熱海へ行きましょうカムイは唐突に「おめでとうございます!」と言って手に持たされた封筒をじっと見る。
おめでとう、とはどういうことだろうかと首を傾げるが、誰からも何の説明もない。
「すげぇじゃん、カムイ!」
「やったな!」
拓馬と獏に両脇を固められ囃し立てられるが、その凄さとやらもよくわからない。
自分はただ隼人に頼まれた買い物をして、レジで渡された抽選券とやらと引き換えにガラガラと小さなハンドルを回しただけだ。もともと抽選所に行くつもりもなかったが、せっかくだから引かねぇともったいないだろうと、何故か買い物についてきた拓馬と獏に半強制的に連れて来られてしまった。
コロリと飛び出てきた金色の玉を見て、周囲はわっと湧き上がる。どうやら、状況を把握出来ていないのは自分ひとりだけのようだ。
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