん」
    「じゃあ俺殺せる?」
    「…殺す前に、ヤラせてくれんならいいよ」
    「…」
    「本気だよ。俺はお前に救われたから今のお前にも、ちゃんと愛を渡してやりてぇんだ」
    「俺に愛は要らないよ。ほら、離れて」
    「必要ならいつでも言っていいからな。」


    みっちは瞼の裏に何十年も前のマイキーくんから笑顔で名前を呼ばれた瞬間を思い浮かべながら、これまで頑張ってきてた。かつてのマィと同じように。

    みっち自身がマィのになった立ち位置とある事が出来るよう尽くした結果の未来線。


    次のとこはその、とらぴから好意を受け取れなかったみっちと、とうとう瞼の裏のマィの面影がなくなり始めた時期のことです。
    ーーー

    「いつでも言えよ」
    そう彼はいつものように俺に触れて去っていく。
    優しく撫でるその手を、俺は掴んではならないと決めた以上拒絶を続けようとまた払い除ける。
    寂しげに宙を泳いだ手は、それ以上伸ばされることなく静かに離れていく。
    もういい加減、諦めてもいいはずの頃だった。
    5年以上も拒絶を繰り返し、それでもなお差し伸べられる手の熱は既に分かりきっていた。
    これだけ毎日"好意"をのべられて、"善意"と"情欲"を差し出されても俺のする事は変わらないと。
    そう、稀咲と決めたんだ。
    仲間としているこの人達すら、駒として切り捨てられるようにと言われたから。
    俺は、そうあるよう努力する。それも全て彼一人の笑顔のためにと。
    どんな時でも瞼を閉じればきっと、そこに彼がいるのだから。

    そう。いつものように瞳を閉じた時だった

    「あ……」

    明るく笑いかけた彼が俺を呼ぶ声が聞こえない。
    そうだった、人の記憶は声から消えてくんだったなと思い出した。
    笑顔は見えるのに、口を開いていつもこの後に告げていた、俺の名前を呼ぶ声がモヤがかかったように分からないんだ。
    『タケミっち』
    そう呼んでくれていた。言葉はわかるのに、
    その時の声がもう思い出せなかった。
    いやだ、忘れたくない。 なんで
    なんで気づいちゃったんだろ…
    震えながら、その事実が恐ろしくて震える。
    認めたくない。いやだ、忘れてるわけがないんだ。
    もう一度、もう一度と何度も瞼を閉じても、その声が再び聞こえてくることは無かった。

    二度と、紡がれないあの声が無くなったと言う事実に酷く動揺する。
    もしかすると、明日にでも俺は…この姿すらも忘れてしまっているのかもしれないと。
    そう考えてしまい、頭をかき乱す。
    いやだ…そんなの…誰か……
    誰も…いない。
    誰も助けてくれる人はいないのだ。俺以外の誰もあのマイキーくんを、知る人はいないから。

    唯一の俺がそれを無くした今、もはや俺が今守ろうとしているものすらなんだったのか。
    何もかも分からなくなっていく、次第にそれは喪失感と恐怖に染まりきりどうにもならない感情にひたすら怯えていた。

    誰か…誰でもいいから…今のこの頭を忘れさせてくれ

    とうとう俺は、その出された手を掴んでしまった。

    「…一虎君」
    「どうした、武道」
    「……やっぱり、…頼んでもいいかなぁ…」
    彼の服を掴む。自分でもよくわかるくらい声も手も震えていた。
    「…」
    ゆっくりとその手は包まれ、指を絡ませられる。
    「本当に、いいのか?」
    「…うん。」
    静かに頷くと、ゆっくりと唇に触れられる。
    そのまま柔らかい熱がじんわりと伝わると、小さくリップ音がたつ。

