オクシアSS【!注意!】
・オビさんがリアル吸血鬼の設定
・刃物で身体を切る描写があります
・流血注意
・何時もの甘々な感じではない
「よぉ、オビさんよ。俺の血が欲しいかい?」
この男は、こんなにも解りきった事をニヤニヤと笑いながら聞いてくる。人間の一生など吸血鬼にとっては一瞬で、オビからすれば赤子のようなこの目の前の人間に屈服させられているという事実。それでも、本能に抗うことは出来ない。
「貴方は本当に悪趣味ですね」
「ッハハ、今更言うか?それ」
「ええ、何度だって言いますよ」
行儀悪くダイニングテーブルの上に腰掛けたオクタビオは、手の中で器用にバタフライナイフを回して遊んでいる。風を切りくるくると回るその鈍色の刃を見るだけで、口の中がカラカラに渇き喉の奥が熱くなる。早く、早く。今にも叫び出しそうな本能を理性で無理矢理抑え込み、少しでも抵抗するように冷静さを装った。
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