    「ファースト?」
    「この体だと、きっとそう」
    「…」
    もう一度触れるようなキスをされる
    「…"お前"は、初めてじゃないんだろ?」
    「"キスは"ね」
    きっと一虎君は、この言葉が聞きたかったのだろう。そう言うと、嬉しそうに口角を吊り上げて俺をソファに押し付けた。
    さっきよりも、ずっと深い。知らないキスが交わされる。口の中をゆっくりと支配されていくような、感覚に俺は少し怖さを覚えつつも、欲しかったものだと分かっていた。
    何もかも今だけ全部の記憶を書き換えるくらい、俺の頭を別の何かで支配して欲しかった。
    "俺が彼を忘れてしまった"ということを頭から消してしまいたくて、ゆっくりと少しずつ舌を絡めるように差し出す。
    それに気づいたのか、一虎くんは俺の後頭部を掴み強く抑えた。道は塞がれて、じんじんと伝わってくる快楽から逃れることは出来ない。
    それでいい、これがいい。
    しっとりとした安心感が、頭を支配して思考をも溶かしていく。しきりに訪れる悦というものに、既に俺の口すら追いついておらず、口を離されてもまともに喋る事すら不可能になっていた。
    「はぁっ…あつ…、まだキスだけなんだぜ。なぁ、」
    そう言って熱の篭った声で囁く彼は、やはり幸せそうだった。
    これ程までに俺に依存させてしまったのは、間違いだったかなと消え入りそうな頭で考えかける。
    しかし、答えにたどり着くはずがなく、耳にかけられた小さな息ですら俺の脳内を染め上げてしまうほど、初めての快楽は強すぎた。
    「武道、ほんとーに…最後までいいのか?」
    最後まで。
    その言葉が意味するのは、思考の停止と浴びたことも無い快楽の終着点だ。
    何もかも忘れて、身も心も委ねることが本当にいいものかどうかなんて、俺には分からない。
    だけど、今の俺にとって少なくとも"忘れる"ことは、最高に苦しくて、最高に嬉しい事だった。
    酷い矛盾だと自分を嘲笑いながら、彼に向けて笑いかける。
    それを正しく了承と受け取った彼は、ゆっくりともう一度キスをする。
    「…やっと、お前に愛を注げるんだな」
    そう甘ったるい声で幸せそうに言った彼の頭を、俺はゆっくりと撫でる。
    かつて、10年前にしたのと同じように。
    頬を伝った雫の正体はわからなかった。


    ーーーー
    眠りについた武道は幼く見えた。
    こういった行為を行うのは何度目かもう分からない、それでも俺は求められれば武道を抱くし、酷くして欲しいと頼まれたら酷くもする。
    いつも涙を浮かべてなき声を上げるその辛そうな面を、なんとか変えてやりたくて俺は愛を沢山注ぐ。
    何度も、求められるだけ続けて。
    一瞬でもいい、僅かに見られる辛さ以外の表情の為に俺は3時間も5時間もじっくり費やして愛を囁いている。
    イく瞬間の快楽に染った顔も、大好きだった。辛い顔よりもずっとマシだと、ひたすら願う様に生産性のない行為を続ける。
    最中の涙はきっと、苦いものではなく甘いものだと言い聞かせて何度も舐めとった。
    俺を求めるように呼ぶ声が大好きだった。必要とされていると、思うと何でもしてやりたくなる。
    俺はお前の為ならなんだって出来る。なんだってしてやれる。お前が俺をもう愛さなくてもいい、俺を見ようとしなくてもいい。ただ、俺がお前に愛を向けることだけは許して欲しい。
    それさえ出来れば、俺はなんでもいいんだ。世界がどうなろうと肢体が無くなろうと。
    だから…だから、まだ。
    まだ、頼む。
    あいつを…

    あいつがいなくなることだけは

    嫌なんだ。

    『行かないでくれ』


    その言葉は、俺の口から紡がれることは無い。
    あいつがそれを望んでいないことを、よく分かっていたから。
    俺は自分の唇の裏を噛み切って堪えた。

    「ありがとう」

    そう、笑って呟く姿は誰よりも綺麗で 初めて俺が会った日の面影と重なった。

    感謝の言葉が、酷く重くて。
    俺なんかじゃ受け取りきれない、俺には重すぎる。だからまだお前に持ってて欲しかった、抱えられるようになるまで待ってて欲しかった。

    あいつはそれも知らずに、言葉だけを置いて横を通り過ぎていく。
    その場の人間が、行先を阻むことは無い。

    俺も阻む術はなく、伝えられた言葉を頭の中で反復した。

    『あとはお願い』

    最期の叶えたくない願いを俺は、受け取ったふりをして。しゃがみ込んだ。

    きっと10分後にはもう、あいつはこの世にいないのだろう。
    1人閉じきった部屋で、静かに眠るようにあの心臓の律動を止める。
    寂しくないのかと呼び止めても、無駄なのは知っていたし止められるともおもわない。

    だから、行かせた。
    その後のことなんて俺はどうでもよかった。
    直ぐに、追いつきたいから。

    静かに音を立てないよう、10分後の部屋に足を踏み入れる。
    そこには机に眠るように突っ伏した武道がいた。

    「…」
    小さく、口の形だけが名前を紡ぐ。
    何度も呟いた名前なのに喉奥から声は出ない。
    まるでその名前がこの世から消え去ったかのようにも思えた。
    名前を呟いて返事が来ないことが恐ろしくて、俺の口は呼ぼうとしない。
    ゆっくりと近寄り、頬に触れる。
    まだ、あたたかさの残るそれにほっとした。
    いつものように抱えて、俺に寄りかからせる。この後、よくキスを繰り返して温まった後にようやく手を忍び込ませるのが普段の流れだった。

    僅かに冷えた手に熱が伝わるよう、手を絡ませる。俺の手の方が温かかった。
    顔を抑えて唇に触れる、柔らかいままだ。何度か繰り返すと、次第に呼吸が乱れて熱っぽい息が俺に触れるんだ。
    それがいつもの流れだった。

    握り返されることない手から熱が逃げないように、キツく力を込める。
    力加減が下手だから、言ってくんなきゃわかんねぇんだよな。
    耳元に呼吸が届くことは無い。頬に触れると次第に熱も失われていくのがわかった。

    「武道、…俺…キス、下手になったかな…」

    もう一度、深い口付けを交わしじっくりと探る。
    初めてしたキスは、今よりずっと短かったなとすぐに思い出せた。
    全ての毒を吸い出せたら、お前は目を覚ますのだろうか。
    ゆっくりと、絡ませた唾液を自分に流し込む。
    こくりと喉伝う劇薬に、次第に視界がぼやけていった。

    俺はお前の王子じゃないから、キスで目を覚ましてやることは出来なかった。
    けど、一緒に眠ってやれるから。ダメなら起こしに来てくれ、また起きたら名前を呼んで欲しい。

    「…武…道、……愛し…て…る」




    ーーーーー

    遠くで懐かしい姿が見える。
    かつて夢みた彼らが楽しそうに、笑って夕日を背景に声をかけてくるのだ。

    『タケミっち』

    忘れてしまったはずのその声は、どうやら思い出せたかのようにはっきりと聞こえてきた。
    遠い、遠い思い出が懐かしさと鮮明さを持って俺を包んだ

    『ありがとう』

    そうかけられた声に、俺は静かに泣いてしまった。

    『泣き虫のヒーローだな。相変わらず』

    明るい声でそう言われながら頭に手を置かれる。伝わってくる熱がまるで本物のようで、じんわりと頬を伝った涙が服にこぼれた。
    『俺っ…マイキーくんの、為に…頑張れ、ましたかねっ…』
    今君の見せる笑顔は、懐かしいものだけども。
    それでも俺が頑張った世界での君も、同じ表情をしていると信じたくて。
    夢の中と分かっていながらも、肯定の言葉が欲しくて聞いてしまう。
    『…もちろん。俺は今、すげー幸せだよ。
    お前のおかげで』

    よかった… 優しく伝えられた言葉に俺は崩れ落ちた。
    しかし、言葉は静かに続く

    『でも、ひとつだけつれぇんだよ。』

    まだなにか、あるのかと涙を拭い彼を見る。まだ、
    君は幸せになれないのかと。
    『何が…』

    『お前だよ。あと、お前が居れば全てが最高なんだ。』

    『っ…』

    聞いてはならない言葉だった。
    これは夢なんだ、マイキーくんが言っているわけじゃない。
    自分の思った言葉を彼は、彼の面影はくれているだけなのだと。
    だって、もうそれは叶えられない願いだからだ。

    俺はもう死んだ。
    あの後みんなに全てを託して、部屋で1人で死んだはずなんだ。

    『っごめん…それは、無理なんだ。マイキーくん』

    目の前の彼に告げる。風が頬を撫でて、髪を揺らした。しかし、彼は笑って言った。

    『無理じゃねぇよ。だってほら、タケミっちの手。
    こんな温かい。』
    『え…』

    そう言って、掴まれた手には確かに熱を感じた。

    あの日赤に染った地面で消えていった熱は、今この手に残って律動を続けている。

    『…早く、起きろよ。みんな待ってんだ。

    タケミっち。』


    沈まない夕焼けが、俺たちを導く。
    不意に背中を押されたような気がした。
    沢山の懐かしい声の中、リンっと遠くで1つ鈴の音が微かに聞こえていた。



    ーーー

    光の中に、俺はいた。ゆっくりと白が近づいて目を覚ます。
    ピ、ピ、ピと目覚ましのような機械音がしていた。
    人を起こすことには向いていないが、鼓動のように紡ぐ音はその場にいた人たちを落ち着かせるに至っていた。

    ゆっくりと見回して、左手の熱を見やる。
    そこには何年ぶりだろうか、先程まで笑っていた金髪がいた。
    声は出ないけど、かすかに口を動かす。
    名前を呼びたくて、小さくつぶやくように。

    呼吸音だけ漏れ出たようなそれでも、静かな場ではしっかりと届いたらしい。
    その人物はゆっくりと顔を上げて、俺と目を合わせた。
    そして、目を細めてくしゃっと笑いながら告げたのだ。

    「おかえり…タケミっち。」

    「…た…だいま……、マイキーくん。」

    ーーー

    「…あとは、お前だけだ。」

    主君と心中を測ったそいつは未だに目覚めることは無い。
    花垣武道が目覚めてから3日、隣で眠っていたこいつは大した変動も見せることも無く、淡々と心音を電子に変えていた。
    隣にできた空白に寂しくなった病室は、その音を際立たせた。

    静かな場にひとつの足音が近付いた。
    聞きなれた靴音は俺にとっても、懐かしかを感じるもので微かに口角を上げてしまったことを自覚してしまう。
    「来たぞ」
    部屋の扉が開き、その人物は再度この場に姿を見せた。
    ゆっくりとした歩調で、横たわる者の傍に立つ。
    少し眉を細めて、そいつの手に触れた。

    「…君から俺は貰ってばっかりだったから…、渡すのは久々になるね」
    両手を重ね、強く握る、こいつの体温に挟まれた手はさぞ温かいだろう。
    「…俺、キスとか下手だからさ。次はちゃんと教えて欲しいんだ」
    そっと顔が下ろされ、呼吸器の上から重ねられる。
    神聖な儀式のような光景に、目を奪われた。

    静かな愛だけが、そこには確かにあったのだ。

    良かったな。お前いつも暇さえあれば俺に愚痴ってやがったな。
    "あいつからしてくれた事は無いんだ"って毎回毎回、幸せそうに言ってたくせに。
    実際されたら黙りか。

    「…朝だよ、一虎君。」
    夜は明けたと、主は言った。
    重ねた手に祈るように額をつける。

    誰よりもこいつを泣かせたくなかったお前が、こんなに泣かせてどうする。
    早く起きてやれと、言ってやるはずだった言葉は喉に留まった。

    小さく、そいつは答えるように
    「お…は……よ…。」
    と、そう声がして、泣き虫な主はボロボロと大粒をの涙を零した。
    その目を拭いたいのか、手を動かそうとしているが今のお前には難しいだろう。
    それでも微かな身動ぎて伝わったらしく、花垣は笑ってこう言った。

    「…君から、…また

    愛を受け取りに来たんだ…。」
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